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実験と研究はまったく別物

自分は大学4年から修士2年までの3年間、生命科学系の研究室で研究をしていました。
ばんばんPCRかけてタンパク精製して…を繰り返す日々。手先は器用な方だったので全然苦ではなかったです。プロトコルは研究室で汎用されているものに従って進めればOK。

ある日ドクターの先輩と話していると、「実験するの好き?ぼくはきらい」と言われました。その先輩はいつも楽しそうに熱心に研究しているし、研究室での進捗共有会やジャーナル会でもがんがんディスカッションしているし、海外の研究者とつながりを持ったりと、どう見ても研究が大好きでしかないので、きらいと聞いてかなりびっくりしました。
ただ先輩はすぐ続けて、「データをとるのはきらい。とれたデータを解析してこれまでのデータを総合していろいろ考えたり、新しい疑問をどうやって解明しようか考えるのが好き。」と。

それを聞いて初めて、これまで"研究"と"実験"を使い分けていなかったし違いを考えもしなかったけれど、全く別物なんだと気がつきました。
そして自分は"実験"は好きだけど"研究"はどうだろう、と考えるようになりました。
そこから6~7年たち、今も研究職に就いていますが、正直なところ少なくともあの先輩ほどのわくわくは感じられていないです。かといって、"研究”は好きじゃないという結論にはしたくない。結論出すにはまだ早すぎる。

やっぱり、研究が趣味そのものという人や、いつも研究のことを考えていてふとアイデアがおりてくるとか、そういう人が羨ましくもあり自分はそのタイプではないだろうという諦めも正直あります。
だからといって、そういう人でなければ研究ができないというわけではないと思います。まだまだやりきってないし諦めるのは早すぎる。今よりもっと楽しくなれる余地はありすぎる状態です。

研究を、楽しく。

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