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ロジカル事務品質 ~事務作業改善ポイント~


はじめに

 「品質管理」「品質向上」というタイトルの書籍の多くは工業を対象としている。工業製品はユーザおよび市場に直接評価される。厳しい競争に磨かれて品質管理が体系として確立し進化してきた。
 一方、書類を処理する事務作業の品質はユーザが直接良し悪しを評価する機会はなく、企業における裏方業務の位置付けである。事務作業の体系的な品質マネジメントは注視されることも認識されることさえなく、事務作業の品質に関する書籍も世には出回っていない。しかし、ひとたび事務ミスが発生すれば企業および顧客の大きな損害につながる。
 筆者は金融機関の事務センターにて品質管理を担当した。着任して気付いたことは、事務品質に関してロジカルな体系アプローチがないこと、そして組織の内向きな保身体質が品質を阻害していることである。
 本コンテンツは現場のマネジャーに向けて、実践的な事務作業の品質向上について整理するものである。

1.事務の品質とは

 「品質向上」を進めるにあたり、まず「品質」とは何かを定義する必要がある。何を向上させるのか対象があいまいでは対策が的外れになるし、評価もできない。
 「品質」とは要求を満たす程度である。誰の要求かといえば、成果物(またはサービス)を提供する相手であり、最終的には顧客である。顧客が何を求めているか、企業は何を提供することを自社の価値とするかにより「品質」対象は規定される。

 いくつか例を挙げてみよう。
 自動車:顧客が故障のない耐久性を求めている場合
  ⇒故障発生率の少なさ、耐久性が品質である。
 自動車:顧客がカッコよさ、乗り心地を求めている場合
  ⇒デザイン性、快適性が品質である。
 飲食店:時間のない多忙なビジネス客の場合
  ⇒提供される早さが品質である。
 飲食店:接待やデートで利用する顧客の場合
  ⇒味、見栄え、雰囲気が品質である。

 以上のように、同じ商品カテゴリでも顧客により求める価値は異なる。したがって、企業が「品質向上」を目標にあげるとき、どの要素を優先とするかを明確化する必要がある。事務作業においては一般的に以下の要素が想定される。

 ・正確性、完全性
   例:ミスがないこと。要件通りに誤りなく処理すること。
 ・早さ、効率性
   例:依頼に対し迅速にアウトプットすること。
 ・付加価値
   例:期待を上回るサービスを提供すること。例えば、顧客が作成した
     書類に不備があった場合に、適切に補って完全な状態でアウトプ  
     ットすること。

2.品質を妨げるメンタル要因

1)品質目標がミス隠しを生む

 人間もシステムも完璧ではない。したがって、必ずミスや事故は発生する。それをオープンにして原因を究明し適切な対策を施すことが品質向上につながる。ミスや事故の発生は改善の機会なのである。しかしながら「ミスゼロ」という品質目標が、現場への重いプレッシャーとなり、ミス隠しに至り、改善の機会を奪うことがある。教育現場において「いじめセロ」という目標に縛られた教員がいじめをけんかと判定して問題に蓋をしてしまい、状況が改善されないのと同じ構図である。「ミスゼロ」とは机上の空論であり、それにとらわれ現場に圧力をかけると逆効果になることを管理者は肝に銘じるべきである。

2)ミス対策がミスを生む

 ミスゼロを掲げる組織において、直接的な対策として「チェック強化」が重用される。しかし、チェック作業に工数がかかることを考慮しなければならない。作業の合理化、省力化を伴わないチェック強化は作業負荷を増すだけである。その結果、チェックの形骸化につながる。あるいは現場の疲弊によりミスを誘発する潜在リスクは大きくなる。「チェック強化」は対策を指示しましたという管理者の自己保身である。保身のために負担増を現場に押し付けてはならない。問題が発生したとき「現場には指示しています」という発言が管理者から聞かれるが、これば責任転嫁である。チェック強化するのであれば、無理なく実践できる時間、工数を確保することが前提である。その余裕がないのであれば、やることやらないことを管理者の責任において選別しなければならない。あれもこれもと現場に押し付ける行為は、”マネジメント”ではない。
 また、ミス対策にはコスパの観点も必要である。ミスの軽重(影響度×発生頻度)によって対策の重さも加減することが合理的である。

