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しゃがみ込む日々−ソウルフラワーユニオンを巡る雑感(1):からっぽの概念

からふねです。
改めまして、日本が世界に誇るロックバンド:ソウル・フラワー・ユニオンにまつわる雑感をこちらで書いていきます。
興味のある方はお付き合い頂けると嬉しいです。

前回書いた通り、彼らを最初に知ったのは前身の「ザ・ニューエスト・モデル」(以下ニューエスト)というバンドからでした。
アルバム「ソウル・サヴァイヴァー」はメジャーデビュー盤で、程なくしてインディーズ時代のアルバムもCD化され再発されました。
ニューエストにハマっていた私は、過去の彼らの音楽を知ろうと、そのCDもまとめ買いしたのでした。

1枚目は「ソリッド・ファンデーション」。活動開始した1986年から1987年まで、多数リリースしたシングルやミニアルバムを1枚のCDにまとめたものです。
活動開始当初は、とてもパンキッシュなロック・バンドでした。今聴くと演奏は拙いですが、とにかく世の中への怒りをぶちまけたいという衝動ひとつで轟音を鳴らしシャウトしている、といった感じでした。

そして2枚目は「プリティ・ラジエーション」。1988年にリリースされた、彼ら初の10曲入のフルアルバムでした。
このアルバムは、前作にも増して勢いが凄まじい。そしてパンクバンドには珍しく、キーボードを割と前面に出した音作りがなされていました。

このアルバムの1曲目を飾る曲が「エンプティ・ノーション」。英語で書くと"Empty Notion"、いわば「からっぽの、空虚な概念」といった感じでしょうか。
自分たちが身を置いていたパンクロックシーンを揶揄した歌といわれていますが……上のAmazonのリンクから試聴して頂くとお分かりかと存じますが、音は完全なるパンク。凄いスピード感でしょう?

この「エンプティ・ノーション」という楽曲は、メジャーデビューしてからのセカンドシングルとして再録されます。それがこちら。

私が最初に聴いたのはこちらのヴァージョンなのですが、「プリティ・ラジエーション」所収のものと比べると、テンポがゆっくり目な分、ピアノがもっとフィーチャーされていたり、間奏にサックスソロが入っていたり随分代わっています。何よりグルーヴ感がありますよね。
そして中川敬が叫ぶ"Empty Notion of you!"というフレーズは、最早単なるパンクロックだけでなく、日本の音楽シーン全体、ひいては自分や自分たち自身にまで「お前の概念、空っぽちゃうんか?」と揶揄して歌っているように思えてならないのです。
何かと強烈な反体制のメッセージを叫ぶ姿が取り沙汰される中川敬ですが、むしろこの冷徹な自己批評の観点こそが、彼を非凡なソングライター足らしめていると私は思います。

さて次回は、ニューエストの代表曲で現在もライヴでほぼ必ず演奏されている名曲「こたつ内紛争」について語ることにしましょう。
それではまた。

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