脚本も絵コンテも読めなくなったプロデューサー


最近フィルアニの会員が発見し、報告してくださったものだ。
既に宮地監督が予見しておられた。「演出はなくなる」と。

因みに僕がnoteで行った言及も紹介しておく。


さて、これはどこかで書いたかも知れないが、今年ある日友人の製作委員会プロデューサーから、
「今やってる作品の監督のコンテがまずいんです!直してもらえませんか?」
という相談があって、監督でない人間が監督のコンテを直す……?と、些か気分は乗らないが、結局やった。

「こんなコンテじゃダメなんです!原作通りやってほしいんです!」
彼は4時間近く、深夜に及ぶまで僕に電話でそれを嘆願してきたから、仕方ない、やるよ、と返事した。
「山本さんにはもうひと花咲かせてほしいんですよ!」とか、余計なお世話だ!と思いながら、まぁ、金のためにやった。

そこで初めて作品のコンテと脚本が渡された。
読んでみて、あれ……?

この脚本、小説版じゃなくて、コミカライズのストーリーそのままだよな?
コンテはそれをなぞって描いてるぞ?

さっそくそのプロデューサーに「このコンテ、コミカライズの展開そのまま、ていうか脚本通りなんだけど、どうなってるの?」と訊いたら、
「え?コンテって脚本に合わせるもんなんですか?」

ブチ切れた。
お前なぁ、脚本あってのコンテやろ?コンテは脚本ありきのものやろ?お前らちゃんと本読み(シナリオ打ち)してるんやろ?文句があるならそこで言っとけや!と言ったら、

「え、本読みって発言していいもんなんですか?」

もうそこからは電話を壊しかねない勢いで怒鳴りまくった。
脚本を素通ししておいてコンテで文句を言う、これが今の製作プロデューサーだ。
じゃあ何のために脚本はあるの???

この世のものとは思えない怒涛のバカプロデューサーの爆誕に眩暈がした。(しかもそいつは僕がよーく知ってる制作会社出身だ)。


何度も言うがもう一度言おう、今の製作委員会のプロデューサーは脚本が読めない。絵コンテも読めない。
急激に質が落ちているのだ。

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