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「連続した幸せな日々があるから、非連続なチャレンジができる」非連続なチャレンジ大賞受賞を記念して「初回面談」を通して語ってみた。

この度、私が所属するミライフで(社長の思いつきで)創設された「非連続なチャレンジ大賞」を受賞しました!
立派なトロフィーもいただいて、さっそく作業机に飾っております。

画像はスマホの限界ですが、実物はめちゃくちゃキレイ!

「人材業界未経験で飛び込んだ」ということ自体が「非連続なチャレンジ」なので、若干下駄を履かせていただいた感はあるのですが、おそらくこの1年間の試行錯誤や苦しんだ姿も見ていただいたのかな、と感じています。

ミライフという社名自体が「未来+if(もしも未来が~だったら)」なので、発想としても積み上げではなく逆算思考。

私が人材業界で「今何ができるか」と積み上げ式で考えていても「経験も何もないからできない」となるわけで、「どんな価値を提供したいか」「目の前の企業・クライアントにどう貢献できるか」という逆算思考ができていたのも、今から思うと仕事にフィットしていたのかな、と思います。

そこで今回は、その逆算思考のプロセスではなく、結果として生まれてきた「果たしてミライフのキャリアデザイナーであるところの菅野は、初回のキャリア面談で何をしているのか?」ということの言語化を通じて「非連続なチャレンジ」について考えてみたいと思います。

「目の前の人に100%向き合う」は、残念ながら人材業界の当たり前ではない。

まず面談にあたっては、お忙しいみなさんの1時間という貴重な時間をいただく以上「その場自体が、目の前の方にとって最大限意味のある場となるようにする」という「理想」を掲げてきました。

ちなみにミライフで働いてきて改めて分かったのですが、まずこの「理想」つまり「面談が終わった地点のゴール」自体が、人材業界の当たり前ではないようです。

もちろん、キャリアデザイナーやエージェントである以上、誰もが「目の前の方の役に立ちたい」「キャリアや仕事という軸で誰かを幸せにしたい」という想いを持っていると思います。

しかし、そこに「自分の売上目標」や「担当企業からの採用プレッシャー」といったものが強くなりすぎると、面談のゴール=理想が「目の前の方の幸せ」ではなく「企業の案件充足を通じた自分の売上達成」にすり替わってしまうことがあります。

だからこそ、ミライフの「個人業績目標なし」は「個人起点100%」を成り立たせるために必要な裏側の仕組みであり「自分(の業績)よりも目の前の個人の方にベクトルを向け続ける」という行動を担保する決まり事になっているのです。
(とはいえもちろん、売上が上がらないと企業として成り立たないので「ロマンとソロバン」「赤字はいかん」という価値観でそちら側を担保しているわけです)

背景の話が少し長くなりましたが、こうした土台があるからこそ、面談の理想として「その場自体が、目の前の方にとって最大限意味のある場となるようにする」という理想に向かって全力を出してこれました。

では、たくさんの悩みや想いを抱えた方に出会う「キャリアデザイナーとの初回面談」という場において、「最大限意味がある」とはどんなことを言っているのでしょうか?

答えからお伝えすると、それは「自分の悩みや想いをまっすぐ捉えていただく」ということです。

「人間は自分のことが自分では分からない」から始める。

心理学者・カウンセラーである諸富氏の『自己探究カウンセリング』という本では、自分自身に深く気づいていくためにカウンセリングの手法が重要である、ということが書かれています。

その前提には「人間は自分のことが自分では分からない」という考え方があり「適切なカウンセラー・コーチ・キャリアコンサルタント」といった役割の相手を通じて探究を進めることができ、自分に対する理解を深められるのだ、ということを仰っています。

ミライフでも「カスタマーのプロはカスタマー自身。答えは相手の中にある」とは言います。
しかし、絶対に「だから相手の言うことをただ聞いて実行すればよい」とは言いません。そこには「キャリアのプロ」としての仕事がないからです。

そもそも「答えは相手の中にある」ということと「相手が答えを知っている」ことは、必ずしも同じではありません。

自分自身のことを考えてみても、自分が抱えているモヤモヤや悩み、どうにもならない感情について、人と話したり散歩をしたりしている中でふと「ああ、自分は寂しいと思っていたのだ」などと分かることがあります。

これと同じで、キャリア面談という場においても、私は「答えは相手の中にある。でも相手は、私が相手のことを分かっていないことと同じぐらい、相手自身のことを分かっていないかもしれない」ということから始めます。

