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400字で分かる落語:「明日に架ける橋」

50:明日に架ける橋(あすにかけるはし)
【粗筋】 定年退職で家にいると、妻のイライラが募る。捨てられずにいるスーツを着て表に行くと、「会社」という名の飲み屋に行く。会員証はタイムカード、受付嬢に注文すると、「私そんなことをするために会社に入ったんじゃありません」と応対してくれるし、苦情電話のサービスもある。徹夜で飲んで朝帰り、吾妻橋で身投げを助けたが、古い背広を捨てる決心をして、うっかり自分もはまったのだと言う。背広が臭いと言われるというのが共感を呼び、みんな自分の背広を脱いで腕を結んで川に流すと、そのバクテリアで川が綺麗になっていく。
「我々の心まで浄化されたようだ。イライラするのはやめましょう」
「そうですね。我々も時代に流されてみますか」
【成立】 SWAの三大噺の会、高田文夫が「2007年問題」「バイオ・エネルギー」「吾妻橋」を指定、林家彦いち、三遊亭白鳥、柳家喬太郎、初風亭昇太が案を練り、昇太が演じた。

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