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楽しく絵を描くために (絵画教室生徒作品・技法等)

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絵を描く基本から実践・応用まで 楽しく絵を描くために 参考にして頂けたら幸いです
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【講座】初心者あるある。絵の基本は何ですか?

創造する為に必要な事をまとめてみました 絵の基本は? と聞かれても 上の表の様にすべてつながるものですので どこから始めても いいと思います やってみたい事から始めてみてください 私が 絵を描く上で一番大切にしている事は 何を描くか?という事 見て聞いて感じた事 心動かされた事は 身の回りにたくさんあると思います お花や風景を見てきれいと感じたり 愛しいペットを見て 心からかわいいと感じたり 哀しい出来事にも遭遇する事もあると思います そんな事を まずは言葉にし

作品の題名の付け方教えて

ゆっきー:オクトアトリエサムホール展が始まったね。小さいキャンバス      に思い思いに描いた作品が展示されたね。      サムホール(22.7×15.8)㎝に「なんでこれを描いたの?」って      出品者に思いを聞いてみたくなるわね。 薫   :それぞれがみんな違って凄ーくいいね。 ゆっきー:ところで作品の題名はどんなふうに付けるといいのかなー。って      思うし生徒さんも題名にいつも悩んでいるわね。 薫   :題名の付け方には       ●初めに付ける 

展覧会に作品を出品する前に知っておきたい事

ゆっきー: 「薫さん早いもので もう5月ねー。 教室では公募展やアトリエ展 そして 薫さんも個展の準備ですね。 若い頃から展覧会に出品 する時は ワクワクドキドキって感じで コンクールの通知待ちの時は 何回も ポストを除いたわね。 まるで受験生のようでしたね!!」 薫   : 「そうっだたね。今年の公募展を目指している 生徒さん二人も今は大きな作品は出来上がり 搬入待ちで きっと開催が待ち遠しくて ドキドキしていると思うよ。 私も個展の準備はオッケー、アトリエ展の展示を

天使たちがこの地に降りてきます

雲間から顔をのぞかせた太陽が放つ光の矢は大地に届き その一本一本から天使たちがこの地に降りてきます。 のどかな田園風景が劇的に描かれています。 真直ぐに延びた用水路の両岸にはススキの穂が風にゆれ 水面は光の空を映しキラキラと輝いています。 このススキは本物の穂を画面に貼り付けて 更にアクリル絵の具で加筆し立体感の有る絵づくりが 試みられています。 又 用水路を囲う鉄柵の光が強く当たる上面には フロッタージュ(こすり出し)をした白い紙を コラージュ(貼り付け)しています。

人生 もうひと勝負 もうふた勝負だ!!

F4号の画面いっぱいにカラフルな頭骨が描かれています。 ドリッピング技法を使いハートマークや花柄を描いています。 このアクリル画教室では  フイルムケースや小さな紙コップにジェッソ(アクリル下地剤)と アクリル絵の具に水を混ぜて 少しゆるくした絵の具を画面上部から落下させて形を描いています。 乾燥後に余白の部分に彩色します。 作者もこのドリッピングに 初めは少しためらいがあった様ですが描き慣れるにつれ 楽しくなり次々と発展させて行きました。 空洞の眼窩にも赤や緑の

健気に咲くこの花達に言い知れぬ魅力を感じて

パパヴェル・ヌディカウレ これはケシ科の花の名前です。 一度聞いただけではなかなか覚えられない気がします。 毎年6月から8月の夏に高山や 緯度の高いツンドラ地帯の過酷な環境に咲く多年草です。 黄色い花の足元の白い花はアムレンセと言い この花も背丈が20㎝前後と低く 強い風を避けて山肌の岩の隙間で きれいな花を咲かせています。 作者は健気に咲くこの花達に 言い知れぬ魅力を感じたのかもしれません。 岩場の冷たさや厳しさを鋭い直線で形づくり 色彩もブルーやブルーバイオレットの

音の無い柔らかな空間の中で時を刻みながら・・・

アメリカ北部の農家の納屋を描いた作品です。 広い敷地に大きな建物が建っています。 酪農家の牛小屋の様にも見えます。 手前の広い土地は牧草や放牧の為の 土地なのかもしれません。 この作品の特徴は アクリル画で描かれているにも関わらず 日本画を思わせる表現になっている事です。 アクリル絵の具は通常キャンバスや画用紙に描かれて いるのが一般的ですが この作品は日本画で使用する 麻紙ボードに描いています。 ゆるく溶いたアクリル絵の具を 黒・紺・緑・黄土・白の順に 塗っては自

