MY STORY1 闇の中でみた希望の光
「今日も無事に一日が終わりますように」
早朝の静かな通勤電車の中で、毎日毎日祈っていた。
看護師として配属された病棟は、まるで戦場のよう。目の前にはやらなければならないことが溢れていて、常に時間との勝負。予想外のことが次々と起きる。
「どれだけ気を付けていても、いつか大きな事故を起こすんじゃないか・・・」
自分の小さな判断の誤りが、誰かの命に関わるという強いプレッシャーが、看護師として経験を積めば積むほど大きくなっていた。
不規則な勤務体制に、長時間労働。身体が悲鳴を上げていても、やらない選択肢はない。弱音を吐いたら、私の居場所も価値もなくなってしまう。だから頑張るしかない!!
看護師8年目。たいていのことは冷静に判断し対処できるようになった。仲間にも恵まれ、うれしことや楽しいこと、感動することもたくさんあった。
でもいつしか、夢や希望を抱いて自分の生き方として選んだ看護師という職業に、苦しさを感じている自分がいた。
「いつまで続くんだろう・・・」
でも何もできなくて、そんな自分が情けなくて悔しくて、仕事の帰り道、涙がボロボロとこぼれてしまった。
「どうせ私なんか・・・」
いつも私の心にこの言葉がありました。
29歳、突然身体が崩壊!!心臓の病気でした。
はじめまして。看護師/セラピストの高橋かおりと申します。
現在、看護師として、更年期医療に力を入れている婦人科のクリニックに勤めながら、東京の調布というところで、女性の健康をサポートするパーソナルケアサロン(Salon結)を運営しています。
冒頭、なんだか暗く重いお話になってしまいました。
私は29歳の頃、身体を大きく壊してしまったのですが、当時は、自分を完全に見失い、未来に絶望しどん底でした。
今となっては、自分の人生を大きく変える大切な出来事として感謝できるように。
これから、看護師である高橋が、どうしてセラピストを志し、女性の健康サポートを行っているのか、そしてどんな未来を描いているのか、高橋のマイストーリーを3部にわたってお伝えさせていただきます。
どうぞお付き合いください。
突然、病気がやってきた
看護師8年目、結婚して間もない29歳の頃、体調の異変は突然やってきました。「なんだろ?疲れているのかな?」心臓がバクバクバク。動悸と胸の痛みに襲われたのです。
循環器科を受診し検査をしたのですが、一日の半分くらいが不整脈に。一日続く動悸は本当に苦しかった・・・。
はじめは、「きっとすぐよくなる。ちょっと疲れただけ」そう思っていたのですが、何日経っても何をしても、動悸は止まらず、次第に不安と焦りが大きくなっていきました。
半年ほど経過をみていましたが、このままだと、心臓の機能が低下するリスクがあるとのことで、根治療法となる「カテーテルアブレーション」という治療を受けることになったのです。
カテーテルアブレーションとは、手首や足の付け根の血管から、カテーテルという管を入れて、それを心臓まですすめ、悪さをしている心筋を焼くという治療。
治療を受けるにあたり、不安もありましたが、でもそれ以上に、「やっとこれで苦しさから解放される!もとの生活に戻れる!!」こんな期待の方が大きく治療が楽しみでなりませんでした。ちょうど、2011年東日本大震災が起きて、日本中が大きく揺らいでいる時期でした。
期待をして受けた治療。表現が適切ではないのですが、とにかくクソ痛い!!
恥ずかしいのですが、治療終盤、ボロボロ涙が。きっと、「どうしてこんなことになってしまったんだろう」、こんな気持ちからだったと思います。悔しさ、情けなさ、いろんな感情が溢れてしまったのです。
でも、期待とは裏腹に、簡単にはもとの身体に戻ることはできませんでした。結局、カテーテル治療を2年間で3回ほど受けたのですが、悪さをしている心筋部分が難しいところにあり、完治には至らなかったのです。
その後、様々な薬物療法も試しましたが、副作用が強く継続することができませんでした。あとは開胸手術。主治医に提案をされましたが、「大丈夫!」っていう確信が持てなかったので、手術は受けませんでした。
動悸、息切れ、体力の低下といった症状は次第に強くなり、諦めなければならないことが増えていきました。
どう向き合えばいいのかわからない自分の身体。自分の身体がまるで自分ではないような違和感。
思うようにならない現状を受け止めきれず、周囲を妬み、そして不安や焦りを夫にぶつけ、そんな自分に落ち込む日々。
「私はきっと子供を授かることはできない」、そう考えたら悲しくて仕方がありませんでした。いつしか、大切な友人の妊娠・出産報告を喜べない自分になってしまったのです。とっても幸せなことなのに・・・。
自分の大切なものがどんどん壊れていくようで、自分だけが取り残されていくようで、とっても怖かった。
「一生このままなのか、だったら何のために生きていけばいいんだろう?」
完全に自分を見失い、未来に絶望し、まるで闇の中をさまよっているようでした。
「どうせ私なんか・・・」
希望の光
そんな闇の中をもがいていた私に、あたたかい希望の光が差す出来事がやってきたのです。
体調を崩してから2年が経過した32歳の頃でした。あるとき、地元の友人のブログを目にしたとき、とあるリラクゼーションサロンの紹介があったのです。
当時は、「どうせアロマとかって、おしゃれ女子がやるものでしょ?」そう思っていたので、特別何も期待をしていなかったのですが、なぜだか気になってしまい行ってみることに。
アロマのいい香りが漂う自然光溢れるステキな空間。そしてセラピストさんのあたたかくやさしい笑顔に、なんだかとてもうれしくなってしまいました。こういう感覚が、とにかく久しぶりだったのです。
そしてセラピストさんのあたたかい手がとっても心地よくて、いつの間にか、自然と心と身体が緩んでいたのです。
そしてトリートメント終盤、ぼーーーっとする意識の中、ふと思ったのです。
「あー私って大切なんだな」
理屈抜きに、自分を大切に感じたのです。
そうしたら、
「こんなんで自分の人生諦めてどうする!大丈夫!私は大丈夫!」
突然こんな気持ちが溢れてきたのです。
そして帰り道、
「自分のために、もう一度自分を立てなおそう!絶対に自分を諦めない!!」そう覚悟することができたのです。
私は絶対に大丈夫!!
闇をさまよう私は、希望の光を見ることができたのです。
つづきはこちら
↓
https://note.com/kaori_takahashi/n/nd15b7e279313
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