ほのかに吉日
所用のため自転車で山なりの橋を渡っていた。
息も絶え絶えにのぼり坂を上り切ったとき、前方の空に首の長い大きな鳥が2羽飛んでいた。
白鳥?
いや違う。
白と黒の配色。
赤い頭。
鶴だ!
タンチョウヅルだ!
2羽寄り添いながら悠々と飛んでいる。
慌てて自転車を止めた。
もたもたと毛糸の手袋を脱ぐ。
かばんの中のスマホをゴソゴソ探す。
なんとか写真を撮ったものの鶴はかなり遠くに行ってしまっていた。
野生の鶴を見たのは初めてである。
自分のどんくささを呪いながらも、頭の赤さが見える距離で鶴を見られたのはちょっと嬉しい。
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