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本日は、お日柄もよく

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

挨拶の会場雰囲気から

本書は、「スピーチライター」という仕事を中心とした、お仕事小説。
こんな感じで始まります。

えー、ただいまご紹介にあずかりました、鈴木でございます。
厚志君、恵里さん。このたびは、ご結婚おめでとうございます。また、ご両家のご親族の皆さまがた、このたびはまことにおめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。
えー、本日は、お日柄もよく、若いふたりの門出を祝すにふさわしい、すばらしい日となりました。
えー、わたくしといたしましては、このよき日を、ご臨席の皆さまがたとともに、祝したいと思う次第でございます。
ああ、だめだ。猛烈に眠い。目の前に並べられた金縁の皿、シャンパングラス、銀色のナイフとフォーク、輪郭がぐにゃぐにゃ歪んで、ダリの絵みたいに見えてくる。自分が結婚するわけでもないのに、なんだかえらく緊張して、ゆうべはちっとも眠れなかった。明け方、ちょっとうとうとしただけ。朝六時には、晴れ着の着付けに遅れると、お母さんに叩き起こされてしまった。

本日は、お日柄もよく(原田マハ)

本書の内容

スピーチライターという仕事との出会い

簡単なあらすじをご紹介します。
冒頭のシーンで、こっくり、こっくりしているのは主人公こと葉。
OL。

このシーンは、幼なじみの厚志くんの結婚披露宴。
こと葉は、厚志くんに淡い恋心を抱いていた。
しかし、幼馴染という環境もあり、その恋は発展することなく、まったく別の恵里さんを結婚相手に選んだ。

よくよく見てみると、そういった登場人物が、冒頭の”鈴木”さんの退屈なあいさつの中で明らかにされてます。
結構考えたスタートだったのかもしれません。

さて、何の人生の目標もない状態で参加したこの披露宴。
ここで、衝撃的な出会いを経験します。
それは、この後出てくる、あまりにも鮮烈なスピーチを行う女性、久美さんです。

そこで久美さんに関心を寄せ、こと葉はスピーチライターという職業の存在を知ります。

言葉を操る職業

実はこの小説の中には、「言葉で人を動かす」というのが話題の中心として存在します。
とうぜん、天才コピーライターなる人物も出てくる。
そういった人たちが、一言一言の言葉に込めた思い。
その言葉が人を動かす様子。
そんなものを目の当たりにできる、なかなか稀有な小説じゃないかと思います。

ストーリーは、割とシンプルで読みやすく、登場人物のセリフとして言葉の役割を知ることができるこの小説、結構おすすめです。
コピーライターや物書きの方には、ご一読をおすすめしたい一冊。

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