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なろう系法学ファンタジー、ベトナムの地に降り立つ!『ベトナム司法省駐在体験記』(実話)

 夢中になれるものがいつかおまえをスゲエ奴にするんだとドラゴンボールの歌を胸に邁進した男の記事が先日朝日新聞に載っていたが今回も割とそんな話。

 訓練されたオタクなら『ルワンダ中央銀行総裁日記』をご存知かもしれない。

 図書館の除籍本にさらっと『ベトナム司法省駐在体験記』があったので拾って読んだ。

 うん。めっちゃ面白い。

 それがガチ法学の出版社、信山社刊行の『ベトナム司法省駐在体験記』である。


 著者武藤司郎氏は異国の言葉や文化を学ぶのが好きで、ベトナムの文化を学んでいたら本業(※弁護士)の興味もあってベトナムの法律も研究するように。

 知らんうちに日本国内でベトナム文化と法律に詳しい男になってしまう。
 奥様も『……』ななか、まさかのスカウト。

 これはいくっきゃない。ベトナムへ。


「週休六日でお願いします」(※くんな)
「ʕ•ᴥ•ʔ」


 一度決めたことでもタフに蒸し返すアジアの文化!
(※むしろ一度条約にしたら国際法を守る日本人の方が素直すぎるのか)

 秘書ひとり雇おうにも面接試験なし! 密告があった世界では役に立つのは縁故採用な慣習!

 歴史的背景から各国の法学をごった煮にしたキメラ状態ベトナム法!

 理想と現実入り混じるザインとゾレンな社会。ベトナムでは『家族』が全てで『?!』の連続!


 しかしながら発展途上国の悲しさ、発展欲しければうちの国の法体系を取れとする傲慢な各国社会。

 発展は欲しくも自国文化を守るべく抗うベトナム他アジア諸国(※個人的利権も多々あるが)。

 かつて法を振り翳し大陸で犬と呼ばれた日本人の末裔が、今度は現地の人々の実情にあった法律を作る手助けすべく奮闘する。

 日本だって科学技術はあれど法学技術(※本書でも繰り返し述べられるが、法学は『技術体系』である)は決して各国より優れているわけでない。

 それでも社会主義にして資本主義を導入しようとし、利権渦巻くベトナムの地には『だからこそいい』といえなくもない。彼は奮闘する。酒瓶持たされたりして。


 司法省といえば大抵の国では強い。

 しかしマル◯スが『法律は資本家が民を搾取する武器』としていたのでベトナムでは新しい省庁だ。

 当然激しく行われる利権争い。なんてったってベトナムの公務員の給料はデフォで餓死するんではと言うほど低い!


 旅を愛したサマセット・モームも立ち寄った美しい国ベトナム。
 女性の方が仕事ではタフで頼りになる元気な国。
 法令関係OA化への舵取りの早さ決断は日本より早い。

 司法省駐在だろうが党のえらい人だろうが、『あ、〇〇さんちのハナタレが偉そうになったな』なノリの農民たちはかつてのロシアの農奴たちとワケが違う。

 フランス日本アメリカと外敵の侵略支配を跳ね除け、限界まで引きつけ機関銃で戦闘機を撃墜し、戦車を落とし穴に落として油と火で破壊し、政府がオイタしたら即放送局を占拠し軍とガチバトルする『デモ』を鼻歌混じりにこなす農民なのだ。


 タフなベトナム人に困らされたりそんな人々を愛おしく思ったり。
 好きで夢中な法技術とベトナム周辺地域のために武藤氏は奔走するのである。


※多少の誇張あるかもしれません。実態は読んでみたり現地で確認ください。
※親戚の方ごめんなさい。(※筆者の従兄弟が嫁いだり婿もらった先にはベトナム、イタリア、その他各国の親戚がいる)

ついでにベトナム映画を軽く紹介リンク。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B089RTD1MC/ref=atv_dp_share_cu_r

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自称元貸自転車屋 武術小説女装と多芸にして無能な放送大学生