見出し画像

電動車椅子で甑島に行ってみた。

この感動を記録しておかねば…
という気持ちと裏腹に身体はバキバキ、ゴキゴキ。
久々の出張は僕に心地よい疲労感と充足感を与えてくれました。
コロナ禍で忘れていた感覚。
旅をする意味。
そんなことを振り返りながら、自宅のベッドの上から甑島の旅を振り返りたいと思います。

去る11月3日僕は介助者と共に串木野新港に到着。
途中、高速を降り間違えて薩摩仙台まで行ってしまったのはご愛嬌。完全に浮かれていた。
串木野新港に着くと多数の釣り人と、鳶に餌を与えるおじさま。
のどかな時間が流れる。
いいスタートを切れた。

そう思っていた矢先。
もう1人の介助者が来ない…
彼は甑島にてバイク旅を目論んでおり、単独串木野新港を目指していました。

むむっ…遅い。

定刻を20分過ぎて、彼は到着。
焦っています。

ひとまず、乗船手続きだ!
ここからは、我らが介護旅行ナビ,そして今回の研修ツアーに縁を繋いでくださった堤さんにお任せ…
堤「バイクの車検証ある…?」

バイクに乗ってるはずです…

シートが開かない…なんか引っかかってる…
チクタクチクタク時間はすぎる。

介助者2人が必死になって、バイクをガチャゴソしているのを僕は見守りつつ思い出します。

これだぁ…旅について回るトラブル
これが楽しいんだよなぁ。。
(旅のトラブルはネタになる!と運動の大先輩に教えてもらってからトラブルを楽しめるようにもなっている)

と呑気な思考を巡らせていたら、係のお兄さんが
「いいよいいよ、これに記入してくれたら」
と一言。(帰りに確認したらバイクは車検証不要でした)
どこにでも神はいるもんやで。
と思いながら無事に乗船です。

車両甲板からエレベーターに乗り、車椅子席を確認したのち、船はやっぱり甲板だよな、ということで早速遊歩甲板に移動します。

エモいカップラーメン自販機が途中にありました。

画像1

汽笛と共に、出港。

画像2

波飛沫で眼鏡に塩を付けながら、それぞれに写真を撮ったり旅の思いで話をしたり約一時間の航路。
目の前の席には関西弁を操る若者3人組がいて、
あぁ世界は元に戻ってきているんだなぁとひとり感傷に浸ったりしていました。

画像3

着港15分ほど前に係のお兄さん優先誘導?ということで一階車両乗り場に移動。
初乗船で分からないことが多かったので、素直に従う。(本当は眼前に迫る甑島を船上から観たかった。)
お兄さんの笑顔にそのまま誘導されてしまいました。せーの!甑島!
としたかったけれど、船は早く降りないといけない。
いそいそとガタガタ揺れる車両専用渡し板を渡り、無事到着。

迎えてくださったのは、今回の旅の案内人でもある、こしきツアーズの齋藤ご夫妻。
https://koshiki-tours.co.jp/
ロゴがめっちゃかわいい。HPとっても充実している…。
齋藤家の日々というページもある
http://koshikishima.com/
ここに僕らの事載るんだろうなぁ(淡い期待)
リモートで研修をご一緒したり、打ち合わせはしていたけれど初対面のご挨拶。

記念撮影パシャ。岸さん大活躍。

画像20

とってもすてきな写真をこの後何枚も収めてくださいました。

一行はまず、コシキテラスで断崖バーガーなるものを食します。
食べ方をともさんにレクチャーされいざ実食…!
もちろん口に収まりきりません。
記念撮影だけして、キッチンバサミでチョキチョキしまして美味しく頂きました。

画像8

そしてここからが怒涛。

僕は旅に行くのは大好きだけれど、スケジュール管理がてんでだめ。
同行者に頼りきりなのですが、純子さんから
「あんまり時間がなくてごめんなさい!車椅子乗り換えられますか?」
と言われてアロエソーダーをごくり(爽やかな中にアロエ独特のクセがあって何とも言えず美味い)

これは…始まる…!!