3)作業者のジレンマ

 品質向上を妨げる管理者側のメンタル要因を述べたが、作業する担当者側にも品質を左右するメンタル要因はある。人であればラクしたいという葛藤は心の奥にあるはずである。確認やチェック作業はほぼ99%は空振りに終わる。そうなると確認やチェック作業を疎かにしてもよいではないかという誘惑がおきることは自然である。特に多忙で負荷がかかっている状態であればそうである。
 今、確実に100円を支払う選択肢と、将来的に100円を失う可能性が1%の選択肢があれば、人は後者を選択するであろう。作業におけるチェック作業はその図式があてはまる。チェック作業を行えば時間というコストを払う、チェック作業を怠っても99%は問題ないならば、時間というコストを払いたくなくなる。この誘惑に打ち勝つには、1%の確率で発生する問題のコストをしっかりを意識することである。将来的に1%の確率で発生するトラブルのコストが1000万円であれば、期待値は10万円である。手にしている1枚の書類を10万円札とイメージすることが作業に責任感を生む。  
 管理者は作業者に対して、作業の持つ意味、重要性をきちんと理解させることが求められる。現場への過度なプレッシャーがミス隠しを生むと述べたが、作業の重みを”やりがい”、”誇り”として感じさせることが理想的な意識付けである。


3.品質向上策の実践


0)品質体系とは

 事務作業においてミスが発生し、何らかの損失が発生すると、組織の上位層から現場に対策が求められる。しかし”品質体系”が無い中で現場の管理者は、短絡的、場当たり的な対策に走りがちである。
 では、品質体系とはどのようなものか?国家において、憲法⇒法律に基づいて制度や施策が施行され、各組織や機関が運用を担うように、企業内のルールと役割を整備することで体系となる。
 筆者が事務センターの品質管理担当に任命されてから、整備したものは以下のとおりである。
 品質管理規定・・・目的、組織と役割、基準、運用ルールを定める。
 マニュアル規定・・・書式、マニュアル体系、作成改定ルールを定める。
 品質活動・・・活動目的、実行体制、権限を定める。
 品質目標・・・期ごとに策定する。期末に検証する。

 各ルールを整備するにあたり、事業を定義することが出発点となる。誰に対し何を(どのような価値)を提供するか?これを明確にしておかないと各場面で判断がブレてしまう。
 

執行と品質は行政と司法のような関係で位置付けられる。
事業の定義をスタートとして品質計画が策定される。


1)作業ミス要因と対策

 事務作業における正確性向上、完全性確保について整理する。ここではヒューマンエラーを対象とする。作業ミスの要因は以下に分類できる。対策も合わせて記す。参考として自動車の運転に例えるとわかりやすい。

 ①作業手順が不明確=目的地までの道順が不明
  例)作業が属人化、マニュアルがない、運用ルールがない、等。
  ⇒作業手順を整理する。マニュアルを整備する。
   運用ルールを整備する。

 ②知識不足、知らない=運転免許がない
  例)正しい手順の指導を受けていない、
    手順が改訂されたが周知されていない、等。
  ⇒マニュアルに基づき教育を行う。定期的に理解確認を行う。
   改訂都度、周知と理解確認を行う。

 ③認識誤り、判断誤り=信号誤認、右折時判断誤り
  例)文字を見誤った、案件内容を誤認した、等。
  ⇒ダブルチェック(別人による作業確認)を行う。
  疲労による認知低下を予防するため、定期的に休憩をとる。

 ④操作誤り、手違い=ハンドル・ブレーキ操作ミス
  例)入力を誤った、処理手順を誤った、作業工程を失念した、等。
  ⇒チェックシートを作業者が記入することにより自己チェックを行う。
  ダブルチェック(別人による作業確認)を行う。
  複数作業を同時並行で実施すると誤りが発生しやすいので、シングル
  タスクを原則とする。一作業を完結させるまでは別作業には手を付け
  ない。

