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短歌 #11 春の匂い

ひっそりと白木蓮の散りぬるを母の帚(ははき)の掃き捨てにけり(*1993年初出時のもの)

騒音の中にてわざとぼそぼそとキミガスキダと言ってみる僕

ひとしきりあなたの胸に顔をつけ泣き続けたら春の匂いす

母親の前で初めて言ってみる僕ではなくて俺でもなくて

雨上がり浅い緑の萌ゆる香が立ちのぼりくる晩春の朝

ありがとうございますサポートくださると喜んで次の作品を頑張ります!多分。