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ヲンナが家をつくるトキ 価値観激変編3

さてさて。
超絶なんもない山の集落、西土佐に行く!と決めることができた【3つの大きな価値観の大変化】

1.ワークショップの告知が開催7日前だったと言うこと。
2.9月末の夏の終わりとはいえ、沖縄の山中で2週間のテント暮らし。(テント暮らしを2週間もしたことがない、と言うか、そもそもテントがない。)
3.沖縄の山中にあるものだけで小屋を作る。

最後の、沖縄の山中にあるものだけで小屋を作るの巻です!

まず前置きを。

私は二級建築士です!

今まで工業高校建築科に入った16歳から35歳で建築業界を離れるまで学んで来たことって本当に役に立つのか?

34歳のときにリストラに遭って、一年ほど建築系の仕事はしたけれど、もうなんの未練もなくなり35歳で完全に辞めてから!現場には立っておりませぬ。

でも、16歳から35歳までの19年。
建築以外の業種についたことはありませんでした。
高校のときも工業高校の建築科。
それを含めると約20年、人生の半分ほどを建築で携わっていたんです。

第一線で働いていたときは建築デザイン事務所、小さいけれどゼネコンで、設計デザインや、施工管理(現場監督)やってました。

ヘルメットかぶって…これは建築時代じゃないけどイメージ写真。

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メットかぶって、作業着来て、安全ベルトと5mメジャー腰につけ走り回っていたオンナ。

そんなガチガチ頭の私が建築時代に誇りに思っていたことがたった一つある!

『何十年経っても私が建てた家がそこに残り続けて、誰かがそこで生きている。』

ということでした。

今から20年近く前に建てたこの建物。

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大阪の天王寺の駅前にある「ぞうさん交番」と呼ばれて親しまれている交番所。
古い交番を解体して、整地して、建て上げるまでを私1人で責任持って現場をやり遂げた建物です。

今でも数多くの人の目に触れ、そこに人が出入りしたり、ここで宿直したり。。。

何十年経っても喜んで使ってもらうものを造れるのは本当に私の誇りでした。

設計士がイメージし、図面を書いて、仕様を決めて、カタログなどから抜粋し組み合わせて、それを工程通りに予算内に造り上げていく。

これを何十回と繰り返して来た私が。。。。

【林の中にしかない植物や石や土などで小屋を作る】

そんなワークに強烈に惹かれてしまったのです!

その時の募集記事の内容がこれ!

その土地にある素材だけで家を建てるワークショップ
2020.9月17日〜2020.10.2
沖縄県 中城村にて
2週間のワークショップを開催します
テーマは
「そこの土地にある素材だけで家を建てる」
天然素材で、期間は2週間。
なので規模は小さい小屋だと思って下さい^ ^
野菜は農家さんが。
家は建築業者(大工さん)がたてるもの。
そう思っている人が多いかもしれません。
各分野のプロフェッショナルがいるから
人は支え合ってる。
経済が回っている。
それは勿論です。
それは必要な事。
それはそれで素晴らしい。
けど 自分でみんなで好きな家を建てたっていい。
ちょっと遊んでみませんか^ ^
森にある素材だけを使って一般人が家を建てる。
とか!
もしくは、、、
これも
これも
これも!!
誰かが作ったんだから
夢ではないだろ
だって誰かが造ったんだから!!
人が造ったんだから!!
今回は2週間。笑
その中でどこまでできるか。
ロケーションは最高。
久高島、津堅島が見える高台、絶景の土地でやらせてもらえる事になりました!
どうせやるならちょっとサバイバル
男性5名 女性5名
計10名の募集です。
10人でキャンプをしながら。
まずは風呂作りから。
畑の作物を採ってみんなで夕飯を作ったり
沖縄の海でビールを飲んだり
シュノーケルを楽しんだり
BBQしたり
葉っぱを摘んでお茶を飲んだり
夜は星空を眺めながら露天風呂?
ゆったり自然に触れながらみんなで家を作る
そんなワークショップです♫
興味はあるけど2週間キャンプはちょっと、、、
という方はホテルからの通いでも参加可能です^ ^
9/17新月 0から始めて
10/2満月 完成まで
最高の仲間と出逢い人生最高の思い出をつくる2週間。
急遽開催決定しました。

この記事を朝8時に見てしまい。。。すぐにポチッとしたのです。

特に、ここ。

「そこの土地にある素材だけで家を建てる」
天然素材で、期間は2週間。
なので規模は小さい小屋だと思って下さい^ ^
野菜は農家さんが。
家は建築業者(大工さん)がたてるもの。
そう思っている人が多いかもしれません。

うん。確かに二級建築士と言う資格はあっても、建てるのは大工さんや工務店さんにお任せしてました。

私は監督するだけで自分で建ててない!

補修のために、ハンマー打ったり、コテでモルタルを塗ったり、ペンキで一部の塗装をしたりすることはあった。

でも、家は建てたことない。

しかも、山の中にあるもの(天然素材だけ)で??

そんなことどうやってできるの?

あかん!これは体感したいやつだ!!