 ⑤故意=危険運転
  例)職場への不満からわざと手を抜く、等。
  ⇒故意の不正行為に対しては、ダブルチェック体制により単独で作業を
  完結させない仕組みを設ける。普段からのコミュニケーションで危険な
  兆候を察知すること、不満が蓄積しないような業務運営が求められる。

2)対策の進め方

 ミス発生に対していきなり対策実行に着手するのではなく、以下の手順で進めることが望まれる。

①現状分析
 何がどのような状態であるか定量化する。
②目標設定、ゴールの設定
 どのような状態を目指すのか?誰が、何を、いつまで、どの程度
③原因分析
 なぜなぜ分析で真の原因を深堀りする。
④対策立案
 原因別の対策を立てる。
⑤優先順位付け、ターゲットの明確化
 発生頻度、影響度をもとにリスクを定量化して優先順位をつける。
⑥実行計画、実行体制
 誰が、いつ、どのように実行するかを明確化する。
⑦実践
 計画に基づき実行する。
⑧検証
 実行結果を評価する。

<なぜなぜ分析と対策例>

 ミス事象
  項目の登録モレ
 なぜ?
  ①書類の項目を見落とした
 なぜ?
  ②書類レイアウトと入力画面のレイアウトが異なる
 なぜ?
  ③項目が追加されたため
 なぜ?
  ④営業からの要望で急遽書式が変更となったため
 なぜ?
  ⑤顧客企業とのコミュニケーション不足

 対策①
  書式変更について入力担当に周知する。
 対策②
  見落とし防止のマーカーを塗る。
 対策③
  書式と入力画面のレイアウトを合わせる。
 対策④
  項目変更の期限に関する社内ルールを整備する。
 対策⑤
  営業部門は顧客企業と定期的に書式を確認する。

 一般的には入力モレに対しては対策①②レベルでお茶を濁すことが多いが、原因を掘り下げ、他部門と調整することによって、より根本的な対策を講じることができる。
  
   

3)トレーサビリティとフィードバック


 事務作業はできて当たり前という前提のためトレーサビリティが考慮されないことがある。しかし、ミスは必ず発生するものである以上、いつどこで誰がどのように処理したのかを追跡調査可能にしておく必要がある。紙媒体の場合は、書類に作業者印を残すことで作業者を記録する運用が望ましい。発生事象を作業者にフィードバックし、原因と対策を当事者自らが考えることが現場力の向上につながる。いわゆるトヨタ式の”なぜなぜ問答”の実践が真の原因を見つけ出すヒントになる。なぜなぜ問答においては、当事者が責められたり、詰問されていると受け取られないように、前向きな気持で実践できる雰囲気作りが肝要である。

3.人材育成と業務運用

1)”できない作業者”の処遇

 一般的に事務処理は定型的なルーティン作業であり、作業手順を文書化(=マニュアル化)可能である。マニュアルに基づき作業者に対し手順を説明する⇒理解確認する⇒実行させる⇒結果検証する、、、という流れで品質は担保されるはずである。
 しかし、何らかの判断を要すところがあり、ケースをすべて書き出すとマニュアルが辞書のようになってしまい、使い物にならない。現実的には基本手順をマニュアル化し、派生する様々なケースは作業者の判断に委ねて運用することになる。
 ここで問題なのは、”できない作業者”の処遇である。マニュアルに記されたケースと異なるケースに遭遇すると、状況認識や判断ができなくなる作業者は一定割合で存在する。例えば、A地点からB地点を経由してC地点に向かう要件に対して、”できない人間”は10m直進し右折し1KM直進し左折して、、、という具合に個々のアクションで道程を覚えるため、工事中で迂回が必要という状況が生じると目的地に辿り着くことができなくなる。”できない作業者”はそもそも業務要件や作業目的を理解していない。学歴や企業規模に関わらず、応用問題が解けない人材は存在する。筆者の経験では”できない作業者”に標準業務を任せるのは無理がある。定型的な単純作業しかできない作業者にはそのような業務を割りあてるしかない。他メンバーからの不平不満のもとにはなるが、できないことをさせて後始末に労力を割くより、確実な作業を積み上げていく体制を築くべきである。作業者の特性を見極めて作業を割り振ることが管理者の役割である。

