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戦略思考と納得思考。

いえもんが書いた、パートナーとの「結婚」をめぐる話し合いの記事を読んでちょっと考えてしまった。

この記事で書かれているのは、結婚を戦略的に考えて話し合うってことだと思う。
「戦略的」っていうのは「未来のことを念頭に今の行動を考える」ってくらいの意味。


ひるがえっておれは、この戦略的思考というのが壊滅的に苦手である。苦手だし好きじゃない。

未来のことを考えようとするとすごくストレスを感じてしまう。


これは別に考えること自体が嫌いだってわけじゃない。

過去や現在のことについて「納得」のために考えるのはたぶん人より好きだと思う。

「あの経験って結局自分にとってどういう意味があったんだろう」とか「妙に納得いかないこの気持ちはいったいなんなんだろう」みたいなことは頼まれなくても考えてしまう。

このnoteを始める前から紙のノートにそういう考えを誰に見せるためでもなく書きつけてきたのは、きっと納得のために考えるのが好きだからだろう。


ここで「戦略」のための思考と「納得」のための思考、どっちが正しいかを考えたいわけじゃない。

ただある人は戦略的にものを考えてしまい、自分は納得のためにものを考えてしまうなら、なんで自分は後者なのかちょっと考えてみたいと思っただけだ。

これもまた「納得」のための思考の一形態である。



おそらくこういう思考の仕方は、おれが高校生の時に形づくられたものだと思う。

高校の時に取り組んでいたのは、部活の剣道と学校の勉強、この二つだ。

この二つは、努力の仕方がなんか似ていた。


同じく高校の時にハマっていた内田樹に言わせれば、つまりこういうことである。

「学んだことの価値は学んだ後にしかわからない」

剣道と勉強は、この考えを体に染み込ませることでうまく機能するという点で似通っていた。


剣道はスポーツでもあるが、その前に武道である。スポーツとしての上達と関係あるのかよくわからない礼儀やら風習やらがたくさんある。

そういうものに意味があるのか尋ねることはご法度である。

悟りを目指す禅宗のお坊さんは、座禅にもっと効率的なやり方があるんじゃないかとは言わないだろう。悟ってないんだから悟りに至るための効率的な手段など検討できるはずがないというわけだ。

剣道も同じで、「道を修めればその時意味がわかるはずだ」と仮定して黙って取り組むのである。


勉強も少なくとも高校までの内容であれば似たようなものだと思う。

世界史だろうが数学だろうが物理だろうが、学ぶ前の人間にその価値を理解するのは難しい。

このため何世紀にもわたって「勉強になんの意味があるんですか」という鬼コスられた質問がひねくれ学生から飛び出すことになるのである。

大学以上の専門的な内容になればやる前から価値がわかるものかもしれないが、高校程度のそもそも思考の基礎となる学問の段階では、まずはやるしかない。


そういうわけでおれは「学んだことの価値は学んだ後にしかわからない」という考えのもと、過去と現在のことについて考えるようになった。

まずは来るものに飛び込んでみて、その後納得するために考える。
学ぶ前の今の自分には判断をなるべく握らせない。



でも正直言ってこの納得のための思考はサラリーマンとしてはあまり役に立たない考え方だとわかってきた。

理由は簡単で、会社ではやる前に社内で価値を説得できなければそもそもことが始まらないからである。

「やった後に初めてこの企画の意味が分かりますよ…」で企画が通るはずがない。


結婚についても、少なくとも決断のタイミングでは納得思考はあまり役に立たなさそうだ。

結婚というものが、そもそも「一生この人と一緒にいます」と社会に意思表示することなんだから、今現在の自分として未来まで責任を持って決断することが必要不可欠だろう。

そもそも「結婚したらきっとその価値がわかるようになると思うんで、ぼくと結婚してください」ではあまりに頼りない。

まあ結婚だってやってみて初めてわかる価値や意味があるようにも思うけど。



今の自分ではわからない価値を持つものに飛び込んだり、自分の経験から正しく学びを引き出すためには納得思考は結構便利だ。

一方で大勢を一つの方向に向けて引っ張ったり、結婚のような未来に関わる大きな決断をする時には戦略思考も必要不可欠である。


結局「バランスが大事」といういつもの愚にもつかない結論に落ち着いてしまいそうだ。

まあ大人を名乗るのであればある程度未来の不確定さを飲み込んで、やる前にはっきり決断してほしい気もするね。


未来のこと、考えていくかあ〜〜〜。


サイトウでした。



@いえもん
反論したかったわけじゃないです!あしからず!

話したいのは本当にそう。


@きっちゃん
今週会えるの楽しみ!!


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