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還暦イヤーの宮古島トライアスロン完走

1964年辰年生まれの私は今年7月で還暦を迎える。還暦イヤーのトライアスロン初戦、2024年4月14日開催の全日本トライアスロン宮古島大会 STRONGMAN に昨年に続いて2度目の出場。気温28度と潮流の影響で完走率77%と厳しい大会であったが、楽しく完走してきた。

宮古島トライアスロンに向けた準備

私が8年前、52歳でトライアスロンを始めてから、初ロングディスタンスの宮古島を昨年なんとか完走するまでの経緯は昨年の記事「宮古島トライアスロンでSTRONGMANになった体験記」に書いた。宮古島トライアスロンは人気の大会でコロナ前は倍率高く抽選で落選してばかりだったので、当たればラッキーくらいの感覚でエントリー申し込んだらまさかの2年連続の当選。準備のトレーニングとしては昨年からの学びで冬場のスタミナづくりと、いきなり暑い中のレースで熱中症にならないための暑熱順化を心掛けた。

冬場のオフシーズンは、2月の「さいたまマラソン」をメインレースとして月間150kmくらいのランニング。3月は月末のトレラン大会「ハセツネ30K」の完走を目指して週末はトレラン練習。ところがハセツネ30K本番は例年にない気温上昇で熱中症気味になって23km地点の第2関門にかかりDNFという結果に。暑熱順化練習としては効果あったかもしれないが、DNFの落胆と脚にダメージをくらった状態で2週間後の宮古島トライアスロンに臨むことになった。

スイム練習は毎週金曜日のNAS吉祥寺スクールとたまの市民プールで合わせて月間10kmくらい、バイク練習は冬場寒くてさぼりがちで月間300km程度と、ロング向け練習としては準備不足感は否めない。

宮古島入りからレース前日まで

早めの暑熱順化を意識して今年も木曜日に休みを入れて宮古島に入った。羽田空港に車を停め、積んできた自転車はシーコンという自転車専用のケースに入れて手荷物として預ける(20kg以内無料)。今回誤算だったのは、チューブレスタイヤ用パンク修理剤が羽田空港で没収されてしまったこと。スプレー缶類は飛行機載せられないことを失念していた。交換チューブ持ってこなかったのでパンク時にはDNFを覚悟。

ホテルも前回と同じ平良港のホテルLOCUSにした。2年目となると帰ってきたような気分で手際よく準備を進める。夕方には軽く5kmジョギングして暑さに体を慣らす。

ホテル周辺ジョギングも楽しい

金曜日は宮古島からテレワークなのだが、朝食前にNAS仲間のA谷さんと朝練。ヒルトンホテル横のサンセットビーチでスイムした後で伊良部大橋を渡る観光ライド。

伊良部大橋で朝練


昼間はホテルの部屋でZoom会議をいくつかこなし、夕方から選手受付へと向かった。

昨年はコロナ5類移行前でなかった全選手対象の競技説明会とそのあとのワイドーパーティが今年から復活。オリンピアンやセミプロ級の有名な選手たちなど全国から集まった猛者の皆さんの強そうなこと。

エイサーの踊りで歓迎受ける


僕らはワイドーパーティ(レース前につきノンアルコール)では食事をとらず、予約していたホルモン焼肉屋の大ジョッキで乾杯。

土曜日は軽めのバイク練習30kmした後で、スイム会場である東急リゾートの前浜ビーチへ自転車の預託に向かい、スイム会場で初めて泳いでみる。朝のスタート時間にすでに泳いだ人たちから潮流がとても強くてスイムが進まないという話を聞いていたが、午後は潮の動きが全く違うので平穏なもの。東洋一美しいと言われる前浜ビーチはすばらしいが、大雨の影響で砂浜が削られたそうで昨年とはだいぶ景色が変わっている。

前浜ビーチのスイム会場

ホテルに戻って3つのトランジションバッグに荷物をよりわけ、9時前には就寝。前回の反省から入眠剤としてメラトニン持参してきたので、今回は寝つきが良くて4時間半くらいはしっかり睡眠がとれた。

