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400字で分かる落語:「愛宕山」2

54:愛宕山(あたごやま):全3回の2
【成立】 上方にあった噺を柳家小さん(2か3)が伝えたが、桂文楽(6)が三遊亭円馬(3)がら継承して、磨き上げて十八番にした。文楽は贔屓の客のお供で京都へ行った時、祇園に招待されたが、それより愛宕山へ連れて行ってくれと頼み、土器投げを体験した。古今亭志ん朝は土器が飛んで行くのを目で追うのが見事だった。安藤鶴夫は江戸の旦那、大阪の幇間、京の芸子の言葉が出ると面白いと言っているが、古今亭菊之丞が見事。そこまでやる必要はないかも知れないが、間違いなく面白い。上方では的に当たる鐘が聞こえた。
 安藤鶴夫、宇井無愁ら、評論家は「あたごやま」は東京で、京都は「あたごさん」が正しいのでおう言わなければならないと言っているが、枝雀が英語で演った時のタイトルも「ATAGOYAMA」だった。その時は聞けなったが、後に桂米朝師匠から説明を聞いて納得。山の名は「あたごさん」だが、信心で登る場合は昔から「あたごやま」だそうだ。

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