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長男と次男 6

中学生になって

次男、中学校入学前の説明会。
やたら緊張する次男を連れて、次男の親友とママ友とともに参加した。
制服や体育館シューズ、体操服などを楽しそうに購入していた。

入学式も緊張しながらもしっかり参加。
自分より身長の大きい子が結構いて、次男自身も驚いていた。
みんなと一緒に教室に入る。
小6の卒業式間際に教室に入ることができてはいたが、私としては感無量。
ブレザーの真新しい制服に身を包んだ次男が、桜の木の下で友人達とワイワイ写真に収まっていることがありがたく、何枚も撮った。

翌日も、同じクラスになった親友と待ち合わせして、自力登校。
オリエンテーリングやクラブ紹介など、新入生を歓迎するセレモニーにも参加していた。
翌日も無事登校し、教室で授業がスタート。
もしや中学校という環境の変化のおかげで、登校できるようになったのかもしれない!と、私の期待値もがぜん上がっていた。

・・・ところが、そうはいかないのが世の常か。
翌週から次男は、再び教室に入ることができなくなった。

理解できるなどと奢ることなかれ

毎朝楽しく親友との待ち合わせ場所に向かっていた次男。
疲れてはいるようだが、それはどの新入生にもあること、最初の数日はさほど気にも留めていなかった。
しかし、まだエネルギーは戻り切っていなかったのだ。
多少ショックはあったが、心のどこかで
「さすがにそんな急には無理だよな・・・」
という気持ちもあった。
というより、小6の後半で溜まってきていた「生きる力」が、卒業式、入学式でまた使い果たしてしまっていたのかもしれない。

中1の担任の先生は若い女性のH先生。
しかし前任校で、駅までは来るが学校の門をくぐれない高校生を担任されていたようで、次男の状況をすぐに理解してくださった。
面談の際、これまでの事情をお話しした。
その時のことが「プロローグ」に繋がってくる。

この時点で、すでに私は少々のことでは慌てなくはなっていた。
面白いことに、次男もまた定期考査は受験するスタイル。
長男のように受けない教科があるわけではなく、次男なりの意地なのか、不器用なのか、マジメなのか、全教科受けている。
(私なら、授業も受けていない教科はむしろ受けない・・・)
また、H先生ともいろいろお話しし、参加できそうな行事には行ってみることで合意していた。

以前も書いたが、行事のみ参加する不登校児について、良し悪しが議論される場合が散見される。
しかし、学校でしか得られない学びを少しでも体験するという権利は誰にもあるはずで、担任の先生や同じクラスの子が「よし」と思ってくれており、かつ本人に「やりたい」という意思があるならば、外野が一括りにどうこう言うべきではない話なのだと私は思う。

校外学習に参加し、なぜかグループのまとめ役も担っていた彼。
次男の心の傷がどの程度癒えているのかはわからない。
しかし次男のおかげで、長男とは全く異なる「不登校」に出会い、どこまでいっても親は子供の真意を完全に理解することはできないと改めて思い知った。
私は『不登校訪問支援カウンセラー』の資格を取得しているが、親でもカウンセラーでも、寄り添う以外にできることはない
無力だからこそ、素直な気持ちで子供に向き合うことが大切なのだと、次男の経験を通して私は改めて思っている。

高2の長男

高校からなんとか教室に入り始めた長男。
でももともとのコースから変わり、友達は誰もいなかったので
いわゆる「世間話」以外は大して話さないような日をずっと過ごしていた。
しかし、進級する、卒業すると決めた長男の意志は強かった。
私だったら誰も話せる友達がいないのに、教室にいられなかったのじゃないだろうか。

また長男は(私から見ると)不思議なこだわりがあった。
「出た授業では絶対に寝ない」
(確かに当たり前だが、高校生、誰しも寝たことくらいないですか?)
「授業に出るのに寝る意味がわからん、寝るくらいなら保健室で寝るわ」ということらしい。
・・・どっちが正しいのかよくわからないが、彼なりの強いこだわりと根性をもって、高2を過ごしていた。

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