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【校正・添削で新たに知ったこと・はっきりしたこと㊳】

自分の思い込みに頼らず、必ずいちいち調べることが大事。自分の成長にもつながる。

「乗る/乗せる」と「載る/載せる」の違い


これはかなり微妙な使い分けになるようです。 あらかじめ言いますと、迷ったらひらがな表記が無難です。

「乗る」

いつも参照している共同通信社の『記者ハンドブック』では、以下のようになっています。

乗る」:(一般用語。主に行為・動作)
・(乗り物に乗る)
使用例は、客を船に乗せる、乗っ取り犯人、乗り移る、乗り換える、乗り切る、乗り出す、乗り手、飛行機に乗る、など。
・(運ばれる)
使用例は、風に乗る、電波に乗せる、など。
・(上に乗せられる、達する)
使用例は、(猫を)膝に乗せる、株価が2万円の大台に乗る、など。
・(応じる)
使用例は、誘いに乗る、相談に乗る、一口乗る、など。
・(だます)
使用例は、口車に乗る、計略に乗せる、など。
・(勢いづく)
使用例は、興に乗る、図に乗る、乗り気、など。

※総じて、「乗る」の方が一般的に使用します。

「載る」

それに対し、「載る」のケースは、
(掲載・積載)の意味のとき使います。
使用例は、網棚に荷物を載せる、家畜を列車に載せて運ぶ、車に荷物を載せる、新聞に広告を載せる、俎上に載せる、まな板に載せる、など。

さらに注意書きとして、「料理を皿にのせる」など使い分けに迷う場合はひらがな書き、とされています。

漢字の本来の意味の違い

さらに違いを突っ込んで考えてみると、 『漢字の使い分け ときあかし辞典』(円満字二郎著・研究社刊)が参考になります。

」の漢字の本来の意味は、”何かの上に人を移動させること”。また比喩的に”数があるレベルを超えること”にも使われる。
今日一般的なのは、”交通手段を用いて移動すること”。
基本は「人」に対して使われるが、比喩的に物体について”何かの力を借りて移動する/させる”ことも表す。

その他、概して「乗」は活動的なニュアンスで、”移動する””利用して行動する””うまく合わせる””積極手に応じる”という場合に使うほか、自分の意思で活動できる動物に対しても使う──とのこと。

これに対し「」は、自分の意思では活動しない単なる物体を”何かの上に置く”ことを表します。
そこから転じて、”紙面の上に置く”のニュアンスで「掲載」「記載」などの意味でも使われます。

イメージの違いを押さえて、あとは使用例を参考にするか、ひらがな表記にするのがよいでしょう。

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