見出し画像

400字で分かる落語:「あたま山」2

55:あたま山(あたまやま):全3回の2
落語の原話は天明元(1781)年の『いかのぼり』、弘化4(1847)年『即席一笑噺の種』など。安永2(1773)年の『俗談口拍子』にある「天窓(あたま)の池」は池だけで、人が見物に来るのを断るのに、息子が「頭の池に身を投げました」と言う、これがもとで「お玉が池」になったという説明がある。同年の『坐笑産』にある「梅の木」は、天神を信仰する浪人の頭に臥龍梅が咲いて見物人が殺到する。隣の浪人者が嫉妬して、夜中にこの木を抜いてしまう。池になって評判になるとまた煙草のやにを入れて金魚を全滅させる。がっかりした浪人が家主のかみさんに、頭の池に身を投げると相談、「お世話ながら、きせる筒を仕立てるように、足からひっくり返して下され」と言う。
 寛政12(1800)の『臍煎茶呑噺』が現行に近いが、花見に来るのは蚤や虱。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?