みんなの部屋_改_画像

(稽古場日誌1)シチュエーションコメディというものを作っていまして

会社員をやりながら舞台でいろいろやっている井上と申します。

いまは3月末に向けて「シチュエーションコメディ」というジャンルの演劇作品『みんなの部屋・改(作・冨坂友)』をうんうん唸りながら作っています。

コメディのなかでも「シチュエーションコメディ」はひとつのシチュエーションの中で登場人物がバタバタと困ったり頑張ったりしながらどんどんひどい状況になって、困れば困るほど笑えるという種類のコメディ。三谷幸喜さんの『ラジオの時間』や『君となら』『笑いの大学』あたりが有名な作品。

取り組んでいる『みんなの部屋・改』はアガリスクエンターテインメントという屁理屈シチュエーションコメディ劇団が2008年に上演、昨年(2018年)に再演された作品。(アガリスクエンターテイメントweb:)

60分程度の上演時間の中で7人の登場人物がとにかく自分のために嘘をつき、誤魔化し、どんどん状況が悪くなっていく。

この作品を自分で上演したいと思ったのはとにかくコメディは難しくて面白いから。

ほかのジャンルでは解釈をある程度お客さんにゆだねていい余地みたいなものがあるのに対して、コメディはお客さんが笑ってくれるか、という絶対的な成功・失敗の基準がある。(ほかのジャンルにはその作品なりの難しさがあるので、他ジャンルが簡単と言っているわけではないです!)

笑ってもらうためには、お客さんが100人いたら100人が同じ理解になるような作品の作り方をする必要がある。登場人物が何をやろうとしていて、そのために何が問題になっていて、どうやって解決するのか、その七転八倒するさまが楽しい。もし登場人物がだれで、何をしようとしているのか全く分からなければ何が起こっているのかわからないまま物語が進んでいく。これって笑えるどころか結構なストレス。

多種多様なお客さんに状況を理解してもらうためには、俳優・スタッフ側に物凄く技術と論理が求められる。

動作ひとつとってもその表現でお客さんに伝わるか物凄く慎重な判断が求められる。

そして、情報が伝わったから面白いかというと、そこは別にイコールではなくて、情報を理解してもらったうえで登場人物たちに起こることが大事。

それは予想を裏切るとんでもないことが面白いこともあれば、次に起こることを予想させ期待させておいてその通りのことが起きる安心からくる面白さ、笑いだったり。

コメディに取り組んでいると「面白い」てなんだ?とずっと考え続けることになる。

その答えはいまだ試行錯誤中です。

小難しいことばっかり書きましたが、そんな小難しいことを考えさせずに笑ってもらえる、笑わせるため必死に稽古しております。もしよければご来場下さい。死ぬほど喜びます。

==========公演情報==============

バレットグループ株式会社協賛 しゃにかま企画特別公演

■作品名
みんなの部屋・改
作:冨坂友(アガリスクエンターテイメント)
演出:井上良

■あらすじ
ついに憧れの男の部屋に忍び込んだストーカー。
偶然忍び込んでしまった空き巣。
そこへ浮気相手を連れ込む、憧れの男。
さらにそこへ浮気相手を連れ込む、憧れの男の彼女。
臑に傷を持つ者達は、互いの事情も知らないまま、狭いワンルームで隠れ合っていく…。

■日時
3/22 17:00〜A 20:00〜B
3/23 13:00〜A 16:00~B 19:00〜A
3/24 13:00〜B 16:00~A 19:00〜B
※2チーム制のダブルキャストとなります。

■場所
バレットグループ株式会社10階フリースペース
住所:東京都新宿区新宿5丁目18-14 新宿北西ビル10階

■チケット
ご予約はこちらから
一般:1,500円
学生:1,000円(要学生証提示)
SNS割:バレットグループのTwitterフォロー or Facebookいいねで100円OFF
(当日受付でお申し付けください。)

■キャスト
野村 望帆
半田 慎太郎
杉原 楽也
近藤 拓海
辻 智之 (バレットグループ株式会社)
高橋 晟
清水 美江
小桧山 美樹
藤野 賢吾
木村 聡太
羽馬 千弘
堀川 理緒
影山 美香 (らちゃかん)

■チーム
A
小桧山 美樹
辻 智之
藤野
木村 聡太
羽馬 千弘
堀川 理緒
影山 美香

B
野村 望帆
半田 慎太郎
杉原 楽也
近藤 拓海
辻 智之
高橋 晟
清水 美江


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