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【N/S高政治部】記者と考える「情報戦と政治と戦争」

初めまして!
N/S高政治部3期生のKannaと申します。
今回は政治部3期が始まって最初のテーマ別講義「情報戦と戦争と政治」について書かせていただきました。
タイムリーなテーマであることから興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
是非最後まで読んでいただけたら嬉しいです。


石戸諭さんのプロフィール

1984年、東京都出身。記者、ノンフィクションライター。 2006年 立命館大学卒業後、毎日新聞社に入社。16年 BuzzFeed Japan入社。 18年 独立してフリーランスのライターに。 19年 ニューズウィーク日本版で第26回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞。 21年 文藝春秋で第1回PEPジャーナリズム大賞を受賞。週刊誌から文芸誌、 インターネットまで多彩なメディアへの寄稿に加え、テレビ出演など幅広く活躍中。

数々の賞を受賞された実力のある凄い方です。
私は講義内で石戸諭さんに質問する機会があったのですが、緊張して所々噛んだり抜けたりしてしまった言葉も真摯に汲み取ってくれるとても優しい方でした。
ここからはテーマ別講義の質疑応答の中で、私の学びや気づきになったことを書いていこうと思います。


私が学びや気づきになったこと

「民主主義のいいところはある程度より戻しができる」

Aチームの質問
コロナ関連やウクライナ侵攻において、かなりの情報が複雑に錯綜しました。玉石混交の情報を入手できる世の中で、反ワクチンや政府陰謀論なども現れ、コロナ禍以降インターネットによって、大衆の思想の分断が加速していったように思います。(あるいは加速していくものであると考えます)また、いわゆる新興宗教などといった社会悪になりかねない大衆扇動のモデル
を、ポビュリズム新党として踏襲し、社会に影響を与える政党なども出てくるかもしれません。そして、これはインターネットや次世代技術によって簡単に成し遂げられてしまうものだと考えます。これらを踏まえ、民主主義国家とはいえ、国の統治に一定数必要であろう暴力装置の加減や民主主義遂行とのジレンマについて、また、インターネットや次世代技術のカによって変化する民主主義の50年、100年後の未来像についてご意見をお聞かせください。


Aチームの質疑応答の中で、「民主主義は危うさもあるが、軌道修正することができる。もし政策が極端な方向へ進むことがあっても変えることができる」と話された石戸諭さん。

私はまだまだ政治の知識が浅く、民主主義という言葉もある程度の知識しかなかったのですが、そのお話を聞いて、民主主義とは私達が国や政策を変えることができるものだということを再認識しました。

もし、日本の政策が私たちにとって良くない影響を与えることがあったとしても、選挙に積極的に参加し、政治家を選び直すことで国の方向を変えることができます。私はまだ選挙権を得てはいませんし、私だけではなく、選挙という言葉を遠く感じる方もいらっしゃると思います。しかし、あらためて選挙に行き、投票する意味というのを民主主義という観点から見直すきっかけになりました。


「政府がフェイクニュースを指定して取り締まるのは旧ソビエトやロシア、中国と変わらない」

Bチームの質問
SNSと政府の規制に関しての質問です。
ウクライナ侵攻についてもSNS上では様々なフェイクニュースが流れています。私はSNSは自由な発言の場であるべきで、政府の規制はいらないと考えます。そこで石戸さんや三浦さんは、SNS上のフェイクニュースに対して政府は規制をするべきだとお考えでしょうか。また、他にあるとすれば政府はどのような対策を取るべきだとお考えですか。


Bチームの質疑応答では上記の質問に対して、「政府が規制をすることは考えない」と石戸諭さんは答えられました。また、「政府がフェイクニュースを指定して取り締まるのは旧ソビエトやロシア、中国と同じであり、言論の自由が認められた国においてはある程度仕方ない」とも話されていましたが、それと同時に名誉毀損などの既存の仕組みを最大限活用していくことで、訂正していくことが大切だと話されていました。

そのお話から、私は何か国に関わることがあれば政府が対策をするべきだと、無意識に考えていたのですが、フェイクニュースに関しては政府が規制をすることで言論の自由を奪うことになるのだと気づきました。そして、フェイクニュースを一つでも少なくするために、今ある仕組みを使うことができないのか、政府や法律などの仕組みについて目を向けることが大切だと感じました。また、三浦瑠麗さんも政府だけではなく、新聞などのメディアがフェイクニュースの指定を行うことも慎重になるべきだと話をされています。

「曖昧さに耐える力が大切」

Dチームの質問
ロシア西部サンクトペテルブルクに存在した「トロール工場」では、主にロシア側に有利なプロパガンダ(偽情報)の発信が組織的に行われていました。しかし、その「トロール工場」が稼働していたのは2014年以前で、現在は閉鎖されています。また、現在のウクライナ侵攻は、2014年時のクリミア侵攻と比べ、プロパガンダの発信場所を特定することが難しい上、無数の偽情
報が発信されていると考えられます。そこで石戸さんは、現在、発信されている「プロパガンダ」を見分ける方法として、どのような方法や手段があるとお考えですか。


Dチームの質疑応答では上記の質問に対して、究極的にプロパガンダを見分ける方法はなく、日本においては簡単に翻訳された情報に飛びつかないことが大切だと石戸諭さんはお話されていました。また、曖昧さに耐える力が必要だという言葉に、政治部に入部する前にプロパガンダにまんまと騙された私はとても身に沁みるものがありました。お話されていたように、SNSに流れてきた情報にはつい白黒つけたくなってしまうものですが、一歩引いた姿勢で情報を見ることが、SNSのプロパガンダを見分ける手段なのだと感じました。


まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。

起こると思っていなかったウクライナ侵攻が起こり戦争が身近になった今、潜在化していた情報戦というものが顕在化しました。
普通ではない事態に動揺し、不安に感じてしまうことでフェイクニュースやプロパガンダに騙されてしまうことがありますが、その時こそ冷静に情報を一歩引いた姿勢でみることが大切だということを今回の講義で気づかされました。「曖昧さに耐える力」を身につけることは簡単ではありませんが、それを身につけるためには情報を一歩引いて見る姿勢と、世界の国や制度について知識が必要なのだと感じます。
政治部に入ってまだ数ヶ月ですが、「情報戦と戦争と政治」という大きなテーマをチームで考え、テーマ別講義で三浦瑠麗さん、石戸諭さんのお話を聞く中で、自分の知らないことや認識が間違っていたことがいくつもありました。多くの方の意見や情報を見聞きすることで、自分の認識が改められたように感じています。
石戸諭さん、三浦瑠麗さん、とても学びになる講義をありがとうございました。この場をお借りして、深くお礼を申し上げます。
N/S高政治部マガジンでは今回のテーマ別講義「情報戦と戦争と政治」の他にもさまざまな記事を掲載しています。興味のある方はこちらからご覧ください。

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