レース当日

朝3時起床でコンビニで買った朝食をとり、暗い中4:30にホテル前の送迎バスに乗り込む。会場到着後はバイクのボトルにモルテン入れたり、トイレに並んだりでそこそこ忙しい。お天気は予報の通り、穏やかに晴れていて最高気温28度予想と暑くなるのは間違いない。

朝6時頃、これからスイム会場へ

スイム苦手で昨年関門ギリギリほぼ最下位通過だった私は、今年の潮流の影響が最大の心配。スイムさえ乗り切れれば熱中症に気を付ければきっと完走できるはず。

大会の全体のリザルト 完走率77%しかない

Swim 3km

昨年のスイムで不幸な死亡事故があり、事故防止対策として今回からスイムコースがM字型のコースに変更になった。ライフセーバーの視認性を上げるために、1周目と2周目のコースを完全に分離することを狙ったのだと思われる。

潮流は右下から左上に流れているが砂浜の形の影響で「離岸流」?

潮流がきついらしくブイを回って岸に戻るのに2倍時間がかかるという話を聞いていたが、スイム速い人でそれなら私のような泳力では潮の流れに逆らって進まないのでは~と心配が募る。スイムの関門は1時間50分、スイムアップしてから関門まで4分くらい走ることを考えると、スイム1周目で50分以上かかったらもはや挽回不能と思われ、2周目スキップ宣言することを念頭に置いた。仮に2周目スキップした場合は完走とは認められないがバイクスタートできる。

今年は昨年と異なりスイム一斉スタートに戻った。1300人以上が同時にスタートするのでスタート直後はバトルの連続となる。強い潮流が左から右に流れているので、左アウト側の後ろから静かにスタートするはずが、なんとなくNAS仲間たちと固まって真ん中あたりからスタートしてしまい、ずっとバトルで殴られたり蹴られたり。片目ゴーグルに海水が入って右目がしょっぱくて一度上向いて直す。

750mのブイを回って折り返し、岸に向かうとようやくばらけて泳ぎやすくなってきたが、潮流の影響でなかなか進まない。潮に流されてコースロープからも遠い方向に流されて行きそうになるのを修正しながらがんばって泳ぐ。できるだけ同じペースの人たちの後ろについてドラフティングすることで水の抵抗を減らす。1周目1500m終わって時計をみると、43分! もちろん平均よりずっと遅いのだけど、昨年よりもまし。これで2周目に進める!

2周目の周囲は私と同じペースの遅い人たちなので、後ろについて泳ぐ。でも折り返して最後の直線に入ったら、1周目よりもさらに進まない。海が澄んでいて海底の岩や砂がよく見えるのだけどずっと同じ岩が下にあって自分が前にほとんど進んでないことがよくわかる。行きの3倍くらいの時間に感じたが、息を切らしながらなんとか岸に到達して時計を見ると1時間33分。2周目でなんと50分もかかってるけど、これが実力。そこから砂浜を走り上に上がってスイム関門を無事通過。

Swim 結果: 1:37:12 (S順 1120位 / 1341人)
スイム棄権114人も出たのは潮流の影響。昨年はほぼ最下位からのバイクスタートだったけど今年は下から10%くらいの順位。とても遅いけど鬼門のスイム突破ということで良しとしましょう。

Bike 123km

バイクコースは昨年と全く同じ、宮古島を時計回りに1周半回る123km

風向きは南風基調

南風基調なのでバイクスタートから池間島までは追い風。前半飛ばし過ぎないことを意識して150W以上は踏まない。池間大橋を戻ってくるときから強烈な向かい風が東南端の東平安名崎まで続き、なかなかスピード上がらない

池間大橋を終えて坂登ったところ

バイクのボトルにはモルテンと熱中症防止の電解質を入れてあり、補給食としてスポーツ羊羹2本とライスピュレ、脚攣り防止のコムレケアゼリー。それ以外にMag-onのジェルがあるはずが入れ忘れてきたことに気づく。レースナンバーベルトの中にジェル類入れていたのだけど、バイクでレースナンバーベルトつけるのをやめてランのみにしたため、スイム前にバイクに移し替えるの忘れていた。これではカロリー不足なので東平安名崎のエイド以降はバナナやパンなどをエイドでとることになりタイムロス。

