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中学受験によって親子の関係性はこう変わった

「考え込むよりやってみよう」と選択してみたものの、想像通り山あり谷あり嵐ありだった中学受験。個人的には、ほぼほぼ「滝つぼの中の修行時間」であった気もしますが、この受験生活を通して私たち家族の関係性もずいぶんと変わりました。

せっかくですので、自分の整理も兼ねて、関係性の変化やより良い関係を作るために自分が気をつけていたことについて書いておきたいと思います。

まず、今回は子供との関係性について。

(1)パワーバランスの変化

受験勉強が始まってすぐに起こったのは、「学歴のある者、中学受験経験のある者とそうでない者との間のパワーバランスの変化」でした。(これを関係性のコーチングでは「ランク」と呼んでいます。)

それまで、子どもから見た母親(私)は「自分よりおっちょこちょいで抜けている人」でした。それが、受験情報を子ども自身が得たことにより「○○中学に入学した人」という見方をするようになりました。

「いいよね、お母さんは○○中に受かったんだから」

何かにつけてそんなセリフを口にするようになり、自分が「〇〇中卒」というラベルを持っているだけで、子どもからすると高い位置にいる人、パワーを持っている人、と見られていること、そして私の発言はその「高い位置から発せられている」ことをその都度思い知らされました。

ランクそのものに「良い/悪い」はありませんし、解消することはできません。
ですから、私自身がそのパワーバランスを自覚しながら、言い方や空気感を意識していくようにしました。


(2)子どもに「大切に思っているよ」と伝え続ける

小学校5、6年と言えばちょうど思春期です。勉強のストレスもあって、感情が落ち着かなかったり言動が荒くなった時期がありました。そんな時は、指導したり注意したりする前に、子供の心のバケツをいっぱいにすることに気を配りました。

「あなたのことを大切に思っているよ。支えたいと思っているよ。応援しているよ。」を伝えるにはどうしたらいいか。子どもがそれをちゃんと受け取ってくれるためにはどうしたらいいのか。いろいろ考え、試しました。

この点において、夫婦間での愛情表現についての知識が親子間でも有効でした。子供も落ち着きを取り戻し、それが成績にも反映されていったように思います。

(3)親の感情コントロール能力の向上

これまで自分ではEQ(感情的知性)は低くない方だと思っていました。しかし、相手が我が子で、しかも受験生活中は様々なことが起きます。私自身も感情の波に飲み込まれそうなことが何回もありました。

そこで行ったのは「自分自身と向き合うこと」。

他者との関係で感情的になったら、向けるべきベクトルは相手ではなく「自分自身」です。時には私のコーチを交え(月に1度コーチングを受けていました)、時には瞑想しながら、ひたすら自分との対話を繰り返しました。

毎回の模試の結果やクラス分けに際し、親の感情が揺れ動くことは少なくないと思います。また、志望校の決定は、ご家庭(つまり親)の価値観が色濃く反映されると思います。
それが大きなものであれ、静かに沸々と沸き起こるものであれ、感情は起きていることを自分がどのように捉えているかのサインでもあります。

親自身が、自分の声を無かったことにして抑圧していることがあります。そのことに無自覚であると、「言っていることと醸し出している雰囲気が異なる」というダブルバインドに陥りやすくなります。
コーチングや自分との対話によって、様々なネガティブな感情を手放すことができました。

(4)空気感を作る

受験も後半になると親の出番は健康管理とメンタルサポートしかありません。どちらについても「家庭の空気感を望ましいものにする」ことがとても有効でした。

意識したのは、「家庭が安心安全な休息できる場であること」。
家庭がもしもピリピリとした空気感であると、子どもは家でも緊張状態が続いてしまいます。

また、家族関係が良好であると免疫機能が高まるという研究結果もあります。子どもの健康管理の点でも家族関係を良好に保つことは大切です。

(5)流れにまかせる

「人間万事塞翁が馬」です。模試の結果が良くても悪くても、また本番で合格しても不合格でも、長期的に見て「何が良くて何が悪いと一体誰がわかるというのか」。すべてのことが必然で起きている。今もそう思います。

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以上、ざっと書いてみましたが、基本的に、ギクシャクしてしまった時には、「今、私たちの関係性はどのようになっているか」を意識し、「私たち」の視点に立つということを繰り返してきました。

2年間(我が家のスタートは小5からでした)に起きた様々なことをあまりにもざっくりまとめてしまいましたので、時間を見て、個々についてもう少し詳しく書けたらいいなと思っています。

ブログ「科学に基づいた上手な夫婦喧嘩の方法」の記事を一部修正)

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