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紅錦 11b PD 初登

過去のブログその3

地元三重県尾鷲市九鬼町にあるプロジェクトラインを許可を貰って初登してきました。


川上村にいる時にそこのエリアに興味を持つ人と会い、一緒に行ってもらえる事になったのでトライする事ができた。

前情報として、11a R/Xで、下部7mはノープロかつ、下地が岩だらけで核心に突っ込むというのは聞いていた。
11aなら今の自分であればオンサイトトライしても良い数字だとは思ったが、無謀と挑戦は違うと思ったので、そこは妥協してぶら下がってからトライする事にした。

1日目
さて、トライするのは良いが、まずはエリアを探さなければならない。
そのエリアを発見した人のブログとロクスノを読んでとりあえず探しに行く。

詳細に書かれていたおかげで、割と迷わずに発見は出来た。
まずは、岩頭に裏から回り込んでfixを張りにいく。(この時に、振られ止めを付けずにfixして懸垂してしまったので、後から後悔する事に‥)

とりあえず、基部まで降りてラインを見上げる。「情報通りでプロテクションは取れなさそう‥。
けど、11aだろ?ノーテンで登れないでどうする?」と思い、ひとまずクライムオン。

1個目の段まで上がって思った事は、「あ、これは11aじゃない‥。ちゃんと落ちるやつだ‥。」だった‥。
右のハンドホールドは明確なのがなく、左手で足を上げる感じだった。
まぁ、やってみないと分からない。
ムーブを起こしてみる。

・・
・・・
・・・・
案の定ちゃんと落ちた。


グランドアップでやらなくて良かった‥。
場所が場所だけに落ちたらヘリか漁船にお世話になるところだった‥。
と、ここで懸垂した時に振られ止めを付けてなかったせいで大スイングになってしまった。
戻れなくなってしまったので、また下からやり直しに‥。
そして、また落ちた。
2回死んだと思いながら、仕方がなくエイドで振られながら頑張って上まで上がる。
アッサンダーを持ってきていなかったので、上がるのもかなり大変だった。

今度は振られ止めを付けながら降りたが、上に上がるのにかなり時間と気力を持ってかれたので、今日は帰ろうかと迷ったが、流石に勿体無いので下部をバラしにかかる。
何となくホールドとムーブは分かったが、明らかに11aのホールドじゃない。(一手目の右が人差し指の第一関節の1/3だけかかる。二手目はフリクションで止まってるだけのゴミカチ。左は持つとこを持てば、保持できる感じだった。)
まぁ、悪い事は続くもので、右手の人差し指が完全に穴が空いてしまった‥。
「11cはありそうだなぁ‥。」と思いながら、かなり絶望感を味わいながら帰宅した。

2日目
所用で昼過ぎからアプローチ。
アプローチの最中に、「下部のあの隙間に、ボールナッツ効くんじゃないか?」と思いながら岩場に着く。
今度はちゃんと振られ止めを付けながら降りる。
降りるついでに下部にボールナッツが効くか確認する。
すると、なんか効いてる気がした!!
ボールナッツを買っといて良かった!!!!!!
ただ、一個目が落ちたら外れそうな感じだった。いや、絶対外れる。
「結局落れないんかい!」
と自分にツッコミを入れつつ、核心のワンムーブ起こした後のボールナッツはちゃんと効いてそうだったので、ひとまず安心した。
下部のムーブも良いムーブが見つかり、11aか11cのどっちかかなーという感じだった。
上部は普通にやれば絶対落ちなし、プロテクションもちゃんと取れる感じだったので、ジャミングを決めるところとプロテクションの位置だけ確認して早めに切り上げた。

3日目
若干寝坊しつつ、パートナーと合流してアプローチ開始。
二人で岩頭まで上がって、パートナーは隣の13を僕は今日もプロジェクトラインを探る。
昨日のムーブで落ちる感じは全くしなかったのだが、プロテクションがプロテクションだけに若干不安だった。全体的に確認してヘッドポイントトライへ。

1個目のボールナッツを隙間に入れるが、効いてなさそう‥。ただ、ちゃんとやれば落ちない自信があったので、核心のムーブを起こす。
ここで意外だったのが、もっとビビって足とか震えると思っていたのだが、そんな事は全くなく落ち着いていた。
そんな自分自身に驚きつつ、2個目のボールナッツを入れる。
そして、割と際どいワンムーブを起こす。
プロテクションが微妙な地帯を抜け、後は落ちないように終了点まで上がった。
マントルを返した時に見た手は、穴が空いたところから血が出て赤く染まっていた‥。

回収の時に、1個目のボールナッツを確認したが、簡単に抜けた‥。
パートナーと失笑。
これで落ちていたら、骨折は間違い無かっただろう‥。


パートナーはグラップアップのフラッシュトライ。
最初のボールナッツを入れて行きつ戻りつしつつも、あっさりと完登。
メンタル強よ!!
千日の瑠璃を登ったり、ハードなクライミングも沢山したりしているので流石だなぁと思うが、それにしてもメンタルの強さに驚いた。

パートナーも1個目のボールナッツを回収する時に効きを確認していたが、簡単に抜けた。
再び互いに失笑。
が、ここでパートナーがプロテクションを確認すると、違うサイズのボールナッツがバチ効きするという事が分かった。
自分もそのサイズのボールナッツは持っていたが、効かないと思ったので確認しなかった。
ちゃんと確認しとけば良かった‥。

まぁ、何はともあれ二人とも無事に完登出来た。

ルート名は「紅錦」
隣のルートが「藍玉」というルートだったので、色を入れたかったのと登り終わった後の自分の手の色が赤だったので「紅」。
そして、どうしてもこのルートを初登したかった理由の一つに、この10月に祖父が亡くなったというのがあった。その祖父のお店が九鬼にあったので、どうしても祖父のお店から一文字貰いたかった。なので、祖父のお店の「錦花堂」から一文字もらって「錦」。
合わせて「紅錦」にした。

当初はR/Xと思っていたが、最初のボールナッツがバチ効きする事が後から分かったのでR/Xは無い。
ただ、ボールナッツのサイズ、位置、角度、向きをピンポイントで入れずに落ちたらヘリか漁船にお世話になるので、PDとした。

グレードは良いムーブが見つかり、11cは無さそうだが、11a以上はあると思うので11bとした。

地元で痺れるクライミングが出来て幸せな数日間だった!!

次回は、隣の藍玉(5.13a R?)にトライしようと思う。



ヘッドポイントトライ



 


左から使用したプロテクション。初登は青のボールナッツが黄色で効いて無かった。落ちていたら‥。



パートナーが藍玉を試登中

追記

今回のトライでR/Xとかの形容詞が付くルートってめっちゃ面白いやん!!って思った。
来年は瑞牆のダイハード(5.11d R)と仲秋(5.12d PD)もやってみたい!!!!!
絶対楽しい!!

詳細なアプローチはこちらのブログに

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