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映画、ときどきミニシアター

先月、ミニシアター系映画を観るために大阪へ行ってきました。
ここ金沢にも、シネモンドという県唯一のミニシアターがありますが、観たかった映画の上映予定がなく――。
特急サンダーバードで片道約2時間40分。
日帰りでも充分事足りますが、観光も兼ねての一泊二日。

運転担当の同居人が通いなれた名古屋であれば、車でぴゅーっと往復できますが、「ずいぶん長らく行っていない」と二人の意見が一致して、この度の大阪行きとなりました。

二人とも、2014年の開業から現在も日本一の高さを誇る「あべのハルカス」の実物を目にしたことがなく、当初の目的である「映画鑑賞」に「あべのハルカス見物」も加わっての、ちょっとした小旅行。

「この映画を観たい!」と思ったのが上映期間ギリギリであったため、スケジュールが合わず諦めかけましたが、上映期間の延長を受け、切符の手配など、慌てて動きだしたという成り行きです。

映画のタイトルは『ウィ、シェフ!』

私にとって久しぶりのフランス映画で、『最強のふたり』で大富豪を演じたフランソワ・クリュゼが出演していることも『ウィ、シェフ!』鑑賞に至った要因の一つとなっています。

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フランス語がちょっと苦手な少年たちと、人づきあいが苦手なシェフのカティ。実在の移民支援プロジェクトから生まれた、ドラマチック・キッチン・コメディ!

上記は『ウィ、シェフ!』の公式サイトにあるキャッチフレーズで、過去に外国人の在留資格に関わった自身の経験から、移民というワードに興味がそそられました。

映画のキーワードはズバリ、「元一流レストランのスーシェフ VS 強制送還寸前の少年たち」で、スーシェフとは副料理長とのこと。
スーシェフのカティ・マリーを演じるのはオドレイ・ラミー。
公式サイトによれば、フランスを代表する女優とのこと。

一流レストランで働くカティの夢はいつか自分のレストランを開くこと。だが、シェフと大ゲンカして店を飛び出し、ようやく見つけた職場は移民の少年たちが暮らす自立支援施設だった。

映画『ウィ、シェフ!』公式サイトより

こちらも公式サイトからの拝借ですが、カティについても「実在のシェフ、カトリーヌ・グロージャンがモデル」と説明されており、施設同様、実在ありきの映画です。

先に紹介したフランソワ・クルジェは自立支援の施設長役で、なかなか良い味を醸し出していました!

カティと少年たちの葛藤や少年たちが料理を学ぶ過程が詳細に描かれるものと思っていましたが、そこは案外あっさりだったように感じました。
――などと言うと、ガッカリしたように聞こえますが、その点が予想外だっただけです。

泣けたり、笑ったり。笑ったり、泣けたり。
「ドラマチック・キッチン・コメディ!」と掲げているだけあって、涙腺が緩む箇所よりも笑えるシーンの方が多く、クスッとなるだけでなく、少なくとも3回は声を出して笑いました。

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話題を変えて、ここからは私のミニシアターあれこれです。

自信満々、ミニシアターをタイトルにいれたからには、ミニシアターに思い入れがあることは確かなのですが、メジャー系よりもミニシアター系の方を多く観てきたかというと実はそうでもなくて――。

今年(2023年)の上半期、私が映画館で観た映画の内訳でいうと、
メジャー系が2つ(スラムダンク・ARE/エアー)、ミニシアター系が1つ(ウィ、シェフ!)となっていて、全体的にみても大体こんな割合(2:1)になると思います。

今はネットを介して大概どんな映画も配信されているので、ミニシアター系であっても、まだ観られるチャンスが残っていますが、いつか観たい映画で終わってしまわないよう、私の中では「観たい映画は観ておきたい」願望が幅をかせています。

一昨年の3月、心待ちにしていた映画を観に行ったとき、上映直前までスクリーンに流れるCM群の中、「こんな時に映画を観に行く」と大きく映し出された宣伝文句は、当時、新たな生活をスタートさせたばかりの自分の状況とも相まって、今も根強く瞼に残っているフレーズです。

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また、古巣の名古屋では、ミニシアターに大変お世話になりました。

名古屋は思いのほか個性豊かなミニシアターが幾つか存在し、一番足しげく通った今池のシネマテークの風情といったら、それはもう、いい感じです。

――シネマテークは、今、何を上映しているのかな?

多分、何かの虫の知らせだったのだと思います。
この記事を書いている最中、ここまできて、ふっと急にシネマテークのことが気になりました。

ただ、記事の作成中に、ふっと別のことが気になるのは<私あるある>で、いつもの如く書き込みをしばし中断し、名古屋シネマテークで検索。
シネマテークが来月の7月28日に閉館することを知りました。

――あのシネマテークが閉館……。

この後に続く言葉がありません。

今年に限って6月と7月は忙しくなるけど、どこかで行けるかな?
行きたいな。
こうして知ったからには、何とかして行かないと……。
でも、行けるかな?

もはや、今、私の頭の中はシネマテーク一色です。

こうして閉館のニュースを知ったのも何かのご縁なのでしょう。
閉館前に知れたことに感謝です。

名古屋シネマテークが公式サイトで突然の閉館を発表したのは、先月の5月14日。

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当初の予定を変更してシネマテークで結ぶつもりでしたが文脈を繋げることができず、当初の予定もしっくりこず――。そのため、中途半端な終わり方となりますが、事の経緯を残しておきたい気持ちからの投稿です。



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