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40,000件の入試データを徹底分析してできたすごい本!『高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本』制作秘話(?)

このたび、『高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本』が発売になりました!
著者は河合塾人気講師・土井諭先生です。

発売前からたくさんのご予約をいただき、ありがとうございます!

本書は、実に40,000件の入試データを徹底分析し、必ず出る漢字2880/語彙1200を収録しています。

本書の内容については、著者の土井先生がnoteに記事を書いてくださいましたので、ぜひご覧くださいませ。


私からは、編集的な視点からこの本の良さをお伝えできればと思います。お付き合いいただければ幸いです。

「怒涛の入試漢字」を本に!

私が「漢字と語彙の本」のご執筆を土井先生にお願いしたい!と思ったのは、先生がnoteに連載されている「怒涛の入試漢字」のファンだったからでした。

はい、これを見た受験生諸君。ご愁傷様です。私と一緒に漢字のお勉強をしましょう

から始まっている衝撃的(?)な記事なのですが、実は、受験生への優しさに満ちあふれています。たとえば、間違えてしまった漢字をどう学習するかについては、以下のように書かれています。

間違えた漢字はどうしてる? まさか、10回書いて覚えようとしてる? 間違えた漢字(熟語の場合)には2パターンあって、

パターンⅠ】その熟語の漢字それぞれは書ける漢字だけど、そのように組み合わせるとは知らんかったぞ!パターン
パターンⅡ】うぉ、何この漢字、書けるわけないぞ、という漢字が含まれているパターン
パターンⅠ】の場合、たとえば「現代社会の問題をカンパした論文」は「看破」と書くわけだが、「看」も「破」もさすがに書けるよね? こういう場合は、何度も紙に書くんではなく、〈なるほど、「看護」の「看」に、「破(る)」と書くんか。この組み合わせ方、覚えてやるぞ!〉でいいわけです。できれば訓読みに分解して、〈〝看る+破る〟で〝みやぶる〟という意味なんやな〉とまでしておくとよいね。とにかく、既に書ける漢字の組み合わせなんだから、紙に何度も書くよりも「組み合わせ方を理解する」方がラクだよね。
パターンⅡ】の場合は、その漢字が形として書けないわけだから、小学生の漢字ドリル方式で何度も書いて手に馴染ませるしかないね。たとえば、「外部機関にシモンする」は「諮問」と書く分けだけど、おそらく多くの受験生は「諮」が書けないよね。これはさすがに手に馴染むまで書くしかない。だけど、もうちょいいいやり方があって、
 ・覚えたい漢字を10秒見つめる
 ・目を閉じてその漢字の形を10秒浮かべる
 ・目を開けて何も見ずに書いてみる

これができたらだいたい書けるようになるはずなのね。ガリガリ手で書くよりも形をイメージとして覚えてしまう方が早いんだ。このやり方を教えたらだいたいの教え子たちは漢字を覚えるのが苦じゃなくなりましたと言ってくれるんだけど、過去に一人だけ、「目を閉じたときに寝てしまいます」と言い放った強者もいたぞ。そういう人は、しょうがないから、手で書いて覚える方向で行ってくれ。

従来の漢字の参考書は、漢字が羅列してあるものが多いのですが、「覚え方」をきちんと説明しているものはなかったのではないでしょうか。学習法までカバーできる本を作ったら、漢字が苦手で悩んでいる受験生のお役にたてるのでは……と考え、「ぜひこれを本にしたい!」と思いました。

過去10年分以上のデータ分析!

そして、土井先生にご連絡したところ、ご執筆を快諾してくださいました。
その際に、「過去10年分以上、入試に出題された漢字の問題をデータベース化しています」というお言葉が!!
ええ~?!なんだなんだ凄すぎる!!

貴重なデータをお見せいただいたときには、とっても緊張しました。このデータベースのおかげでとっても説得力のある本にできそうです。

B5判の良さを最大限に生かすには?

今回の「漢字・語彙」の本は、『1冊でしっかりわかる』シリーズとしてB5判で刊行することが決まっていたので、どういう見せ方が良いのか?ということを土井先生と入念に話し合いました。
漢字や語彙の本は持ち歩きを想定したコンパクトなものが多いので、あえてB5判にするならその判型の良さを最大限に生かしたい!ということで試行錯誤が続きました。
その結果、上段と下段を分け、上段には「入試頻出の絶対に覚えておきたいもの」を、下段には「出題頻度は少し下がるけれども覚えておきたいもの」を収録することになりました。

上段と下段に分けることで、重要なものから無理なく覚えていけるので、受験勉強のスタートから入試直前まで長く使える本になりました!

すべての漢字に意味と例文つき!

本書はすべての漢字に意味と例文がついています!……といっても、他の漢字の本にも意味と例文がついているものが多いので、それ自体は珍しいことではありません。ただ、少しでも覚えやすくするためにこだわったところがあります。

①意味は漢字のすぐ近くに掲載する

たとえば、本書の冒頭に載っている「カンキ」には、「歓喜・喚起・換気・寒気・乾季」など、同音異義語がたくさんあります。カタカナの「カンキ」の横に意味を掲載すると、どの「カンキ」の意味なのかがすぐにわからないので、「喚起:よびおこすこと」というように、意味は漢字のすぐ近くに掲載するようにしました。

②例文は受験生に身近な内容に

こちらは、土井先生がこだわってくださったポイントです。受験生に身近な内容を取り入れることで、リアルなイメージがわく例文になっています。

・スマホのアプリを削除する。
・恥も外聞も捨てて後輩に相談する。
・高校野球のを目指して練習する。

などなど。漢字が書けるようになるだけでなく、意味がわかって使えるようになってほしいという思いが込められています。

語彙パートも大充実!

本書の後半は「語彙トレーニング」のパートです。見出し語と意味がオレンジ色の文字になっているので、赤シートで隠しながら「見出し語→意味」「意味→見出し語」の学習ができます。

「語彙トレーニング」のパートで問題になったのが、「相対」「普遍」「合理」「逆説」「文化相対主義」などの、「2行くらいのスペースでは説明しきれない……!」という語の解説をどうするか、ということでした。このような、現代文読解のために理解しておきたい語句については、巻末付録で「重要語解説」というページを設け、そこで図版などを使いながら詳しく説明しています。ぜひこちらもご活用ください。

編集を担当して、とっても勉強になりました……

漢字2880、語彙1200を収録した本書の編集を担当して、とっても勉強になりました。恥ずかしながら、人生で初めて知った言葉や読み方を間違えて覚えていた言葉がいくつかありました。

・隔靴掻痒(初めて知りました)
・島嶼(初めて知りました)
・血肉化(「ちにくか」と読んでいました)
・稠密(「ちょうみつ」と読んでいました)

他にもありますが、恥ずかしいのでこれくらいに……。大人の学び直しにも最適であることを、身をもって証明いたします。

現代文学習の土台作りにぴったりの1冊!

40,000件の入試データを分析してできたすごい本ですが、絶対にやり遂げられる工夫がいっぱい詰まっているので、無理なく学習が進められます。漢字が苦手で仕方がない……という人にこそ使っていただきたい1冊です。ぜひお手にとってみてくださいませ。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!
みなさまの受験勉強が実りあるものになりますように。(編集部N)












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