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9割の人が騙されている嘘の投資情報が蔓延しているので、注意喚起です

※この記事は、日経平均が史上最高値を更新する前に書き始めた記事です。
なので、前提が「日経平均が史上最高値を更新する前にの時点」となっています。
それを踏まえてお読みください。


ニュース記事でも、その他個人サイトでも、現在新NISAが話題性があることを理由に嘘の情報が当たり前のように出回っていて、読んだ人を勘違いさせています。

目に余る事態ですので、この記事では、

「情報の信憑性を正しく精査する方法」

をお伝えします。
長期間投資を続けていくのであれば、これは「投資法」よりも大切な知識となります。

「積立投資は高値づかみをしないという点で一括投資よりも優れた投資方法である。日経平均で見ても、30年前に38000円で一括投資していたら現在も損失のままだが、積立投資していれば高値づかみすることがないので利益が出ている。そういう点で積立投資は時間のリスク分散にもなる。」

これです。

もしこれを読んで、正しいと思ってしまった方!
あなたも完全に被害者です!

以前巧妙な詐欺師は非常に頭がキレるので、自分は騙されないと思ってる人を簡単に騙すという記事を書きました。
もし上の文章を読んだ時に、「この文章は論理すら成り立っていない、取るに足らない文である」と一刀両断出来ない場合には、詐欺師にとって最も騙しやすい部類ですので、この記事で確実に克服してください。
頭の良い詐欺師は、この程度の騙し文章を当たり前のように作れます。

良い例だったので、以前の詐欺注意喚起の内容と重ねて説明しましたが、今回のこの文は詐欺目的で作られたものではありません。
これは投資の知識も経験も全くと言って良いほど無い素人で、なおかつ論理思考が苦手な部類の人がネットに流れてた間違った情報を読んだ時、間違いに気付けなくて鵜呑みにし、その勘違いを「何故か」熟練投資家を装って発信してるか、もしくは嘘だと分かっているのに騙される人がいるから面白がって発信してるサイコパスがする発言です。

なのに、9割以上の人がこの言葉を信じてしまっている緊急事態です。
9割の人が、詐欺被害者予備軍と言えるということです。
これでは詐欺は無くなりません。

この記事を読んで、詐欺に騙されない思考を持って帰ってください。

かなり厳しく書きました。
しかし、そのくらい、ちょっとこれは度が過ぎているほどアホウな発言なのに、多くの人を騙しすぎている大罪文でもあるので、嫌悪感丸出しで批判させていただきました。

人を騙して、人の利益を大きく目減りさせる、大変悪意のある言葉です。

ここまで書いたのですから、説明責任がありますね。
説明します。

まず、この文の意図は、
「積立投資が一括投資に比べてリスク分散になる。何故なら、高値づかみをしないから」
ということだと思います。

そして、その例として、
「日経平均で30年前の高値時に一括投資していたら今でもマイナスだが、積立投資なら既にプラス圏であるから」
としています。

この主張によって、あたかも
「マイナスになっているのは高値で一括投資したから」
だと読み手に思い込ませています。

さらに、
「プラスが出るのは積立投資したから」
とも主張しています。

断言します。

ちがいます


この文で損失が出てる理由も利益が出る理由も、一括か積立かなど関係ありません。
出している例が一括と積立とどちらが良いかを検証するためのものではないということです。

単純に言うと、根拠としての例が全く関係のない話をしている時点で、論理が成り立っていない文なのです。

根本的に、比較対象が間違っています。

まず、この例で損失が出てる理由は、日経平均を高値づかみしたからではなく、分散を全く考えないで日経平均にオール・インしたからです。
決して、積み立てなかったからなどという理由ではありません。

なので、この文には「分散投資禁止」という隠された前提が存在しているのです。
分散投資禁止とは、つまり投資ではなくギャンブルに近い話ということです。
ギャンブルの話を投資の話として持ってきて説明した文に、なんの意味があるのでしょうか。

今回の文で言えば、
「分散投資を全くしないのであれば、30年以上前の最高値で日経平均に一括投資した場合のみマイナスであり、積立投資だったらそのタイミングでも利益が出ている。それ以外のタイミングなら一括投資でも利益が出ている。そして日経平均だけではなくオルカンやS&P500にも分散投資していれば同一の期間で検証しても積立投資より一括投資が明らかに多くの利益が出ている。つまり積立投資の優位性は日経平均にオール・インして分散しなかった場合に限られる」という書き方をしないといけません。

一括投資の効果と積立投資の効果を比較する場合、投資家としての視点で正しい比較対象で例を作り直してみると、こうなります。

①日経平均とS&P(オルカンでも可)の両方に積立投資した場合

②日経平均とS&P(オルカンでも可)の両方に一括投資した場合

この比較で、はじめて一括投資か積立投資のどちらが有利だったのかを検証し始める事ができます。
分かりやすいように株式だけで考えますが、主要な分散先である守備的資産の「金」を3つ目の分散対象に入れても結果は変わりません。
30年前の「金」値段はグラム1440円が最高値ですが、今は10000円くらいです。
国債も分散対象として主流ですが、それを4つ目の分散先にしても結果は変わりません。

例え日経平均でマイナスが出ていても、それを補って余りある凄まじい利益が他の分散先から出ています。
当然①の積立投資とは比べ物にならない利益が②の一括投資で膨れ上がっているということです。

つまり、現実的な投資は分散が前提となるため、その前提を踏まえると、積立投資が「投資効率」として一括投資よりも優れているデータは、現実には存在していないのです。
逆に一括投資の方が積立投資よりも優れたパフォーマンスになることを証明するデータならいくらでもあります。

これ、もっと単純に理解する方法があります。

分散投資と同じく大切だとされているのが、長期投資です。
皆さんご存知だと思いますし、新NISAは長期投資を前提に作られた制度です。
長期投資になればなるほど、利益が膨らみやすいと聞いたことがあると思います。
もうそれが答えです。
長期間になればなるほど利益になりやすいのであれば、積立投資自体が矛盾しているのです。
たとえば30年間毎月5万円積み立てた場合、実際に30年の全期間運用されているのは最初の5万円だけです。
最後の5万円なんて、1ヶ月しか運用されていない事になります。
一方、一括投資は、全額が全期間運用されています。
つまり、同じ元本であれば、積立投資は一括投資の半分しか運用されずに終わるのと同じことになります。
長ければ長いほど効果が高いのであれば、運用期間が半分でしかない積立投資の方が効率が良くなる事はあり得ないとすぐに分かるわけです。
もし積立投資の方が良いのなら、今度は長期投資という前提を否定していることになるからです。

このように、積立投資は利益を増大させる効果は無く、またリスク分散のためにするものでもありません。
リスク分散は、文字通り分散投資でするものです。

中には、「積立投資は時間のリスク分散になる」と聞いたことがあると言う人もいるかもしれません。

これも実は嘘なんです。

何故積立投資が時間のリスク分散になると言うと嘘になるのか、次回の記事で論証していきます。

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