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カンボジアの子どもに絵を描いてもらいました

前歯にマリファナを詰めてカンボジア入国しようとしたものの、空港で見つかって歯ごと没収された自称シャーマンのリトアニア人と、毎晩会うたびに上半身のタトゥーが増えているベトナム人が同室のおもしろ宿に滞在した。ここはアンコールワットで有名なシェムリアップの中心から少し離れた静かな街に位置しており、夜中には犬の遠吠えで目が覚めることもあった。

宿で借りた自転車で気の赴くままにペダルを漕ぎ進めて街を離れていくと、視界を捉えるのは田んぼと牛ばかり。この景色がものすごく綺麗なのだが、贅沢なものでいつまでも同じ絵面が続くと飽きてしまった。気が付いたことといえば、街から離れていくにつれて牛がどんどん痩せていき、そのだらーんと垂れた皮膚はまるで、子どもの頃見たおばあちゃんのおっぱいみたいだった。(いらない)

さて、そんな感じで子どものお絵かきをどうぞ〜。

タン(6さい)

大工さんをしているお母ちゃんが働いているそばで暇そうにしていたので声をかけました。小柄でなんの面白みのない日本人からの、急な「絵を描いて」とセンスを試すようなテロ行為に動じずにしっかりと描いてくれました。
うちの子は絵なんて描けないよとお母さんは謙遜していましたが(クメール語なので雰囲気で)、「子どもはみんな画家だよ」と僕かピカソが先か分からない名言を駆使して許可を得ました。出来上がった絵を見てお母さんは少し照れくさそうにしており、作品を差し上げたいくらいでした。

マリー(8さい)

手編みの素敵な籠が軒先に並ぶお家に伺いました。家の前を通ると陽気なお父さんが声をかけてくれ、そのまま一緒にいたマリーにお願いすることに。マリーが絵を描いていると、お父さんが「これはどう?」みたいに言ったり言わなかったり。それをマリーは採用したり採用しなかったり。普段から仲良しなんだなあと。

家族総出で僕を受け入れてくれて有難かったです。マリーにそっくりなお姉ちゃんと思春期丸出しのお兄ちゃんがいて、茶化しながらお兄ちゃんに絵を描くよう誘ってみたらしっかり無視されました。


プロフィール 北村幹(きたむらかん)
1994年生まれ
大学卒業後、都内で保育士として大活躍。
国際協力に興味があり学生時代はアジア、アフリカにて幼児教育のボランティア活動を行い、何年も経った今でもその熱はまだある。
好きな言葉は「源泉掛け流し」と「おかわり無料」。
インスタ:https://instagram.com/kantabiworld


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