例えば「現職にいてもいいんだけど、何となく転職を考えている」と仰る方が、話を通じて「現職にいてもいいと思っていたけれど、ここまで強い違和感を持っていたとは思わなかった。普通に考えたら、今すぐ違う環境に行った方がいいですよね」となることがあります。

逆に「転職しないとマズいと思っていたけれど、まず上司とちゃんと話すことが先ですね。なんで避けてたんだろう」と気づく方もおられます。

そのぐらい「人間は自分のことが自分では分からない」存在だという事実を、日々多くの人とお会いさせていただく中で強く感じています。
(いわゆる内省力が高い方、自分と向き合う力が強い方も居られます。ただし、その「内省力が高く自分にきちん向き合えている自分」というものの奥に「本当の自分」が眠っている可能性もまた、否定できないと感じることがあります。)

だからこそ、世の中には「カウンセラー」「コーチ」「キャリアコンサルタント」といった仕事が専門職としてあり、「話を聞く」というただそのことにおいて、適切に価値を出せる仕事が存在するのだと思います。

「自分の問いや行動に正しい意味を見出してもらうこと」が初回面談のゴール(と思ってやっています)。

こうした理解と経験から、今の私自身の初回面談のゴールは「目の前の方に、自分の問いや行動に正しい意味を見出してもらうこと」と設定しています。
これが「その場自体が、目の前の方にとって最大限意味のある場となるようにする」という理想を掲げて辿りついた、1つの形です。

日々お会いする方は、何となく気が向いてスカウトサイトに登録したり、ホームページからお問い合わせいただく方も居られれば、多くのエージェントとやり取りをしたり沢山の企業を受けたりする中で転職活動が上手くいかず、すがる想いでお話いただく方など様々です。

ただ、そうした「スカウトサイトに登録する」「沢山の企業を受けても上手くいかない」といった行動にはそれ自体に意味があり、なんらかの目的や原因があり、その結果として色々なめぐりあわせの中で「キャリア面談」という場において私と出会っていただいたわけです。

その「出会い」の意味に向き合うこと。
「なぜ自分がここに居るのか」とまでいうとさすがに大袈裟ですが、それでも「忙しい中時間を割いて、誰かと話をすることを選択しているのか」ということに対して「その意味自体には、目の前の方は気づいていないかもしれない」という観点からお話を伺うこと。

そして、その中で得た気づきに関してフィードバックをお伝えしながら、必要に応じて「転職支援」というキャリアデザイナーのもう片方の専門性でもってご支援をしていくこと。

これが、今自分が行っている「初回面談で起きていること」であり、最低限「キャリアデザイナーとして価値提供できる」という自信につながっている理由だと思って、仕事に取り組んでいます。

自分が「幸せにできる人」は「幸せにできると思える人」だけでしかない、という現実を直視する。

もちろん、誰にでも、どんな悩みや問いにでも価値提供をするというには、まだまだ自分は力不足です。
そもそも、それを目指すのが良いかどうか?というと、おそらく違う気もしています。

これもミライフでよく話すのですが、私たちが幸せにできるのは「私たちが幸せにできると思える人」でしかありません。

誰でも、どんな人でも幸せにしたいと願うことはあります。
でも、それを実現するにはまだまだ力も人数も足りず、そのためにかえって関わる人を不幸にしてしまうことだってあり得ます。

だからこそ、ミライフではまず自分を幸せにして、それから目の前の個人に100%向き合い、転職というつながりを通じて企業に貢献し、結果として個人と企業の幸せを最大化して社会に価値を届けます。

これからも私自身、たくさんの非連続なチャレンジをしていくでしょう。
ただそれは、無謀なものでも関わる誰かを不幸にするものでもなく、あくまでも現実を直視した結果として形作る「理想」に向かうものでしかありません。

ただ、この観点さえあれば、理想に辿りつく前に燃え尽きてしまったり、力尽きてしまったり、実は自分も大事な人も不幸に陥れてしまっていた・・・なんて後悔も、破滅的なことにはならないはずです。
(多少の無理と努力と我慢は必要なので、後悔ゼロってことはないかもしれませんけどね)

すでに次の非連続なチャレンジも見定めており、家族や会社の人にはお伝えして少しずつ動き始めています。

そして、日々の仕事に関しても、現状に満足せずに「理想」を描いて進むことは、現状の否定や今の自分の力不足を嘆くことではありません。

今も十分幸せである。
だからこそ、未来にもっと多くの幸せを見出していく。

連続した幸せな日々があるからこそ、非連続なチャレンジができる。

(おそらく日本で唯一の)「非連続チャレンジ大賞」受賞者として、この言葉を世の中に放り投げてみたいと思います。

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