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【読書感想】 食べると死ぬ花


食べると死ぬ花 芦花公園


うわぁ〜…なんか……

やたら抉ってくるホラーだぁ……。

絶対に、それを■■■はいけない――。
ページをめくるごとに後悔が増す戦慄ホラー。
最愛のひとり息子を失った桜子は、カウンセラーの久根からふしぎな壺を与えられる。
3つの約束さえ守れば、息子が帰ってくるというが……。
「もう本当に最悪でした、もちろん褒め言葉」「吐きそうなくらい嫌な話」連載時から話題沸騰!
 デビュー作でネット民を震撼させたホラー界の気鋭が描く、血と涙で彩られる美しき地獄。

Amazon 内容紹介より



とても胸糞悪い話です…(-_-;)

人間の腹の内とエゴと欲と…いやーな部分をまぜこぜにしたような。

頭の片隅から離れない。

すごい。
(褒めてます)

これって、ただホラーが読みたいだけと思って油断して読むと勿体無いのでは?


ある一家族がメインの、7話の連作短編

どの話にも久根ニコライという超美青年が各主人公の元に現れます。

彼は、ある人には試練を、ある人には選択を、ある人には罪を…それぞれの苦悩を和らげる為の助言をします。

その結果、主人公達の行動が変化し、それぞれの結末を迎えるのですが…。

そもそもこのご家族が胸糞悪い。
ここまでくると、逆に気持ちが良いとまで言える(^▽^;)

帯に紹介されている

『クリスマス・イブにWEBで公開され大反響を呼んだ【帰還の壺】』の話。

確かに、凄かった…。

何が凄かったって、結末も衝撃だったのですが、旦那の対応がキツい。

理解してあげようとするのは良いのですが、限度がある。どんな対応が最善なのかは分かりませんがね。


私が1番心に残ったのが【黄金の盃】

次男である雄二にスポットを当てた話。

彼は何事も『正解』を求めて、波風立てないよう生きている。

この場合は、こう言えば正解。
本人は幼い頃からそう生きているので疑問はないだろうが、この生き方は辛い。

良いと思っている事が必ずしも正解ではない。
そして、何にも興味がない。

比較的身近で感じられる話なのかなと思ったが、まぁ、それで終わるわけはなく…。
ニコが彼に与えたものとは…。

色々と考えてしまいますが、正解なんてないだろうし、それでもその人生で納得して死んでいく人もあるのだろうし。

私、このような気持ちは朝井リョウさんや辻村深月さんの作品を読むと感じるのですが、人間関係としてのもやもやや葛藤や欲みたいな…そんな、本来なら目を背けたい部分にズバリと切り込んで、しかもホラーと仕立てる…芦花公園さんすごい。


【天賦の才】なんて、とても良い。
この中のニコは、応太郎に特別優しい気がした。


【無欠の人】でのラストもめちゃ好き。

あまり書けないけれどもこの視点でこの角度から雄一のことが描かれている…非常に興味深く、凄くおもしろい。

読み返しました。


何にせよ、ニコが私の前に現れてこない事を祈りながら生活していきたい。笑


私は言葉足らずで本当に言いたい事を言葉にし切れないけれど、私が1番嫌だと感じる系統のホラーでした。(ベタ褒め)


ホラーではないのでは?とも、思ったり。


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