2階の軒先まで雪に埋もれる豪雪地帯で暮らした昔の生活に思いを馳せる

作者にとっては2作目となる生まれ故郷の作品です。 2階の軒先まで雪に埋もれる豪雪地帯で暮らした 昔の生活に思いを馳せる年齢になったのかもしれません。 前作の「雪の集落」から2年の時が経ちました。 前回はマスキング技法を使い雪原の山村を 墨絵の様に仕上げました。 今回はその集落を近景に据え 塩を使った吸い取り技法と点描で 降り続く雪を描写しています。 3軒並んだ左手前の古民家は村興しの一環で 建築家の隈 研吾氏プロデュースによる カフェとなっているとの事 静まり返った雪

公募 第2回Amasアート展開催中!!

美容と芸術を融合させた湘南のアートシーンが活気づく場所で ありたいと願うGallery Amasと 美術活動を通じ地域の文化振興と発展向上を願い広く交流と親睦を 深めたいと願う画材&ギャラリーOCTオクトの共同企画により 実現した展覧会 第2回Amasアート展が始まりました。 ジャンルを問わず4号の平面作品を公募しました。 ここに作品のご紹介を致します。  あいうえお順といたします。 参加者は平塚市・横浜市・大磯町・茅ヶ崎市・藤沢市・伊勢原市より おもいおもいの感性光る作品

呼び出し音が鳴り続けるのを聞きながら・・・

最近ではほとんど見かけなくなった電話BOX その中でどこかの誰かへ電話する少女が描かれています。 作者は高校2年の男子学生です。 この作品から時代を少し錯覚してしまいそうです。 今の若い人達は公衆電話の掛け方を知らない人が多いと聞いています。 少し重い受話器を耳に当て 呼び出し音が鳴り続けるのを聞きながら コードを握る手がちょっと緊張している感じも伝わって来ます。 そして 電話BOXの外を凝視する瞳は 友達との次の週末の約束なのか 親への少しばかりの嘘の混ざった言い訳の電話な

細かな観察が行き届いた写実作品

自宅の庭先に生えていたコナラの木の1本が 木喰い虫に侵され 切り倒されてしまいました。 幹や枝葉は処分され切り株だけが残っています。 その切り株も日に日に朽ちて やがて土に還るのだと思います。 この切り株の背後にもう一本幹が 描かれているのが見えます。 おそらく二本同時に芽生え共に成長し 天に向かって枝葉を伸ばし互いに 支え合って生きて来たのでしょう。 ところが或る日、片方の体の一部に病気が見つかり 切除しなければならなくなってしまったのでしょう。 そして それは生きと

長い時間の中で創られた風景に 優しいまなざしを持って浸る作者の姿が 見えるようです

鉄道好きの作者は2016年の新聞記事に載っていた JR横須賀線の田浦駅を訪れ  ホームで素早くスケッチをしたそうです。 作者は、長年絵手紙を書いています。 旅先で目にした風景やめずらしい食べ物などを さっと絵手紙にしたためて 友人や知人に郵送し続けています。 今回は明治・大正・昭和に造られた歴史を感じる このトンネルをアクリル絵の具でF4号(24.2×33.3)㎝の 作品に仕上げました。 緑の山肌に開いた3つのトンネルは 一番左が昭和に造られた軍用で、現在は使われ

風に揺れるコスモスはダンボールで・・

秋風にゆれるコスモスの花を描きたい との申し出を受けました。 それだけでは無くダンボールを使用した技法を使えば 左右にゆれるコスモスのしなやかさが 表現出来るかも知れないとの アイディアも一緒に提案してくれました。 作者は過去にダンボールを使用した作品を描いています。 その経験を活かしもう一度試してみたいとの事でした。 そもそもダンボールは、 波型の紙が平らな紙でサンドされています。 その片面の紙を剥がし、波面を露出させ それにジェッソを塗り、乾燥させ、 強い下地を創って

明暗のみで描く・・・

ジェッソとはアクリル絵の具の下地剤の一種で 主に白を使います。 ジェッソの中に色のついたカラージェッソか有ります。 カラージェッソには 白・黒・赤・黄・緑・茶など数種の色味が有ります。 今回はバーントアンバー(こげ茶)を使って描いています。 これは単色画で用いる明暗のみで描くカマイユ技法です。 まずキャンバスボードの画面全体にカラージェッソを地塗りします。 次にバーントアンバーに白を加え階調だけで描く明暗法です。 カマイユの語源はギリシャ語のkamaiとされ低い起伏を意味