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デスティニーチャイルド の終了に思うアウトゲームUXの難しさ

アニメにもなったソシャゲ、デスティニーチャイルドが今月(9/21)で運営終了する。

このゲームは2017年、当時まだ珍しかったlive2d案件であり、小生もあくまで業務の参考として始めた。 初期数年はそれなりにやったので一家言はある。

半年で潰れる企画がウジャウジャある昨今、6年も続けたのは大したものだと思ってるが、今(9/12)起動してみるとかなり操作に対して画面遷移がもたつくので、経費削減ではやくもバックエンド縮小を始めてるのかもしれない。

キムヒョンテのためのキムヒョンテのゲーム

本作の売りは、キム・ヒョンテ氏デザインのけしからんキャラクター達である。

それを余すところなく見せまくるためのゲームだった。

なにしろ戦闘が実に画期的だった。 敵味方両方とも基本5人編成。それが謎空間で対峙してる。それが互いに必殺技を使う時だけlive2dの大きなカットインが入る。非常にシュールな有様だが、派手なエフェクトでそれをごまかしきってた。

放置少女ほどではなく、割り切ったシステムだなと驚嘆したものだ。

最近だと立ち絵はキャラクタ詳細専用で、戦闘画面はSDキャラ。というのが多く見受けられる。ような気がする。

閑話休題

メモリアル版

営利運営は終わるが、プレイヤーの保持したキャラクター達は、ギャラリー機能のみのアプリを提供することで維持するという。

なかなかわかってる。キムヒョンテ氏としてもせっかく書いたキャラクタ達が永遠に誰の目にも映らなくなるのは無念だったに違いない。

実際に手続きすると、そのメイルアドレスにユーザIDっぽい生のGUIDが帰ってくる。これを記録して、新しいアプリに入力してくださいということらしい。

割と凝ってた戦闘システム

live2dのキャラクターを見せるためだけでなく、戦闘システムについては、結構練られており、後から後から非常に複雑なスキルが搭載された。

特に記憶に焼き付いてるのが状態異常の一種”デスヒール”。 敵に貼り付けておくと、その敵がヒールを受けた時にそのままダメージになってしまうという恐ろしいスキルである。

全回復一辺倒の時代に、なかなか編成のバリエーションに貢献してくれたものだ。

だが面倒な育成システム

非常に大量のパラメタがあり、育成には結構なコスト(消費アイテム類)が掛かっていた。

  • キャラクタレベル:

    • レア度で上限あり。

    • 経験値累積で増加。

      • 余ってるキャラクタを食わせることもできる。

      • 経験値アップ専用キャラクタがあり、曜日解放戦闘で獲得はできる。

  • スキル: レベルアップでゲーム内マネー消費。キャラクタランクで上限解放

  • キズナ: 10段階。分岐あり。レベルによる段階制限あり。キャラエピソード解放、スキン解放、パラメタアップ。オニキス消費

    • オニキスは適当なキャラクタ数体を砕いて調達する。初期には間違って削りすぎることが多々…….

  • ランクアップ

    • レベル上限に影響する

    • 同キャラクタを重複して所持し、それを”限界突破”合成する(”結合”とも呼んでる)

    • 多くの場合、ガチャを何度も回す必要がある。

  • 装備4枠:

    • 武器、防具、装飾: それぞれに概ねガチャで獲得。 育成パラメタあり

    • カルタ: 独立ガチャ。育成パラメタに加えてパッシブスキルあり

  • 進化: レア度をあげる。

    • 素材にはレア度の同じキャラがレア数分必要。

    • 進化専用素材キャラもあり。ただランクが合わない場合はこれ自体を進化させる等の小細工が必要になる。

うろ覚えで書いてるからちょっと怪しい。煩雑なのが伝わればこの場は十分。

しかも煩雑なUI

前述のとおり、1体のキャラクタに対して非常にやることが多いゲームなのだが、そのUIがかなり煩雑である。

まずあろうことか、キャラクタ育成操作については編成画面と兼用で、横フリックでキャラクタを選ぶしかない。

ここにも育成ショートカットはあるにはあるがUIが小さい

縦持ち横フリックのため画面内に並ぶのはたったの10数体のみ。 小生の最終的な所有476個ですら困難を極める。それが700枠。非現実的といわざるを得ない。

絞り込み、ソートはできるが、なにしろスキルフィルタが絶望的に多い。

このため、せっかくガチャを回して、重複したキャラクタを合成”限界突破”しようとしても、そのキャラクタを探し回ることが多々ある。

ちなみに運営10年近いスクールガールストライカーズは勝手に合成する。画面の任意の場所をロングタップで連続スキップも可能。さすがはUIが熟れてる。

ちなみにキャラを”処分”するには、合成を含む何かの素材とするしかない。いちいちその機能メニューに行かなければならず、そのたびにさっきのキャラ何処いった?ってなるのだ。

ソートが使いづらい


このゲームでのキャラクタは”チャイルド”という存在であり、母体の存在が示唆されてるわけだが、それが人間である場合には本名になる。スキンの切り替えでこの母体になれる場合があるのだが、名前が変わると同時に、あろうことかソート順位まで変わる。

今のキャラどこいった??ってなる

これの何がこまるのか?キャラの重複を探すのがとても面倒くさくなるのだ。

キャラクタレベルアップが手間

経験値が必要で、手っ取り早くは余ってるキャラクタを食わせるのが良い。だが、それが6体づつしか指定できない。6体指定してようやく数レベルアップ。それを上限50とかまで繰り返すわけだ。

レベルアップ演出が入るためスキップしなければさらに時間がかかる

操作には短くて10秒程度だろうか?単体では長くはない。だが忘れてはいけない。最大でこれを700体くり返すのだ。

しかも操作ボタンの位置、大きさ、全て違うことにも注目してほしい。

これらは煩雑なUIの一旦だが、とにかく面倒なのは伝わったと思いたい。
そして小生は、これらはかなり大きな離脱要素だと思っている。


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