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梅と小鳥で一句

梅の花とまり木となる小枝かな


梅の花の細い小枝も、小鳥にとっては立派なとまり木になることに感動し、その気持ちを詠んでみました。

***

春告げ鳥と呼ばれるウグイスを意識して最初に浮かんだのは、「梅の花ちらりと顔だす小鳥かな」でした。

ただ、「小鳥かな」の「小鳥」になんとなく違和感を感じて調べてみたところ、小鳥は秋の季語だと知りました。
多分、わたしの感じた違和感は、「梅の花」と「小鳥」は春の二重季語になるかもしれないという心配だったのですが、まさかの季重きかさなり(一句に季語が二つ以上入ること)だったとは……。びっくりしました。

そしてもう一つ。
大いに驚いたことがあります。

それは、わたしがこれまでウグイス色だと思っていた色はウグイスの色ではなく、メジロよりの色だったという衝撃的な事実です。

このたびヘッダー画像にお借りした写真で、小枝にとまっているのはメジロですが、「メジロの季語が春ではないのはなぜだろう?」という素朴な疑問から、「そもそも、わたしはウグイスを見たことがあるのだろうか?」という疑惑が浮上してきました。
というのも、目の周りが白いのがメジロで、そうでないのがウグイスと、ざっくり思い込んできたけれど、実際はどうなのだろうと、早速Wikiで検索。写真も拝借しました。

メジロとウグイスの違いを抜粋しました。

メジロは梅の花蜜を好み、早春には梅の花を求めて集まってくる。また比較的警戒心が緩く、姿を観察しやすい。
いっぽう、梅が咲く頃によく通る声でさえずりはじめるウグイスは警戒心が強い。またウグイスは主に虫や木の実などを食べ、花蜜を吸うことはめったにない。
そのウグイスとメジロの混同を示すものとして「ウグイス色」がある。ウグイス色と言った際に、ウグイスの灰褐色(オリーブ色に近い)を想像する人もいれば、メジロの緑色に近い色を想像する人もいる。

メジロ‐Wikipedia
【ウグイスとの混同】より

ウグイス色についても抜粋してみました。

鶯色(うぐいすいろ)とは灰色がかった緑褐色を言う。
しかし、抹茶色に近い柔らかな黄緑色を連想する人もいる。
前者はウグイスの羽に忠実に取材した色であり、色名として正式に定義・分類されている名称としての「鶯色」。
後者はウグイスと同じく春先によく見かけられるメジロの羽の色との混同が元。春らしい名前と色の組み合わせのため、商品名などで使用されている「鶯をイメージした色」。
日本でよく似合っている物同士を指して引き合いに出される「梅にウグイス」も、日本画では茶褐色のウグイスが描かれるが、花札ではウグイスのはずの小鳥は黄緑色に塗られている。和菓子で「ウグイス〜」とつくものもほとんどが食欲をそそるような黄緑色をしており、よく梅を象った菓子と並べてある。蜜を好むメジロと違ってウグイスは昆虫を主に食べているため、積極的に梅の木にとまることはない。

鶯色‐Wikipedia
【ウグイスとメジロ】より

確かに、日本画のウグイスは地味な茶褐色だったような記憶がなきにしもあらず……ですが、それでもわたしは、花札で広がった黄緑色っぽいウグイスをそのままウグイスだと思い続けてきました。
「ウグイスは積極的に梅の木にとまることはない」という一文も妙に可笑しくて、いつの日か、積極的なウグイスに会えることを期待しています。

***

以上、素朴な疑問が思わぬ知識へとつながった出来事は、俳句の季語とともに楽しい学びとなりました。

最後に余談ですが、昨年の暮れに、とても気に入って買った冬のコートの色が、ウグイスの灰色がかったオリーブ色に似ているような気がして、それがなんだか嬉しいです。


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