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岩瀬は競ったところで投げるべき投手である

岩瀬、荒木、浅尾、野本選手の引退報道に驚いた方も多いのではないでしょうか?この時期になるとこういう話も出てきますが、黄金期の中日を支えていた選手たちの報道ともなると、より一層しんみりとしてしまいますね。

岩瀬投手の引退の理由として「競ったところで投げていない」という報道がありました。この報道が真実かは別として、私は疑問に思いました。

それって岩瀬投手のせいなの?

今回はそんな自分の思いに自問自答していきます。ケジメ。

岩瀬の成績は向上している

岩瀬に衰えはあったか?と聞かれれば、100人中100人があると答えるでしょう。特に2003、5年の岩瀬、死神の鎌とも言われたスライダーを見ていた世代の方々には圧倒的ともいえるイメージがありますからね。

一方、岩瀬の成績が悪化したのは、2012年頃からでしょうか。2015年は怪我の影響で登板が無かった際には、「もう引退かなぁ」と本人もファンも思ったことかと思います。

しかし、一番成績が悪かったのを2016年だとすると、昨年・今年は成績を向上させています。
奪三振率は2016年から順に10.4%→18.2%→19.7%
奪三振率から与四球割合を引いたK-BB%では4.2%→9.1%→14.6%
年を追う事に三振に比べ与四球が少ない選手へと成長(?)しています。

岩瀬は中日の中継ぎ陣の中でも優秀な選手である

岩瀬の成績が一番悪かった年より改善していることが分かりました。しかし、中日の中継ぎ陣の平均が岩瀬の成績を上回っていれば、競ったところで投げる機会も減るでしょう。

そこで今シーズン20イニング以上投げている中継ぎ投手陣を見てみます。
奪三振率では、佐藤26.7%、福谷24.6%、ロドリゲス22.2%についで4番目に三振の割合が多いです。
K-BB%では、福谷の18.4%に次いで2番目に高く、三振に対して与四球の割合が少ない投手です。
また、与四死球、奪三振、被本塁打で投手を評価するFIPという指標では、佐藤3.72、ロドリゲス3.83に続く4.08です。

以上の成績をみれば、岩瀬が今年も中日投手陣の中でも優秀な選手であることが言えます。

岩瀬は抑えに相応しい投手である

岩瀬の成績が向上し、投手陣の中で優秀な成績を収めているとして、抑えやセットアッパーなど、競った試合で投げる投手は誰がいいのでしょうか?

この話になるとまず考えるべきは、チームで最も優れた投手は先発と抑え、どちらをすべきかという話です。

チームで最も優れた投手は先発と抑え、どちらをすべきか。本人の希望や適性を横におき、セイバーの視点に立った一般論からいえば、これは先発をする方が理にかなっている。理由は明白だ。どんな好投手でも、抑えとして力を発揮するにはチームメートに終盤までリードした場面をつくってもらわなければならない。つまり、抑え投手はお膳立てがなければ仕事ができず、1人でチームを勝たせることはできない。一方、プレーボールから試合をつくっていく先発は、ほぼ1人でチームを勝利に導くことも可能だ。
先発か抑えか 「最高の投手」に任せるべきは…』より引用

上記の記事から考えれば、いい投手から順に先発させればいい訳です。FIPで20イニング以上投げた中日投手陣(先発・中継ぎ含めて)をみれば、岩瀬は4番目にいい投手ですから、先発の4枚目として投げるべきですね。

…と一応は書きましたがそんな起用があり得ないことは明白です。なぜなら1軍にいる投手で1番FIPが良い佐藤が抑えをしているんですから。それに先発の調整をしていないなどの理由もあるでしょう。

ではブルペンで最高の投手である佐藤が抑えをするのはどうなのでしょうか?

実は、ブルペンで最高の投手を抑えに使うのが合理的かどうかも、一概にはいえない。なぜなら試合のヤマ場は七、八回あたりにくることも多く、九回には既に大勢が決していることも少なくないからだ。1番手を抑えとして九回に固定してしまうと、最も大事な場面で切り札を投入する柔軟性を欠くことになる。
先発か抑えか 「最高の投手」に任せるべきは…』より引用

同じ記事ではブルペンで最高の投手はセットアッパーで使うべきとの記載があります。中日では浅尾投手が良かった頃はそのような起用法であったように感じます。
ともすれば、佐藤・ロドリゲスといったブルペンで優秀な選手は7.8回に投げさせ、9回を岩瀬に任せるという起用法は理屈が通ると思います。佐藤は対みぎ成績、ロドリゲスは対ひだり成績が良いですから、相手打線によって柔軟な対応ができる点でもありではないでしょうか?

まとめ

岩瀬投手は一時期の成績悪化から復調しており、中日投手陣の中でも優れた投手であり、抑えで起用するべき選手であるという話でした。

今回の引退の理由が本当かどうかは分からないのですが、成績だけ見れば来年以降も戦力として計算できる投手であり、投手陣が崩壊している中日としては意地でも現役続行させるべき選手だと私は思います。

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