本能型のクライマーと知略型のクライマー

キングダム的に言うとクライマーには本能型と知略型がいると思っているのですが、セッションする中で相対するこの二つの型がぶつかり合うことも当然ある訳じゃないですか。

なんでしょうね、物語的にもそうだけど、どうしたって知略型が本能型に敵うビジョンが見えないんですよね。大体李牧のせいなんですけど。

(引用元:漫画「 キングダム」7巻)

僕なんかはあえて分類するのであれば知略型ではありますが、生兵法を用いて山の上に布陣するタイプなので、本能型のクライマーの判断の速さ、一回目のトライで最適ムーブに辿り着く嗅覚に畏敬の念すら抱きます。

嘘やん・・・いや一手一手最適なムーブを選択しているだけなのかもしれないけれど、それだけだったら行き詰まることもあるはずなのに、なんで完登までスムーズに繋げられるの?

いやまぁ、一緒にセッションしていたのが本能型の中でも極まっているクライマーだったと言うだけかもしれないですけど。

そもそも本能型のクライマーって強くないですか?強いから本能のままに登っても押し切れるのかな?んで、体格を見ただけで「この人は本能型のクライマーだ」ってわかるような野生味のあるオーラを纏ってません?

強いクライマーって立ち方とか筋肉のつき方とか雰囲気とか、なんなら服装でも結構わかるじゃないですか。中でも本能型はわかりやすいと言うか、歴戦の戦士感があると言うか。これまで鬼のように登り続けて自分の感覚とかあらゆるムーブパターンが身体に染み付いていて、それが野生味として溢れ出してるのかもしれないですね。

憧れるわー。

一緒にセッションしてても本能型のクライマーが本能で辿り着いたムーブ、その結果から逆算して論理的且つ意識的に重心や出力を何度か調整して苦心しながら自分の体格に落とし込んで、それでようやくこちら側のムーブが完成するのに、その時本能型クライマーは遥か先に進んでいますからね。

まぁ僕が知略型にしてもレベルが低いからと言うのもあるんですけど。そもそも知略型であるかも疑問で、あえて分類するなら、と言うだけで実際はただの凡愚なのかもしれない。っていうか多分そう。

今回の場合単純にクライマーとしてのレベルに差があるから、タイプの違いによる力の差のお話にはならないんですけどね。

知略型も極まれば独特の雰囲気が醸し出されるようになるんでしょうね。たまにいるもん。めちゃくちゃインテリオーラ出てる強者クライマーが。これはこれで憧れますわー。

そういう人って論理的且つ、その人のレベルに合わせてムーブの説明をしてくれたりするから安心感あるんですよね。

その点では本能型は「グッとしてドーン!だよ」みたいなことしか言わないですから。当たり前にこなしていることだから「なんでできないのか逆にわからない」とか言われてポカーンとしてしまうシーンもしばしばあります。

うーん、普段から性格が合わないと感じているパワーとメンタルに突出した猪突猛進クライマーも、ひたすら登り続けて厚みが出てきたら本当の意味で本能型に昇華するのかもしれないですよね。今は周囲からも「登りが雑!」みたいにいじられてるけど、結果が伴ったらそれは一つのあり方と言うかなんと言うか、まぁこういうタイプが本能型の卵なのかもしれない。

それは知略型も一緒か。僕だって弱いのにゴチャゴチャと御託ばかり並べてますからね。強くなればその御託にも説得力が伴うのでしょう。

「核心部分だけなら突破できる確率は20%。スタートからゴールまで繋げたとして完登できる確率は5%。上出来だ。賭けとしては十分に成立する。あとは言いたくありませんが気合ですか。はは、あなたと長く一緒にいすぎて馬鹿が移ったのかもしれませんね。さあ行きますよ!」

みたいな感じで。いやなんだこいつ。一緒に登りたくねぇな。

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