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夕暮れ時に東の空から怪しいビーム


 8月も下旬になって、関東地方の暑さは変わらないものの、「所により一時雷雨」という日が増えてきた。降られると、「ここが所だ」、「今が一時だ」と言いながら納得する。午後から夕方に空を見上げると正に、「もくもく入道、平入道」の、少し秋めいた夏の空が美しい。雷雨や雹(ひょう)や突風の直撃を受けたらたまったものではないが。

 そんなある夕方、8月25日の18時15分36秒に東の空を見ると、怪しげな青黒いビームが右上に伸びている。よく見ると一点から放射状に明るいビームや暗いビームが何本か伸びているようで、その一本がはっきりと青黒い。朝日なら分かるが、夕日なのにどうして?急いでiPoneで撮影した。東京都武蔵野市西部のマンション5階のベランダから東方向を撮影したものである。

 振り返ってみると、夕日は入道雲に隠されているが、雲の上部の二つの「耳」が明るく輝いている。左の耳のあたりから青黒いビームが伸びている。なるほど。

夕日を隠す入道雲の背後から放たれる放射状の光線。18時16分20秒。iPnone12によって撮影。

 南東方向の月の上には、その青黒いビームが月の上を走っている。そうだ、東からの青黒いビームと西からの青黒いビームはつながっているのだ。

南東側で月の上に伸びているビーム。18時17分8秒に撮影。

 15分ほど経つと、空はかなり暗くなり、青黒いビームがそれ程目立たなくなり、東の空の一点から、北にも手前にも南にも何本もの明るいビームと暗いビームが放たれるようになった。

18時31分20秒に撮影した東の空。

 検索すると、西の夕日から放たれる放射状の光線は薄明光線。Wikipediaには次のような説明があった。
「薄明光線(はくめいこうせん、英語: crepuscular rays)は、太陽が雲に隠れているとき、雲の切れ間あるいは端から光が漏れ、光線の柱が放射状に地上へ降り注いで見える現象の俗称。通常とは逆に、雲の切れ間から上空に向かって光が出ることもある。おもに、地上から見た太陽の角度が低くなる早朝や夕方に見られる。世界中の人々の間で美しい自然現象と認識されており、写真撮影における人気も高い。」

 東の一点からは立たれる光線たちは「反薄明光」と言うそうな。Wikipediaには、「反薄明光線(はんはくめいこうせん、英:anticrepuscular rays)は、太陽が雲に隠れているとき、雲の切れ間あるいは端から光が漏れ、太陽と正反対の方向に光線の柱(光芒)が放射状に収束して見える現象。太陽の周囲にできる薄明光線とは逆。裏後光(うらごこう)、裏御光(うらごこう)とも呼ぶ。」とある。「裏御光」って、拝むとご利益があるのだろうか?

 Wikipediaでちょっとショックだったのは、Wikipediaの「反薄明光」の「ギャラリー」である。2012年9月15日17時54分41秒にKazezow Kumano氏撮影の「東京都武蔵野市で観察された反薄明光線」というパノラマ写真があるではないか!ほとんど同じ構図でずっと美しい。参った。

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