見出し画像

400字で分かる落語

「あ」の落語第20席:赤とんぼ(あかとんぼ)
【粗筋】 大阪支社に転勤して来た男、妻が保育士でずっと童謡を歌っているので、自分もつい口ずさんでしまう。部長が大の童謡好きで、これを知って男を童謡酒場に連れて行き、部長の蘊蓄が始まる。『桃太郎』は「あげましょう」ではなく「やりましょう」、『どんぐりころごろ』は「どんぐりこ」ではなく「どんぶりこ」。番好きなのは『赤とんぼ』だが、十五で嫁に行くのが法律違反で教科書から消えた。『庭の千草』や『埴生の宿』は実は外国曲……ここらで部下が酔っ払って、「私が埴生の宿を歌います。『ビルマの竪琴』のファンだから、部長は『水島、日本へ帰ろう』って叫んで下さい」
「それより、君、家に帰ろう」
【成立】 桂文枝(6)の創作落語。185作目、2007年11月の作。
【一言】 歌の本に「追われてみたのはいつの日か」とあった。これは「負われて見た」ので、二番で嫁に行った「ねえや」、お手伝いの女の子におんぶされたのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?