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不幸のすべて・第四十九話「自然に育まれる」

 今回のブログ『不幸のすべて』第四十九話もまた番号が不吉と言うこともあり、無料といたします。次回からは有料です。予めご了承ください。
 では、前回は、

——精一杯、体を動かして働き、そして食べて寝る、これが生物としての人間の基本です。

 と言うところで終わりました。今回もその続きですね。よろしくお願いします。
 人の悩みの多くは生物である人間の根本に立ち返ることで解決します。
 自分が生物であることを忘れ、

——自然や宇宙は自由にコントロール出来る。

 と感じて動くことにそもそもの間違いがあります。そして、それら自然や宇宙を理解出来る、あるいは理解しているとは思わないでください。自然はあなたが考えているより複雑で、見えている部分だけが自然ではないのです。
 昔は、

——人とは、家族と友人・知人たちと、そして自然によって育まれる。

 と考えていました。この育まれると言う感覚が大切なのです。
 人はこの世に育まれて存在しています。けして、自分ひとりで生きている訳でも育って来た訳でもありません。そして自然にも育まれて人となれるのです。
 都会では自然に育まれること自体、不可能な場合が多いです。私も大阪市北区の繁華街の真中に住んでいましたので、おおよそ自然と呼べるものがありませんでした。
 少し離れた場所に大きな川があって、そのまわりが公園ですが、これが自然と呼べるかどうかは疑問です。
 先日、その川べりの公園近くを歩いていると、中国産の大きな亀が道を横切りました。誰かが捨てて野生化したものだと思います。それはとても不自然なのです。そして、不自然なものは、必ず自然が攻撃を加えます。まるで、自然そのものを回復させるかのように様々な出来事が発生します。
 たとえば、つる系の植物が電柱を覆っているのを見たことがありませんか?
 あれは、自然が〈不必要だ〉と判断した場所を覆います。
 自然はいつも自分で回復します。

——ガラスの地球を救おう。

 とか、色々と言っている人たちを見ますが、地球はガラスのように壊れやすいものではありません。ただ、地球が回復しようとする現象に、人間の方が耐えられないだけです。
 そして自然を大地を生物の母と考え、自然が人を育むと言う視点に立った時、人としてそれらに対して何が必要なのでしょうか?
 それは、ひとりひとりが生かされていることに感謝し、自分が生きていることそのものを大切にすることです。
 あなたが幸福にならなければ、いったい誰が幸福になれると言うのでしょう。
 もし、あなたが、

——まわりの人を幸福にしたい。

 と思うのなら、まずは、あなたが幸福になるべきです。そして、幸福をそれこそ振りいてください。それを誰も、おせっかいだとは思わないでしょうが、この世の多くの場合は、あなたが不幸を振り撒いている場合の方が多いのです。
 この世では不幸の数も幸福の数も一定量です。つまり、その数が決まっていると言うことです。誰かが幸福になれたとしたら、他の誰かが不幸を得ます。ですが、全員が幸福へ向かうとしたら、人類そのものが全体的に幸福な方向へ向かうことも出来るのです。
 それには、不幸や幸福をよく理解し実践する必要があります。そして、人の力ではどうにもならない部分は神と呼ぶものに頼るしかありません。
 播磨陰陽道は宗教ではありませんので、神と表現しますが、信者を求めていません。霊的な精鋭部隊を作り、この世の神聖な霊体を活性化することを目的としています。それは、潜在意識を活性化し、しいては人類そのものの意識を進化させるのです。
 この世界は進化と退化の二種類の現象によって進みます。未来は進化と退化のバランスの中にあるのです。そして、その中の集合的な無意識、あるいは潜在意識の集合したものを〈神〉と呼んでいます。
 播磨陰陽道は合理的なので、何だか分からないもので神聖であるらしきものを常に〈神〉と呼びます。
 また、空から来てもう少しレベルの下がる存在を、何でもかんでも〈天狗てんぐ〉と呼んでいるだけです。
 古語には、天使と言う言葉がありませんが、エンジェルをあらわす言葉も〈天狗〉でした。しかし、誤解が多いのは赤ら顔の鼻の高い天狗です。これは正確には〈天狗〉ではありません。サルタヒコの神の面をつけた山伏《やまぶし》の姿を描いたものです。天狗は悪魔や鬼の一種でも、ましてや外国人でもあません。単に〈空から来る不可思議な現象〉くらいの意味だと思ってください。
 これはUFOと一緒です。UFO は、ただの〈未確認飛行物体〉のことです。宇宙船のことではありません。皿が飛んでいようと風船だろうと、何だか確認出来なければすべて〈UFO〉と呼んでも良いのです。そしてそう呼ぶのが最も正しいのです。
 さて、自然に育まれて育つと書きましたが、自然からかけ離れている〈都会の人〉は、いったい、どうすべきでしょう?
 それは、時々、出来る限り自然の多い場所にある神社へお参りに行ってください。出来れば雨の降った後、かすみが立つような場所が理想的です。この霞はやがて雲を作ります。主成分はフィトンチッドです。
 フィトンチッドは森林浴の主成分で〈森の精気〉とも呼ばれています。これは細胞を活性化したり、様々な人の体に良い作用をもたらします。
 これを呼吸することを、

——かすみを食べる。

 と言います。
 仙人が実在かどうかは不明ですが、彼らは霞を食べて長寿を保っていたです。そして、これらを呼吸する術を〈天地あめつちおき〉と呼んでいます。
 実際、自然に育まれて育つのは、この天地の息であるフィトンチッドを呼吸することよるところが大きいと思います。もちろん、それだけではありませんが……。そのフィトンチッドを深く吸収するには〈天地の息〉の技法を使います。
 この技法は、通常の深呼吸に似ていますが、歩いて行う種類の深呼吸です。ゆっくりと歩きながら、鼻でゆっくり息を吸い、そして息を少し止めて、その後、口からゆっくりと息を吐くのです。
 この時、頭の中では祝詞か神呪《かじり》をあげます。〈十言とこと神呪かじり〉をあげ続けるのが理想的です。
 十言の神呪は、

——あめおきつちおきあめのヒレ、つちのヒレ。

 と一度、言ってから、

——天照大御神。

 を唱え続けるものです。これは〈アマテラスオオミカミ〉と長く続けて唱えることになっていますが、その時は唄うように唱えます。そしてこの〈アマテラスオオミカミ〉の部分だけを、ずっと何度も唱えるようにしてください。
 その時、呼吸が少し苦しくなって来ますので、無理をせず休み休み行ってください。これを頭の中で唱え続けるには、まず、口で何度か唱えておく必要があります。そうすることで体に呼吸のタイミングを記憶させます。
 すると、次から頭の中で唱えるだけで記憶が再生され、かすみを食べられる状態に入ります。この状態では無理な呼吸をしていないのに皮膚も霞を呼吸している状態になります。
 霞を皮膚呼吸することで細胞自体も活性化するのですが、それについては次回に譲るとして、では、あなたの幸福が常にゆるぎなきものでありますように……続く。

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