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読書会&忘年会の夜

読書会を兼ねた忘年会に参加させていただきましたよ〜!

左から河出さん、阪本さん、私、馬場さん。


目上の方ばかりの中というのも緊張しますが、自分の好きな本を持ってって語るって、なんて、なんて、楽し恥ずかしいのだー!?! 初体験!
全然うまく伝えられませんでした!

皆さまが持ってきて下さった本も、どれも面白そう…!
こうして自分が出会えないでいた作品を知れるのは楽しいですね。

忘年会シーズンの居酒屋さんは戦場で、とっても大変そう。しばらくテーブルの上にはドリンクと本しかないという状況でございました(笑)が、かえってそれがご紹介タイムになって良かったり。


回し読みできるのが本の良いところ


蛍光ペンで線を引いて「本を使う」ように読んで、どんどん書き出していく河出さん。線は引くけれど鉛筆で、優しく読み込む阪本さん。カバーもかけて綺麗に読む馬場さん。わたしはカバーはかけないけれど、読んだの?って言われるくらい綺麗です(笑)線引けないタイプ。

写真に写っていませんが、馬場さんが透明のブックカバー使っていらしたの。透明のっていいですね、わたしは背表紙が見えなくなると手にとらなくなっちゃうから、買ってみようと思いました。

そんなそれぞれの読み方も興味深いポイントでした。
皆さんはどうやって本、読んでますか?

詩集から絵本から色々と

「古本に線が引いてあって、そこが自分と違うところだったするのも楽しいんだよね。僕はそれがすき」と阪本さん。確かにそうだなぁ。以前はどんな人が読んだのかなって、なんだか見知らぬ誰かと意見交換してるみたいで。わたしも線引いてみようかな(ドキドキ)

自然から学べる本が3冊集まったりもしました。こんなシンクロも嬉しい気持ちになりますね!

左から:わたしの宝物。真ん中はお野菜を育てるのがお好きな阪本さんの、右は「弱さ」に注目中の河出さんのセレクト。


素敵な機会を頂きました、読書会、推し本を語る会、色々なところで出来そうですね。照れずに語れるようにしようっと! 河出さんのように別紙に書き出しておくと、アワアワせずに話せそうだから、早速やってみよう。


居酒屋さんのご飯もたくさん運ばれてきて、お話しも色々と広がり楽しい夜でした。すっかり食べすぎました〜。
皆さま、ありがとうございました!

この日、テーブルに上がった本たち。


この日、テーブルに上がった本たち。わたしからは皆さんの言葉をここには書きませんが、興味があったら読んでみてくださいね。
わたしのおすすめはレビュー付きでこの後に。


この日わたしが持って行ったのは…


はらだたけひで訳・絵 / ベルトルト・ブレヒト著
「子どもの十字軍」

以前、映画にワンシーン出演した際にお世話になった、絵本作家で当時は岩波ホール映画館の関係者でもあった、はらだたけひで さんの新作。
先日エッセイをお送りしたら、お返しにと送ってくださいました。絵本の形になっていますが、大人も子供も、一緒に読むのが良いのではと思います。

舞台は1939年、ドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が始まった頃。ドイツの劇作家・ブレヒトが1941年に出版した「暦物語」という短編集の中の1つのお話しです。

ロシアとウクライナの戦争が始まり、はらださんはこの作品を絵本にしようと思ったのだそうです。同封されていたお手紙には「過酷な境遇に置かれている世界中の子供たちのことを思わずにいられなかった」とありました。イラクやインドネシアの戦争孤児、ストリートチルドレンをテーマにした数々の映画の上映に奔走してきたはらださんの思いが、ブレヒトのこの作品を手に取りやすい、優しい色合いの「絵本」という形にしたんですね。


どの国も、どの時代も、傷き彷徨うのは一般市民…。親を失った子どもたちは、どうしたらいいのでしょう。ポーランドの子も、ドイツの子も、ユダヤの子も、アジアの子も。このお話しは、そんな行き場を失った子供達が、集まり平和の地を求めて彷徨い、仲間の子や出会った大人と死に別れながら旅をして、そして最後は…。

子どもたちを救うのは大人でしょうか。
食事を分け与えられない人を責められるでしょうか。
ただしい道を教えられない人を責められるでしょうか。
救いは、あるのでしょうか。

この本は、広島の原爆の子の像に捧げられた折り鶴の再生紙で出来ており、平和への願いが込められています。

「書店や映画館などがどんどん閉められて、文化や芸術が遠くなる今、人間らしくあるために、必要なものを伝えつづけてゆかなければと」とお手紙の最後には綴られていました。

優しい色合いのはらださんの絵には、今回ある特長があります。それによって、これが海外の遠い話ではないと感じさせてくれる、そうわたしは感じています。

心を深く抉られる作品。ブレストのこの作品は普遍的な戦争の問題を題材にしていると言われているのだそうです。本当は、普遍的なものにしてはいけないもののはず……。

わたしたちが出来ることは、なんでしょうか。

ぜひ読んでみて下さいね。

余談:この頃の時代背景についてはこのページが参考になりました。


「森の本」 ネイチャープロ編集室

ネイチャー・プロ編集室は、図鑑などを手がける、企画編集団体だそうです。

大好きな本で、心が疲れた時に手に取ります。何度か引越しても、ずっと手放さないでいる一冊。2001年のものなのでもうだいぶ古いものですね。森林浴をしたような気持ちになる、湿度まで伝わるような樹々の写真。半分写真集のような美しい本です。

その合間を縫うように添えられる文章は、わたしにとっては全部書き出したいくらい。どれもハッとさせられたり、自然のプログラムがどれほど繊細で巧妙なものかが感じられ、畏敬の念のような静かな感動があります。わたしたちにはわからない、周波数のようなもので会話してると思わずにはいられない。

たとえば、白樺は痩せた土地に生えるということで嫌われると聞きますが、この本を読むとどれだけそのことが大切かがわかります。それは、栄養の少ない土地に生きることができる、ということ。けれど寿命は100年ほどと短い。倒れ朽ちて、それが養分となり次の植物が生きられる土地に変わり、森となっていきます。

人間の考えられる範囲の時間を超えた、長い長い、命のサイクル。

人間とはなんて小さく儚いのでしょう。わたしたちの命がどれだけの奇跡の中で生かされているのか、それを知ることが出来る本です。人間の傲慢さ(自分も含めて!)に疲れたら、こういう作品を読んだり海をみたりします。学校の授業でこういうのやったらいいのになぁ。


というわけで、そんな感じでお伝えしたかったのに、照れちゃって照れちゃって、言えないの(笑)。ほんと喋るの下手です。でもこんな機会があると、読書もはかどりますね!

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