東平安名崎灯台折り返し

向かい風ゾーンを終えて、島の南側は横風+アップダウンのゾーンでだいぶ気温上がってきた。熱中症にならないようにこまめに頭から水をかけながらアームカバーや首元を冷やす。気温が上がるとともにばててきて、だんだんパワーが出なくなってきたけど、早めのコムレケア摂取で脚も攣らなかった。

バイクフィニッシュ近く

Bike 結果: 4:46:28 (B順 779位 通過順 901位) 平均26.2km/h NP 123W
昨年よりも10分遅かったけど、Bikeで順位200以上上げたのは昨年並み。体力下り坂の還暦オジサンが練習不足で臨めばこのくらいが今の実力。

Run 35km

ランコースは昨年の市街地中心の2周回コース30kmから、従来の形に近い直線をひたすら走って折り返す35kmコースに変更された。市民の暮らしに迷惑をかける交通規制区間を街の外に逃がすのが目的らしい。

緩い上り坂を東に向かい折り返す

ランシューズに履き替えて走り始めると、意外に脚が動く。 6:30/kmペースで緩い上り坂を走りながらこのままのペースで完走できるのではという妄想が浮かぶ。

折り返しコースなのですごい勢いで戻ってくる上位選手を横目に、レースベルトにたくさん入っているジェル類を採りながら元気に走っていたのは8kmくらいまで。何せ暑いし、向かい風の緩い上り坂が続く。エイドのたびに氷水につけたスポンジもらって首元冷やしながら走るのだけど、だんだんと体温も上がってきてペースががくっと落ちた。これは切り替えねばということで、10kmあたりのエイドでトイレにゆっくり行って一旦体を冷やしてリセットする。

スポンジを首筋に入れて走る

それ以降は1km 7~8分ペースに落ちたものの、もはや完走は間違いないと思うと急ぐこともない(笑)

ラスト5kmから陸上競技場へ向かう上り坂がしんどかったけど、沿道の皆さんがワイドーっと応援してくれるし、陸上競技場の歓声が近づいてくるとだんだんと元気になる。

陸上競技場では、宮古島トライアスロン名物の同伴ゴールが復活していて、家族などど一緒にゴールしている人たちもいるが、子供たちが太鼓をたたきながらゴールまで並走してくれるのがほんとに素晴らしい。宮古島挙げてこの大会を盛り上げてくれた島の皆様に感謝。

ゴール前子供達が太鼓叩きながら並走

Run 結果: 4:38:32 (R順 689位) 平均ペース 7:54/km
コムレケアをこまめに摂取したこともありランでも脚が攣ることなく完走できた。ランでも順位が100以上上がったのは上出来。

総合結果: 11:15:21 (785位)
順位も昨年とほぼ同じ(今回が出走人数300人多い)。制限時間12時間に45分余裕をもって楽しく完走できたので、合格点でしょう。反省もいろいろあるけど暑さの中で安全に完走できたのが何より。

NASの仲間たちも制限時間内に完走でき、記念写真を撮ったあとで夜は居酒屋で反省会。暑くてつらかったこともあり、宮古島トライアスロンはもうしばらくいいかな~(今のところ)年齢制限65歳までなのでまだチャンスはあるけど。

NAS吉祥寺仲間と

還暦トライアスリートの終着点探し

宮古島トライアスロンも2回目の完走となり、佐渡Aも完走。年齢とともに順位上げることも期待薄とすれば、そろそろ引き際か?という思いが頭によぎる。家族も「そろそろいい歳だから」と心配していることだし、お金もかかるロングに出るのは今年限りかな?

今年の残りレースは、9月に日本で9年ぶりに開催されるフルのアイアンマン・レース(南北海道)のみ。アイアンマンを無事に完走できれば区切りとしてよいかもしれない。レースの疲れをいやしながらGWをゆっくり過ごして今後のことは考えよう。

最後までお読みいただきありがとうございました。宮古島大会を支えた皆さんと、一緒にトレーニング頑張った仲間に感謝申し上げます。

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