2)”できる作業者”の処遇

 事務作業において”できる作業者”とはスピードと正確性を備えた人材である。事務作業は非正規雇用者に支えられることが多いので、離職を避け、継続して勤務してもらえるような環境づくりを管理者は目指さなければならない。有能な人材が持つ不満として想定できることは、①非効率な運用、②リスペクトの欠如、③対価である。
 有能な人材はゴールまでの最短ルートが見えているので、不合理な回り道や停滞がストレスとなる。業務上のルールや手順に関して、改善意見を吸い上げて常に改善する姿勢が大事である。現場の意見を黙殺する態度は不満を蓄積させることになる。
 事務作業において正社員と非正規雇用者が同じ作業に従事することがある。正社員より非正規雇用者の方が生産性が高い場合、不満となりやすい。特に異性ではなく同性の場合に感情的な対立になる場合もある。筆者の経験では、正社員側に非正規雇用者へのリスペクトや感謝の気持ちが欠けていた場合に事態は悪化し修復不可となった。
 労働への対価に関しては、どのような評価基準を設けて運用しても全員が納得し満足することはない。永遠の課題である。少しでも緩和するためには金銭面以外での働きやすい環境を維持するしかない。

3)教育と理解確認

 仮にシステムとマニュアルが完全であったら、作業するヒトを完全にすれば成果物は完全となるはずである。ヒトを完全に近づけるために、教育が重要であるが、一方的な業務説明に終始していることが多い。”聴いた⇒理解した⇒できる”はイコールではない。理解確認、結果検証まで追跡して初めて教育といえる。


理解確認と結果検証が重要

4.品質とモチベーション

1)モチベーションの源泉

 品質向上を目指すうえでの最も大きな壁が動機付けではないだろうか?
一般論としてやる気と成果は比例する。逆に言うと成果を目指して人は努力するものである。しかしながら、事務作業は問題なく処理できてあたりまえの世界であり、努力の成果は誰の目にも留まることはない。唯一事務作業が注目されるときはトラブルが発生した場合ではないであろうか?注目されず、達成感も得られにくい事務作業において品質維持、品質向上という課題にモチベーションを見出すことは難しい。

 筆者の勤務先が実施したモチベーション対策についてメリット、デメリットを整理してみる。

①表彰制度 
 メリット:
  ・発表することが得意なものにとってはハレ舞台である。
  ・現状分析→対策→効果検証という流れを文書化する機会となる。
  ・目標管理制度と連動させ、毎年の継続的な活動として定着できる。
 デメリット:
  ・根拠をもって公正に評価しないと反感を招く。
  ・特定人物に偏る傾向があり、全体の底上げにならないことがある。
  ・エントリがノルマとなり、形骸化した発表が繰り返される。
②QC活動
 メリット:
  ・主体的、継続的な改善の基盤となる。
 デメリット:
  ・会議や報告が目的の活動に陥りやすい。

③処遇改善 (品質管理担当への手当支給)
 メリット:
  ・責任感の醸成につながる。
 デメリット:
  ・単なる既得利権となってしまい効果は継続しにくい。
 
 施策は提案件数や発表資料という表面的なアウトプットに管理者は意識が向きがちである。形を整えても魂が込められていないとモチベーションアップにはつながらない。空虚な対策は、現場作業者の意欲を蝕む。
 ここで再認識したいのは、マズローの欲求階層説である。ヒトの欲求の上位は、”自己実現”であるということだ。ヒトは自己の成長を実感するときに充実感や達成感を得ることができる。課題認識→挑戦→成長という観点で業務に向き合うようにメンバーと意思疎通を図り、施策を実行することが大事である。