脳内をさっと切り替え、谷やんとゴトウくんに指示を出し初見の手動車椅子に乗り換え。
貴重品は確保したものの、スマホを置き忘れる大失態。
あれよあれよというまに、断崖クルーズ乗り場に到着。
おじちゃん2人に担がれ、青ざめながら乗船。
(でも頭の中はネパールの時の飛行機と一緒やなぁとドキドキ状態)
首を倒しながら必死のSOSで叫んでいたら、堤さんがナイスフォロー。
谷やんを近くに呼んでくれて一安心。

画像5

ここからは絶景を写真でお届け致します。
疾走する船尾から眺める甑島の島肌、岩壁。

橋を下から眺める経験がない私には、全てが新しく感動を呼ぶものでした。

画像20

歴史を感じさせる。地層の数々


(たくさん詳しくご説明して頂いたのだけれど、なかなか覚えられない)

画像7

画像9

画像10

画像11

約一時間にわたるクルーズを終えて里港到着。

コシキテラスさんにて、トイレを済まし(甑島感覚としては多目的トイレの数多いと感じました)
そのまま車に乗り込み、展望台へ向かいます。

ここでも絶景。

安全面を考慮されもちろん柵はあるのですが、1箇所下に続く部分が柵がなく、眼前には甑大橋。
堤さんが素敵な一枚を収めてくださいました。
僕もサイトラインが確保されてうれしさ満点。

画像12

素敵な景色に、歴史のお話にとっても満足していました。でもスケジュールは続きます。

画像13

そう今回の旅路には
「電動車椅子でどのように観光地をめぐれるか」
という裏?メインテーマがありました。

山道をクネクネ進んでいき、着いたところは
「夜萩丸山公園」
ここは高台からページ岩と呼ばれる地層を眺めることができるらしい観光スポット。

着いたー
車を降りるー

むむっ…階段…

ここで僕の体力はすでにエンプティ。
どうしようか思案していたところ、齋藤ご夫妻が手動車椅子をご用意してくださってました。

しかし階段は長い。
本当な登りたいのだけれど、体力と気を使う特性を発揮してしまい、少し沈黙。

「僕担ぎますよ。」

ジーン。
持つべきものは良き介助者。よっ!谷やん最高!
ありがとう!

というわけで、はぁはぁいいつつ階段を登り中腹の踊り場のようなところで手動車椅子に座りました。
そこから眺める景色はもう言葉になりませんでした。

画像14

本当にきれい

画像15

ちょうど陽が沈む手前で水面がキラキラ輝いていました。


「ずっとここにいられるなぁ」


僕は思いがけずこのようなことを呟いていたみたいです。

重度障害者と絶景は相性が悪い。
絶景ポイントは大抵足元が悪いし、高台にある。
すごく頑張って、努力して、周囲の協力を得てやっとの思いで見れる印象が強いです。

高所が好きな僕にとってそれはもう、仕方なく諦めていたことなのかもしれない。

ですが、今回出会った景色は

スッと軽やかに
僕の目の前に現れました。

大袈裟かもしれないけれど、生きていていいんだと思わせてくれる。

みんなと変わらない景色を見ていていいんだと
伝えてくれる。そんなパワーがありました。

また必ず、仲間とそして家族と行きたい。
そう思いながら、階段を降ります。

その後は甑ミュージアムで恐竜化石を見せてもらい、本物の化石が出るというガチャガチャをみんなでわいわいしながら、お宿に着きました。

画像16

画像17

画像18

宿泊させて頂いたのは石原荘さん

画像19

居室の中はほぼフラットで、シャワーキャリーを今回は持ち込んでいたので部屋でシャワーを浴びることができました。

小休止して

夜は齋藤ご家族、堤さんと一緒に海聖丸さんでお刺身や海鮮焼きを頂き旅の話しや人生の教訓⁉︎について華を咲かせました。

画像20

とっても心に残る1日目。
体験を通して、共同作業を通じて
思い出は作られるし記憶に残るのだなぁと感じております。

2日目は
講演と街歩きを堤さんとご一緒にさせて頂きました。
長くなりますので、一旦ここで終わります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?