その衝動と欲求には勝てませんでした。

私は常々本当に思っていました。

日本の建築は素晴らしい。

法隆寺・東大寺など1000年以上もそびえ立つ木造建築物の美しさと、荘厳さ。
デザインだけじゃない。
人を感じさせる奥行きと強さ。

でも、今の建築物って、10年で外壁の塗装を塗り替えたり、

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20年で屋根を吹き替えたり、

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高いお金出して、ローン組んで夢のマイホームを持っても、たかが10年くらいから、またメンテナンスのために、とってもお金をかけるため、助成金もらったり、再度ローンを組んだり。。

そもそもなんでこんなものを使うのか?と言うようなものも使うことは少なくないんだよねえ。
日本瓦なら50〜100年もつと言われていても、今はカラーベスト屋根と言うのがよく使われて、それは耐用年数はそもそも10〜25年!!
何をがな言わんとするか?

プロで生きて来たからこそ知っている。

造っている時から、補修するためにお金が必要になることを。

今でいうなら、抗がん剤を使わない医者?のようなもので、私はローンを組んで家を建てる、なんてしないと言う選択を当時はしていたんです。

マンションに至っては、100年後に存在できているかどうかもわからない。
そういうものにいくらお金があっても、頑張って稼いで何千万もお金をかける氣にはならなかったのです。(これは私の価値観であり、これが正しいわけじゃないので誤解しないでね。人にはいろんな価値観があり、これは私の勝手な家への価値観だととらえてね♪)

とはいえ、日本建築は大好き。

だけれども時間もコストも手間もかかる。

現代では簡単でパパ!と組み立てられるプレハブのような建築物の方に需要が多く集まる。
その価値観の世界にどうしても違和感しかなかったのです。

建築の業界からさって20年以上経つ今の私が、とても興味持ったこのワークショップ。
『家を自分の手で造ってみたい!』
そんな想いが溢れて止まらなかったのです。

天然素材だけで家を作るワークショップに待っていたのは

参加したこのワークショップに待っていたのは主催の龍一さんとゲスト講師の山納銀之輔さんでした。

この2人のぶっ飛んだ信念?思想?がすごすぎた。

場を作ってくれた龍一さん

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まあ自由人。

酒は飲むし、タバコは吸うし、口は悪いし、物忘れもひどい(笑)。

だけど、本当に熱い、優しい、子供達の最大パワーを引き出す天才。

この人がいなければ、私の『つまらない真面目で硬い塊』を割ることはできなかったと思うのです!

そのきっかけは。。。

1.ワークショップの告知が開催7日前だったと言うこと。にも書いた山に入って行く体験。

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この山に入って行くことになったのは「樹液採取」のためでした。

露天風呂を作る!ということになり、みんなどんどんと穴を掘る。

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掘る。

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だけど、掘った穴を天然素材だけでどうやって防水するのか?ということを考えたのです。

そこで一旦出した結論。

「樹液を塗ろう!」ということになったのです。

龍ちゃん「沖縄にはたくさんのガジュマルの木があるので、そのガジュマルの木は樹液が出る!じゃあ、その樹液を取りに行けばいい!試してみよう!」

私「で?どこにガジュマルの木があるの?」

龍ちゃん「林にたくさんある!一緒に樹液を採取したい人!」

私「はーい!」

そんな流れになったのです。

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樹液?

マッッッタクほとんど採取できませんでした。

ええ。ほんの数滴。

あのおっきな露天風呂に一体どれくらいの時間を要するのか、氣が遠くなるほどの時間がかかることが判明。

があああん。

しかし、この龍ちゃんは、

「あ、採れないわ。じゃ、樹液は諦めよ。」

と言ってしまうではありませんか。

ええええええ?主催者がこんな軽いノリでいいの?
参加者の私がすごい命がけで(本人の勝手な鈍臭さは棚に上げた思い)ここまで来て、諦めて違う方法にするって?

まじ??

簡単に価値観の壁をペシャリと潰してくれました。


「そんなんでいいんだ。。。。」


私の頭の中をこの言葉が何度もリフレイン。

「そんなんでいいんだ。。。。」
(くどい?)

でも、私は何をそんな必死こいて『やらねばならない』と思い込んでいたのか?

ダメならさっさと次の手を考える。
てか、そもそも、試すってそういうことじゃないの?

私の中に固いネバネバ星人を簡単にペシャッとしてくれたこの出来事以来、雨が降ったんだから仕事はしない。
物がないならとりあえず他を考える。
できることしかやらない。
やれる人に振りまくる。
これができるようになったのです。

ありがとううう!竜神様ぁ!って感じでした。

そう。樹液ってそんなに簡単に採取できないとわかったから、私はゴムの樹液を集める人を本当に芯から大尊敬するようになりましたよ。

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一見失敗のようなこんな経験すらが私の人生の大きな価値観の変化のきっかけになるのだから、本当に何がどう転ぶかわからないもんだ!

ん?振り返ったら今日も長いブログになったね。

銀ちゃんに塗り替えてもらった私の価値観のお話は次回になるなあ。

ごめんちゃ。長くなって。

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