2)”顧客”を意識する

 
 冒頭で述べたように”品質”とは要件を満たす度合いであり、ミス等のマイナスを減らすという側面とより高い価値を提供するというプラスの側面がある。ミス削減ばかりでは、作業者のやりがいや達成感にはつながりにくい。
 高い価値を提供するという目標設定も品質向上活動には求められる。しかしながら、顧客と接点のあるサービス業務等と異なり、事務作業においては顧客からの反応を認識しにくい。事務作業には複数の工程があり、別々の担当者が担うケースが多い。後工程の作業者が前工程の作業者に対して、作業内容の評価をフィードバックする機会や仕組みがあれば、作業者はよりよい仕事を実践しようという意識につながると考えられる。”後工程が顧客である”という意識を各工程がつないでいくと、その連鎖が最終的に本当の顧客にアウトプットされることを全工程の作業者は認識するべきである。最終の顧客からの感謝の声はフロント部門だけではなく事務作業を担うバックオフィス部門も含めて共有できることが重要である。
 
 

次工程は”顧客”である

まとめ

 品質向上の鍵は①リソース確保、②ターゲット明確化、③ポジティブな意識である。

1)経営課題としてのリソース確保

 かつて日本の製造業は”高品質”が評価されていた。しかし、最近は自動車メーカ、電機メーカ、機械メーカ、ゴムメーカ・・・一流企業における品質不正事件が後を絶たない。その多くは納期やコストの課題をクリアするためと言われる。つまり現場で処理できない業務ノルマが押し付けられていることが背景にあるのだ。
 筆者は金融機関に勤務していたが、経営トップからの納期の厳命に対して、トラブルを隠して計画達成が報告されるという事例を見てきた。要領よく表面を繕い、隠した瑕疵が見つからなければ痛い思いを免れる、一方事実通りに報告する誠実な正直者は叩かれる構図である。
 実行可能なリソースの裏付けのないノルマを現場に押し付けることがあってはならない。品質とは現場の課題ではない。経営トップの課題なのであるリソースが保障されてはじめて現場の品質活動は実践できるのである。しかしながら、リソースの裏付けなく結果だけ要求される職場環境が圧倒的に多いであろう。中間管理職がとる態度は残念ながら以下の選択肢しかない。
 ①上層部からの指示を一方的に伝達する。
  ⇒✕:既に述べたように実践不可な指示はミスや事故のリスクを増す。
 ②上席者に反論する。
  ⇒△:有能な上席者であれば根拠と代案を示せば改善の可能性あり。
 ③指示をノラクラとはぐらかす。
  ⇒△:現場を護る現実的な方法。

2)ターゲット明確化

 トップから品質向上の命題が下ると、やみくもに対策を並べる管理者は多いが、折角リソースを確保しても、対象が拡がると対策の実践は難しい。ターゲットを絞り、原因分析を行い、対策を明確化して実践することが重要である。

3)ポジティブな意識

 売上向上やシェア拡大、あるいは顧客満足向上といった目標と比べて品質向上はモチベーションを持ちにくい。品質向上推進にあたって最も避けるべきは減点主義である。ミス隠しは改善の機会を奪う。最終的に顧客満足の向上につながるという前向きな意識を持ち、ポジティブに作業に向かう風土をつくることが品質向上の基本である。


                §

以上、筆者の経験をもとに事務品質の向上についてヒントを述べてきた。事務は企業内において日の当たらない地味な仕事であるが、ひとりひとりの手作業が社会を支えていることは事実である。ぜひ、地道に書類の山に向き合う真面目な作業者たちが、仕事を通して成長や達成感を得られることを願ってやまない。


道は続く

【筆者略歴】
・金融系システム会社にてPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)担当
・クレジットカード会社事務センターにて業務チームの運営管理担当。
・同事務センター全体(20チーム、400名規模)の品質管理統括を担当。
・上級システムアドミニストレータ
・(元)中小企業診断士


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