宗教を正しく解釈した人はこうなる

どんな思想も教義も概念も、道具に過ぎない。使い方次第で毒にも薬にもなる。宗教を一括りにして悪玉にしている人は、本質を見る目がない。
以下、ネット配信サービス等で視聴できる「密着!アメリカ裁判24時」のシーズン2 #13の1シーンより。

以下、妻と息子を殺されたムスリムのソムバット氏の証言台での発言。

>「トレイ・アレグザンダー・レルフォード(被告人)。私は強く・・・今のあなたに悲しみを感じています。息子と同様に貴方のことも救いたい。(息子の)サラフディンが生きていれば、彼は貴方を許すでしょう。それが息子だからです。私は怒っていない。息子を傷付けたのは貴方かも知れないが、私の怒りは悪魔に向いています。私は悪魔を責めています。これほど恐ろしい犯罪に貴方を導いたからです。貴方に対する怒りはありません。それだけです。息子や母親に代わり貴方を許します。」

怒りを悪魔に向けるところは非科学的でまさに宗教だが、一定の教育効果(悪く言えば自己洗脳効果)が見て取れる。実際に被告人を犯罪に導いたのは、悪魔ではなく彼が受けた低水準教育だ。
以下、判決言い渡し前の被告人の弁。

>「反省している。(ソムバット氏は)立派だと思う。息子を傷付けられながらもあんな言葉が出るなんて。俺にも娘がいる。4歳だ。想像もできない。子供を失う痛みなどね。娘を失うなんて・・・(号泣)。俺には何もできない。貴方に感謝を伝えたい。」

この後、ソムバット氏が傍聴席からレルフォード被告人に歩み寄ってティッシュを渡そうと手を差し伸べ、互いに握手、ハグ。
以下、番組司会者に対するソムバット氏の発言。

>「私が証言台の壇上から降りた後、判事が彼に言葉を求めました。彼が私と彼の両親を見た時、後悔に満ちた目をしていました。彼はモンスターではありません。1人の人間に過ぎない。」
>「毎晩うなされています。それだけ息子を愛しているのです。息子は殺された時、喉を切られました。毎日悪夢を見ていますが、それでも息子を殺した彼に怒りはありません。」
>「強い悲しみは感じています。自分さえも責め始めています。父親として私はサラフディンを守ってやれなかった。イスラム教の教えではこの世に偶然はありません。全ては運命として刻み込まれているのです。だからサラフディンは22歳で死ぬ運命でした。全知全能の神アッラーに私は感謝します。彼にいい人生を与えてくれた。」

「全ては神の御心のまま」という教えを己のテロ行為の正当化に用いる者もいれば、ソムバット氏のように悟りを得て情緒安定に役立たせる者もいる。
こうした各人の解釈の仕方、選択決定の差異を生む原因は何か。

各人が受けた教育だ。

即ち、テロや戦争の原因は宗教ではなく低水準教育。
宗教・民族・資源・格差・貧困・本能・欲求・孤立等は、戦争テロ紛争等の原因ではなく言訳・動機・口実・切欠・条件・発端に過ぎない。
私教育の水準の低さを補完すべく公教育を充実させるべきだが、21世紀初頭の現代、まだ殆どの人類がその重要性に気付いていない。
だから同じく低水準教育を受け論理的思考力が乏しく集団と個人の区別もつかない者ほど、「教団関係者」というだけで批判する。

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