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文学フリマ大阪 終了

緊急事態宣言中だったが、東京から新幹線に乗って文学フリマ大阪に出店してきた。

日曜の昼間でしたが新大阪駅も空いてました

初めて出店したのは2019年の5月の東京で開催されたもので、それから半年おきくらいにこれまで東京で4回出店してきた。東京以外で出店するのは初めてだったが、僕の地元は大阪なので土地勘もあってすぐに会場にたどり着くことができた。

会場の様子

前置きはこのくらいにして、結果からいうと、あまり売れなかった。
ぶっちゃけて言うと9冊である。
20冊くらい売れたらいいなと思っていただけに、予想の半分以下の結果となってしまい少しショックである。
(とはいえ9冊もわざわざ僕の本にお金を払って購入して頂けたことはとてもうれしいです。)

今日のブース

原因として挙げられるのは二つある。
一つは今日の湿気により僕の前髪が一本残らず左斜め下へうねってしまい、お客さんの購買意欲を大きく削いでしまったことである。
二つめは、会場へ来たお客さんの絶対数が少なかったからだと思う。

前回出店した2021.5の文フリ東京も緊急事態宣言中だったこともあり、お客さんの入数は僕が見た感じコロナ前の3分の1くらいに感じた。ブースの前で人通りが完全にゼロになる瞬間が何度もあり、お客さんよりも出店者シールを貼った人の方が目立っていた。
今日の文フリ大阪でも同じ印象を抱いた。

お客さんが少ないことは承知していたつもりだし、それが当然だと頭ではわかっていたつもりだが、いざ本当に会場が閑散とした時間が続くと精神的につらいものがあった。
自ら何かを作り、形にし、それを売って、お金を頂くということは、当然普通の安定した需要がある仕事よりも大変で、つらい思いもするのも当然な訳であり、壁や障害は無数にある。それを自覚したうえでやってきたつもりだ。
しかし、コロナ状況下でそもそもお客さんが会場にあまり来れないとなると、いくら良い作品を作っても、人が集まるような場所で販売し、その売り上げに期待を抱くこと自体が何かすでに時代遅れというか、期待すること自体が現実を見れていない証拠ではないかとさえ、ブースの椅子に座って尻を痛めながら思った。

では何をするべきか僕なり考えてみた。
おそらく、ここで要領よく切り替えるのは僕の得意なことではない。
まずはこの状況をとことん悔しく思い、それを新たな創作のバネにすることだと思う。
対面がダメだからじゃあネットだ。みたいな合理的な考え方も悪くないけど、小説はそもそも合理的なコンテンツではない。
ネットで気軽に買えたり読めたりすることで売り上げは伸びるかもしれないが、それよりも生活必需品をネットで買えるサービスの方が需要があるのは言うまでもない。ないと困るものから順番に買える仕組みが整うと思う。

合理的なコンテンツには合理的な販売の仕方が合っていると思う。

飲んだ直後から元気になった気分を味わえる合理的なリアルゴールドは、スーパーで買うよりその場で飲める自販機で買った方が、ちゃんとリアルゴールドの長所を消費している。
映画も今のところスクリーンで観ることを前提に作られているので、ネットやスマホの画面で見るよりも、やはり映画館で見るのが王道な消費の仕方だと思う。
小説もそうだと思う。作者がその場にいて、会話をしながら買える。という意味ではわざわざ会いに行く、探しに行くという非合理的な手間がかかるが、そのプロセス自体に価値があることだと思う。小説はそういう非合理的なプロセスが許されるコンテンツだと思う。それは小説自体が衣食住に影響のない、「余暇」を使って消費するコンテンツであるからである。
衣食住の前に小説を優先する人はいまだかつて見たことがないし、僕も小説を読むのは心と時間とお金にある程度余裕がある時のみである。

逆にリアルゴールドのレシピを考案した人の顔を見ながらリアルゴールドを飲みたい、と思う人はほとんどいないと思う。僕も思わない。リアルゴールドは飽くまでリアルゴールドなのだ。

少々ふざけたことを書いたが、結局辛い状況下でも続けることに意味があると思う。
コロナという名の政府による合理化、管理、統制との戦い?なのか、そこまで自覚的に考えてもいない。
とりあえず書きたい話はあるし、作りたい曲のコード進行も浮かんできたので、いかなる状況でもできることを続けていきたいと思う。



本を作った時に想定していた年齢層の方に買って頂けて嬉しかった。
あの9冊のために新幹線でわざわざ来た甲斐があったと思う。
片道の交通費と出店費用だけで軽く2万円を超えているが、それ以上の価値が今日の9冊にはあると思う。


P.S
イベント終わった後の片づけで、一人一個事務机を持って列に並ぶ様が、エヴァンゲリオンのゼーレの会議の風景みたいで笑いそうになりました。


小説を書きまくってます。応援してくれると嬉しいです。