ダメになる会話「銀河パトロール」

スカウト「やあ!」
青年「うわ!なんですかあなたは?」
スカウト「私はスカウトマンアルファ!」
青年「どう見ても安いジャージを着てる普通の人にしか見えませんけど…」
スカウト「キミを宇宙パトロール隊にスカウトしに来たんだ!」
青年「…いや、そういうの興味ないので。」
スカウト「そういうのも何も、まだ私が何者かすらわからないじゃないか!」
青年「自分で正体不明という自覚はあるんですね。」
スカウト「私は宇宙の平和のため、日夜戦っている銀河パトロール隊の隊長、アルファーマン!」
青年「さっきと組織名が微妙に違う気がしますけど。」
スカウト「宇宙の平和に比べたら、そんなのはささいなことだ。」
青年「宇宙の平和って、いったい何と戦ってるんですか?」
スカウト「ベガ星系を支配しようとするガンマ軍団や、宇宙を渡り歩く殺人宇宙アメーバ、そしてゴミの分別を守らないマナーの悪い近隣住民たちと日夜戦っている。」
青年「意外と身近な戦いもしてるんですね。」
スカウト「地球じゃ無名だが、ベガ星系では、”手遅れだよ!銀河パトロール!”のキャッチフレーズで有名なんだぞ。」
青年「ダメじゃないですか。なんで自慢げなんですか。」
スカウト「さあ、キミも我々と共に戦おう!」
青年「その前に、いくつか質問してもいいですか?」
スカウト「もちろんだ!なんでも聞きたまえ!」
青年「あなたはどこの出身ですか?」
スカウト「私の故郷は遠く離れた場所にある星、ジャスティス星だ!」
青年「じゃあ、なんで日本語を話してるんですか?」
スカウト「これは万能翻訳機を使っているぞ!」
青年「翻訳機を切ってジャスティス語で話してみてくれますか?」
スカウト「いいとも。アパ、パピパッチョ!シャケンパ、ロルルメ!こんな感じだ。」
青年「なんていったんですか?」
スカウト「昨日夜中にチャーシューメン食べたから胃がもたれる、だ。」
青年「いったいどの部分がチャーシューメンだったんだろう。」
スカウト「他に質問は?」
青年「何か特殊な能力とかあるんですか?」
スカウト「ははは、宇宙人だからって超能力を持ってるだなんて、テレビの見過ぎだぞ。」
青年「なんだろう、あなたにだけは言われたくないって気がします。」
スカウト「まあ変身して光線出したり、空飛んだりとか、そんな感じかな。」
青年「凄いじゃないですか。ちょっとやってみてくださいよ。」
スカウト「光線を出すとこの辺りが火の海になるし、空を飛ぶと航空法に引っかかって逮捕されてしまうのだ。」
青年「思ってたより不自由なんですね。」
スカウト「まあ、怪獣とか出た時は見逃してもらえると思うけどね。」
青年「今日まで生きてきて現実に怪獣出た事ないですけどね。」
スカウト「さあ!コスモパトロール隊はいる決心はついたかい??」
青年「だからなんで組織名が安定しないんですか。とにかく入りませんよ。バカバカしい。」
スカウト「む?、さては私の言うことを信じてないな?」
青年「当たり前でしょう。ヒマだからちょっと付き合いましたけどヒーローも怪獣も信じてないですから。」
スカウト「まてっ!ジャスティス星の本部から通信だ!キラマ。ロロープシ?!メンタバラス、ゲンマーゴ、テレレソ?!」
青年「いや、そういうのもういいですよ。」
スカウト「大変だ!ガンマ軍団が怪獣を地球に送り込んだそうだ!」
青年「あーはいはい…あれ?なんか空の色が変だな?」
スカウト「あそこだー!」
青年「わーっ!?ホントに怪獣がでたああ!!」
スカウト「くそ!あいつはニードラーケン!手強いぞ!」
青年「は、は、早く変身して戦ってくださいよっ!」
スカウト「いや、私はスカウト担当なので、戦闘は出来ないんだ。弱いし。」
青年「そんなあっ!」
スカウト「安心したまえ。すでに本部から怪獣退治の専門家が向かってるはずだ。確認しよう。キラマ!テテロチャーク、ポイツ?」
青年「ああーっ!街が火の海だーっ!」
スカウト「イーマ!?タノマンテ、シャケンパ?!そんな場合かっ!急いでくれっ!」
青年「どうしたんですか?!」
スカウト「今チャーシューメン頼んだところだから、食べてから行くって。」
青年「”シャケンパ”がチャーシューメンだったのか!とか言ってる場合じゃねぇ!!」
スカウト「大丈夫だ、すぐにくるように伝えた!」
青年「それで、どれくらいかかるんですか!?」
スカウト「最新式の次元テレポータを使えば、わずか30日後だ!」
青年「手遅れだよ!銀河パトロールっ!」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?