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奄美黒糖焼酎

黒糖焼酎を飲むと、奄美群島の海の蒼さが浮かんでくる。
沖縄のエメラルドグリーンやコバルトブルーとまた違う、藍にも似た濃密なブルーだ。

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黒糖焼酎は面白い。

焼酎では通常、麹と水を合わせて酵母を育み(1次仕込み)、
麹の2倍量のデンプン質をかけて糖化と発酵を同時に行う(2次仕込み)。
いわゆる並行複醗酵と呼ばれる、東洋独特の巧みな技である。

麹1kgに対し、米や麦は2kg、芋なら5kgを仕込む。
これが、安全に発酵しやすいバランスとなる。

しかし黒糖は最初から糖なので、麹を使う必要は本当はない。
黒糖を溶かして酵母を入れればアルコールができる。
これを蒸留したものは、ラム酒と呼ばれる。
黒糖焼酎製造において、麹は自らの足場、米を糖化するのに全力を注げば十分なのである。

2次仕込みで一気に黒糖を入れると濃糖圧迫で酵母が苦しむので、
何度かに分けて黒糖を投入することさえあると聞く。

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喜界島のサトウキビ畑にて。


麹を必ず使うのには、酒税法などが絡んだ歴史がある。
奄美大島にしかわ酒造さんのページの説明が簡潔かな。

https://syuzouonline.shop-pro.jp/?mode=f2


よって、奄美群島以外で同じ製法で作っても、黒糖焼酎にはならない。
他の特産品とレベルが違う、他所では本当に作れない貴重なものだ。

麹の使用は同時に、特有の風味をもたらした。

小泉武夫先生は、ラムと黒糖焼酎の違いは
お湯割りで飲めるかどうかにあると言っていた。

確かに、黒糖焼酎はお湯割りにしても味が崩れない。
米の持つ油分によるのか、寒い日にもお湯割りで味わい深く飲める。

もちろんラム的にも使えるのでモヒートにもなるし、
パッションフルーツのうまい季節には、半分に割って
たっぷり黒糖焼酎をかけて種ごとすする!
常温とか関係ない、最高のカクテルになる。

最近、黒糖焼酎には長寿効果が期待されるとの報道があった。
徳之島には長寿者が多い(出生率も高い)。
サーチュイン遺伝子を活性化するそうな。

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次以降の記事では、訪問した奄美大島、徳之島、喜界島、与論島の魅力と
うまい黒糖焼酎を紹介できればと思っています。
沖永良部島にも行ってケービングとかしてみたい。

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