スケボーパークは大雨時の縁の下の力持ち!?
みなさんこんにちは。都市整備課です。
めっきり寒くなってきましたね。おでんが恋しい季節です。
さて、今回は、茨城県下妻市のスケートボード専門パーク、「waiwaiドームしもつま」をご紹介します。
スケートボードといえば、2021年の東京オリンピックで正式種目に採用され、日本人選手の活躍に注目が集まりましたね。
「スケートボードパークが水と川とまち・都市の在り方を考える連載とどう関係するの?」そう疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は、平時だけでなく、大雨が降った時にも大活躍する画期的な広場なんです。
”waiwaiドームしもつま”って?
waiwaiドームしもつまは、商業施設の跡地につくられたまちなか広場です。
スケートボードパーク、屋根付きの多目的広場、地域交流センター等が併設していて、幅広い年代の方が利用できる多目的施設となっています。
中でも、スケートボードパークは、なんと東京オリンピック・パラリンピックの競技大会・組織委員会の公式サイトにスケートボードの観光地として掲載されているんです!
さらに、スケートボードパークの隣には、屋根付きの多目的広場があります。
スケートボードの練習に疲れたら、気分転換にバスケやバドミントンを楽しむのも良いですね。屋根付きなので、天気が悪くても安心!
ちなみに公式youtubeはこちらです。
なんで、縁の下の力持ちなの?
ここまで、waiwaiドームの普段の楽しみ方をご紹介しました。
では、大雨が降った時にwaiwaiドームがどんな風に活躍するのか、一緒に見ていきましょう。
実はwaiwaiドームは、雨水を一時的に貯める調整池としても利用することができるんです。
普段の写真を見ると、水がないので池のようには見えません。でも、大雨が降ると、ここにどんどん水が貯まっていきます。
このような施設を「調整池」といい、雨水を地中に浸み込ませたり、一時的に貯めたりすることを「雨水流出抑制」といいます。
雨が降ると、水は山や畑等の地中にゆっくりと浸み込みます。
ところが、最近はコンクリートやアスファルトの舗装がどんどん増え、降った雨が浸み込む場所が少なくなってしまいました。
その結果、行き場を失った雨水は、一気に下水道や川に流れ込みます。
下水道や川が処理できる水の量には限りがあるため、処理能力を超えた分は下水道や川から溢れて、まちを水浸しにしてしまいます。
溢れた水はプールとは違って勢いがあり、水の深さが50cmを超えると、大人でも歩くのが困難と言われています。伊勢湾台風の避難者アンケートでは小学5,6年生でも水深20cmで非難が困難だったそうです。(「洪水ハザードマップの手引き」より)
だからこそ、調整池はとても重要です。
降った雨を一時的に貯めておき、落ち着いてから少しずつ流せば、下水道や川の負担を減らし、まちが水浸しになることを防ぐことができるからです。
「waiwaiドームしもつま」は、スポーツを楽しむ施設としての役割だけでなく、大雨が降った時に下水道や川に水が一気に流れ込まないようにする大切な役割を担っています。
一見すると水や川とは関わりがなさそうに思えますが、大雨の時は大活躍する縁の下の力持ちなんですね!
他にもあるよ!下妻市の水とまちの素敵な関係
下妻市は、まちと水に関係するルール(=条例)を定め、様々な取組を行っています。(実はどの自治体にも似たようなルールがありますが、それについてはまた別の機会で。)
例えば、下妻市の環境基本条例には、水辺の適正な保全に関する項目があります。
この記事の締めくくりとして、砂沼を活用した下妻市の水辺まちづくりを少しだけご紹介します。
砂沼とは、下妻市にある農業用ため池で、古くから地域住民の生活に潤いを与えてきました。
さらに、茨城百景に選ばれるなど、桜の名所としても知られています。
ところが、砂沼は今、少子高齢化や人口減少、そして新型コロナウイルスの流行に伴うライフスタイルの変化など、大きな課題に直面しています。
100年後も魅力あふれる場であり続けるために、そして下妻市での暮らしをもっと豊かにするために、今何ができるか。
そんな思いから、下妻市の新しいちづくり構想が誕生しました。
このまちづくり構想では、砂沼を中心に職・住・遊・学が近接する空間の実現を目指します。
地方創生エリア、コンパクトシティエリア、かわまちづくりエリア、水辺まちづくりエリア等、地域の特性を活かしてエリアを分けるだけでなく、それぞれのエリアの繋がりを強化して下妻市の魅力を高めていくのです。
このビジョンの実現に向けて、水辺を楽しむ活動も実際にはじまっています。
おわりに
今回は、waiwaiドームしもつまと下妻市のまちづくり構想をご紹介しました。
waiwaiドームは一見すると水とは無関係のように見えますが、実は大雨が降った時の縁の下の力持ちでした。
下妻市の取組は、水とまちの関わり方について、私たちに大切なヒントを教えてくれる気がします。
新しい暮らし方の実現に向けて、下妻市はどのように変わっていくのでしょうか。
皆さんも、身近な事例からまちと水の関係を一緒に考えてみませんか?
次回も水とまちの良好関係な事例を探してきてご紹介しますね!
お楽しみに!