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自分を見つめられるようになった息子

昨日、久しぶりに教室に入るのを拒んだ息子。
いつも通り歩いて分団で行ったのだけれど、教室の前で足が止まり、言葉も発しなくなった。ダンマリを決め込んだ様子…

どうやら、6時間目の都道府県テストが嫌なよう。
前日、テストのことをすっかり忘れていたのか、全く勉強しなかった息子。
できない自分だけでなく、勉強するのを忘れていた自分も責めていたのかもしれない。


担任の先生が出張でおらず、それも不安だったのかもしれない。

3年以上お世話になっている通級の先生が、担任の先生の代わりに朝からクラスに入っていてくれ「テスト、不安だったら通級教室でやってもいいし、その前の時間に通級で都道府県の動画見る子たちもいるからら一緒にやろう!」と提案もしてくれたのだが、息子は首を横に振り、頑なに、テストが嫌だということをダンマリと涙で主張。


困った…

つい、私も「できないのは勉強をしなかった自分が悪いでしょ?こんなところでずっと立ってても仕方ないよ!みんなプリント見て勉強してるよ。思っていること言葉で言ってくれないと分からない!」ときつく当たってしまった。

言いたいことがあるけれど、言葉にできないようだった。こうなるといつも、首を縦に振るか、横に振るか、涙を出すか、でしか表現できなくなる。どう言っていいのか分からない、というのが息子の言い分なのだけれど、こっちもそうなるともうお手上げ。

そんな感じで30分経過…


朝の会が終わるとクラスの子たちも集まってきて「テスト嫌なの?」「そんなの大丈夫やって!」「僕だって分からんし!勉強もしてないよ!」「どうしても嫌やったら今日やらんくてもいいけどさ、どうせやらないかんのやし。早い方がいいって!」などなど声をかけてくれた。

それまで教室に入ろうともしなかったのに、1時間目の書写の先生が来ると思ったよりすんなり動き、ランドセルをおろして準備をし始めた。(ランドセルがかなり重かったようで、ほっとしたような様子だった)
私がクラスの子たちと話している間に、いつの間にか席に座って授業を受ける気満々な表情になっていた。(書写は嫌いなのだけれど)

クラス目標の“切り替え”を意識したのか?
30分の葛藤で落ち着いたのか?
クラスの子たちの言葉に納得したのか?

なんとかイヤイヤを乗り越えた息子。
私が何も言わずとも、ちゃんと乗り越えられるのに。ただ見守ればよかったのに、と自分がイライラしてしまったことを後悔。

1時間目の終わり頃、クラスメイトの一人の機嫌が悪くなり(多分、女の子にちょっかいをかけて先生に止められ叱られたことが原因)、机を蹴ったり物に当たって怒りを爆発させていた(昔もこんなふうに癇癪起こす子いたな…)。
通級の先生になだめられ、顔を真っ赤にして涙ながらに教室を出たクラスメイト。

その子を見て私が「今日担任の先生いないもんね。天気も悪いし、むしゃくしゃするんやろうね」と息子に言うと、「そうやな。イライラするよな。…僕も…そうやったんや…」と返ってきた。
クラスメイトのおかげで、自分のことを振り返ることができた様子の息子。
すっかり落ち着いたので、私はそこで教室を出た。

その後そのクラスメイトは一日あまり機嫌がよくなかったようだが、「(席近くないのに)僕にフェルトペンを借りにきたよ!」と帰宅後に息子が嬉しそうに教えてくれた。

息子とその子は仲が良いわけではないが、話を聞いていると何かと関わりはあるよう。タイプは違えど、少し不器用なところが時々学校生活を苦しいものにしてしまっている、という点では似たもの同士。程よい距離感が、二人の心を繋がらせてくれているように感じる。

さらに息子は、姉に朝自分が教室に入れなかったことを話していた。こんなに冷静に言葉にできるようになっていたなんて!とても驚いた。親には話せなくても、姉には話せることってあるんだな。もう、そんな年頃なんだなぁ…としみじみ思った。

これからももどかしいことはたくさんあるだろう。
でも、確実に成長していっている。
きっと3年後、本当に大丈夫だったんだな、とほっとしているのだろう。

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