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牛革グローブはもう古い?!SDGsでプロ野球はどう変わるか

こんにちは。カラガラ(@kara_gara)です。

突然ですがみなさんは、SDGsという言葉をご存知ですか?

現在SDGsに対する取り組みはさまざまなところで行われており、プロ野球の世界でも耳にするようになってきました

そこで今回は、SDGsでプロ野球がどう変わっていくかについて考察していきたいと思います。


本当にプロ野球はSDGsで変わっていくのか?

具体的にどう変わっていくかを考える前に、「プロ野球が本当に変わっていくのか」気になる方もいると思います。

結論から言えば変わっていくことは間違いないでしょう。それは、球団と関係のある人々がSDGsを重視するからです。

特にスポンサーの声は重要でしょう。SDGsを重視する株主のために、上場企業はSDGsに取り組みます。そして取引先である球団に対しても、SDGsに対する取り組みや発信を求めてくることが予想されます。

またファンや選手にとってもSDGsに取り組んでいる球団の方が好ましいはず。SDGsで取り上げられている目標の多くは、普段から「こうした方がいい」と言われているものです。自社だけでなく取引先や社会のことを考えている企業と考えていない企業では、どちらが好感を持たれるかは想像に難くないでしょう。


どんなところが変わっていくのか?

では具体的にどこが変わっていくのでしょうか?

SDGsには17も目標があります。

SDGs17の目標_edited

この中でも特に

⑦エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
⑧働きがいも経済成長も
⑮陸の豊かさも守ろう

の3つの目標に関連して、プロ野球は変わっていくでしょう。


⑦エネルギーをみんなに。そしてクリーンに

野球の試合にはたくさんの電力を使います。
東日本大震災のころには『東京ドーム消費電力は一般家庭の6千世帯分』なんてニュースも話題になりました。

こういた問題に対し、すでに取り組みが始まっています。

横浜スタジアムでは、ナイター照明が全面LEDになり消費電力を56%も削減しました。
ナゴヤドームでは、シート型の太陽電池1152枚を屋根に設置して年間に17世帯分の電力を供給しています。

照明や空調の効率化などは、これからより一層取り組まれていくと思います。

また使用する電気の種類も重要です。

日本で使われている電気は7割以上が火力発電によるもの。ですがSDGsでは「2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させること」がターゲットになっています。

こうした観点から、「グッチ」では、ショップ、オフィス、倉庫でクリーンエネルギーを活用しています。
また日本のエーザイでも、グリーン電力の購入などの取り組みが行われています。

プロ野球においても「グリーン電力Day」と銘打った試合などが行われるかもしれませんね。

ちなみに、僕が応援する中日ドラゴンズがグリーン電力Dayを行うなら…。
中日のオフィシャルスポンサーに「株式会社エコスマイル」という太陽光発電会社があります。この会社は7月が創業月なので

7/1(金) 太陽光発電!と言えば エコスマイルDAY
来場者特典|電竜エコバッグ
始球式  |坂口佳穂選手

といったゲームになるかなと思いました(ちなみに坂口佳穂選手はエコスマイルのイメージキャラクターのビーチバレー選手)。
そうなると試合に使う電力はソーラー発電限定でしょうか…?


⑧働きがいも経済成長も

こんな企業を想像してみてください。

・子どもが生まれても休めない
・給料の基準が不明確
・女性が管理職になることはない

ひと昔前ならともかく、現代ではよしとされないものばかりですね。

ちなみに上記の内容はプロ野球の話です。


2022年度から男性も「産休」がとれるような時代。ですが育児のために野球選手が休むなんて聞いたこともないですね。
プロ野球選手は個人事業主ですから育休制度は関係ありません。

ですが、MLBには父親(父性)リストという産休制度があります。選手が出産に立ち会う間、球団が変わりの選手を登録できる制度ですね。

こんな制度をNPBに採用してもらいしつつ、

・最長で4週間の産休を取れる
・産休期間の8割を一軍登録日数に含める

などといった制度ができると、NPB凄いな夢があるなと思ってもらえるのではないでしょうか?


年俸についての話がオフシーズンは絶えません。入団する球団によって年俸は大きく異なりますし、同じ球団内でもチームへの貢献度が年俸に反映されているかは疑問が浮かぶことも多いでしょう。先月はお金のない球団についてのnoteを書いたりもしました。
SDGsのターゲットには、同一賃金同一労働があります。球団側はどんな労働を求めているのかを選手に提示し、選手が納得できるような適正年俸を払う必要があります。


またスタッフが男性に偏っていることも、これからは普通じゃなくなるかもしれません。女性がコーチや監督をやっているNPBの球団は2021年現在ありません。

しかしMLBでは女性がコーチを担うようになってきています。日本でも女性コーチがみられるようになるかもしれませんね。


⑮陸の豊かさも守ろう

野球を行うためにはたくさんの道具が必要です。そしてそれらの道具には、動物や植物から採取した素材や、石油由来の素材があります。

レザー   |ボール、グローブ
ポリエステル|ユニフォーム
合皮    |スパイク
木材    |バット

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硬球にはコットンや毛糸も使われていますね。

レザーは動物の命を頂いてつくるものです。しかし合皮を作るには石油などを使うのが一般的です。
コットンや毛糸を生産するには多大な資源が必要です。森林破壊や砂漠化といった国際的な問題もあれば、バットによく使われるアオダモの不足という日本の野球に関連した問題もあります。

こうした素材に対する取り組みは、アパレルの世界で大きな流れとなっています。特に動物の命を奪わないために、サスティナブルなレザーへの取り組みが多い印象です。

例えばadidasの定番スニーカー「スタンスミス」は合皮製になりました。
リンゴやコーンの廃棄物で作ったレザーシューズの話を見た時は、素直に「かがくのちからってすげー!」と思いましたね。

こうしたサスティナブルなレザーを使ったボール、グローブ、スパイクがNPBでも使われるようになるかもしれません。
「子牛の革を使っています!」というのは商品が高品質である証のように言われていましたが、SDGsの観点では低品質です。

とはいえレザーは管理さえしていれば長く使える素材でもあります。使い捨て思考をやめ、日本に昔からある「モノを大切に使う」という考えを見直すときが来ているのかもしれませんね。

廃棄されるグローブを再生グローブとして繋いでいく取り組みをしている企業もあります。

また、ユニフォームや帽子に使われるポリエステルや、ボールに使われるコットンについては、リサイクルコットン・ポリエステルに代替えされていくでしょう。

木材については、アオダモ植林といった取り組みや、折れたバットの再利用といった取り組みがされています。個人的には「金属バットの方が長く持つしいいんじゃないの?」と思ったりもしますが、過去の記録との整合性などから難しいかもしれませんね。


まとめ

・スポンサーやファンなどの声で球団のSDGsへの取り組みは後押しされる
・省エネやソーラー発電、グリーン電力購入などの活動が活発に
・プロ野球選手が育休を取り、女性コーチが指導する時代が
・リサイクル素材やサスティナブルレザーを使って試合するのが当たり前に

といったお話でした。どうぞよしなに。


参考文献


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