見出し画像

「横尾忠則 寒山百得展」(東京国立博物館 表慶館)

 コロナ禍の行動制限があった2020〜2023年、アトリエに籠もって作品制作に取り組んだ芸術家は複数いますが(たとえばダミアン・ハースト)、横尾忠則が取り組んだ題材は日本・中国の画題としてよく知られる伝説的詩人の寒山・拾得。ただ、必ずしも伝統に則っているわけではなく、基本的には寒山拾得の他、現代芸術の象徴としての便器(デュシャンの《泉》を想定してですが、便器の形態は様々)、トイレットペーパーを描くという"ゆるい"ルールがあるのみで、あとは気の赴くままに描いているような感じ。作品制作ペースは非常に早く、1日に2作品を描き上げていることもある様子。

 寒山拾得についてあまり考えなくても楽しめる作品群かと思います。例えば背景に大谷翔平の肖像画が描かれたり、マラソンを走っていたり、オリンピックのアレだったり。画風も突如として抽象的な画風になるかと思いきや、山水図を衣服としてサンプリングしたり、果てはおよそ寒山拾得とは関係のなさそうなアルセーヌ・ルパンや4人のランボー(詩人のランボー、小説家のアラン・ポーと江戸川乱歩、シルベスター・スタローン演じるジョン・ランボー)が描かれたり…スタローンの奴はそう言えば去年末か今年頭ぐらいに放送してたかなぁという記憶もありますが、それを油彩に取り込んでしまう発想はただただ驚かされるばかりでした。

⁡#Japan #museum #JapaneseMuseum #instaart #art #artexhibition #美術鑑賞 #美術館巡り #美術展巡り #横尾忠則 #tadanoriyokoo #現代芸術 #contemporaryart


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?