食卓が一気にバル化!-カラフルアヒージョのレシピ-
スペインに焦がれながらアヒージョを
行ってみて良かった国・いつか行ってみたい国をリストアップしてみると、「郷土料理がおいしい」ことが自分の中での絶対的な条件であることに気づく。カフェやレストランで「おいしいなぁ」としみじみしたいし、スーパーや専門店で食材やらお菓子やらを何度でも物色したい。
旅先で出会ったおいしいものの記憶は、美しい景色や優しい人々同様に、ずっと薄れることがない。
そういう意味で、スペインもすごーーく行ってみたい。
でも今のところ行けていない。
せめて家でスペイン料理を食べるときは、できる限り本場の味に近いおいしさで堪能したいと願って作っている。
いやしかし、今日は、アヒージョだ。
にんにくとオリーブオイルと鷹の爪。あとは好きな具材で
アヒージョはajilloと書く。ajo(にんにく)から来ている。「アジョ」と発音したくなるが、スペイン語ではアホ。にんにくと卵とバゲットが入った、その名も「アホスープ」は、わが家でもよく作る。シンプルだけど非常においしい。にんにくの凄さを実感する一品である。
ajilloは、語尾の-illoが縮小辞なので「小さなにんにく」、つまり「刻んだにんにく」を表す。言うまでもなく味付けの決め手はにんにくで、逆に言うと、にんにくがあれば何とかなる。にんにくとオリーブオイルと鷹の爪。あとは食材が勝手においしくなってくれる。
本来、ajilloには必ず食材の名前がつく。Gambas al ajillo(小えびのアヒージョ)、Molleja al ajillo(砂肝のアヒージョ)、Champiñones al ajillo(マッシュルームのアヒージョ)みたいに。料理名になったときは必ずalを伴って「al ajillo」(アルアヒージョ)なのだ。使う素材は多様で、えび、牡蠣、鱈なんかの魚介系から、エスカルゴ、鶏肉、キノコ類、野菜類などなどなど。さっき書いた砂肝のアヒージョもおいしい。
基本的に小えびの〜と付けば具材は小えびだけ、砂肝の〜と付けば砂肝だけ。メインの食材をにんにく&唐辛子を入れたオリーブオイルで煮込み、塩コショウで味付ける。それを、カスエラ(小さな鍋)で何種類も楽しむ。
本場のやり方に合わせて、具材1つで何種類ものアヒージョを作って並べたいところだけど、そこはおうちバルのフリースタイルで、おいしさを一挙に、ぎゅっと。
いつもはカスエラよりちょっと大きめの小鍋を使い、エビ、タコ、ブロッコリー、マッシュルームを定番の具にしている。エビとタコの出汁とにんにくの風味がたっぷりしみ出したオリーブオイルの海の中で、ブロッコリーとマッシュルームを存分に泳がせる。
いやはやもう、おいしくないわけがない。
秋が来たら、アヒージョもカラフルにしてみよう
秋が深まると、カラフルなカリフラワーがスーパーの店頭に並び始め、3月ぐらいまで楽しめる。ちょうど昨日も紫とオレンジのカリフラワーを近所のスーパーで見かけて「お!もうそんな季節か」と思った。
年中手に入るブロッコリーで作るのがわが家の定番だが、この季節だけはこうなる、というわけ。
*具だくさんアヒージョのレシピ*
バナメイ海老
生だこ
マッシュルーム
カリフラワー、ブロッコリー、ロマネスコなどお好みで!
にんにく 5片以上
オリーブオイル ひたひたで煮込めるくらいの量
鷹の爪 1本(種は除く)
塩・黒胡椒 適量
バゲット 適量
1)小鍋にオリーブオイル、細かく刻んだにんにく、鷹の爪を入れ、焦がさないように香りを出す
※にんにく好きな人はつぶしただけの状態で使用し、具として食べても◎
2)下処理したえびと一口大に切ったたこを加え、弱火で加熱し、マッシュルームも加える
3)カリフラワーは小房に切り、2)に加えて煮込む
※レンチン(もしくは下茹で)して8割方火を通しておくと早い
4)塩と黒胡椒で味をととのえる。塩はしっかりきかせたほうが美味。
5)カリッと焼いたバゲットを添えて、完成。
アヒージョのお供として絶対に欠かせないのは、バゲットだ。Wikipediaによれば「アヒージョはバゲットやチュロスと一緒でないと成立しない料理」と明言するスペイン人も多いというから、これはもう、絶対に、だ。
スペイン人の指南を聞くまでもなく、食材のおいしさがしみ出しまくったオイルがあれば、自然と「パンないの?パン」となる。私なんて、バゲットをしみしみに浸して食べた後は、さらに残ったそのオイルで翌日、パスタを作ったりもする。1滴も捨てない。もったいない。
そんなわけで、アヒージョには何はともあれバゲットを。
白ワインもどうぞお忘れなく。
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