ショパンコンクール2021

実は結構、ショパンが好きです。
図書館でポリーニのエチュードに出会った小5以来、大ファンです。

さて、反田さん2位の快挙がTVで報じられている中ですが、
ここ数日ショパンコンクールのオンライン配信を見た個人的な感想を書いてみます。

まず、総合的に見たら、カナダのブルース・リウさんの優勝は大納得です。
正統派で瑞々しく、コンチェルト3楽章の聴衆の反応も最高でした。
これから注目してみたいピアニストです。

一方、反田さんの演奏で、この曲にはこんな側面があったのかと気づきました。
常にオーケストラと対話しながらのアンサンブル。
コンクールではなく、”コンチェルト”のリサイタルのような。
この点、ファイナルで1番を弾いた中では格別だったように思います。

2000年頃、ツィメルマンの弾き振りの録音が出てきた時あまりの精密さに
衝撃を受けましたが、あれ以来の体験でした。
小林さんの2楽章も、時が止まるような、いつまでも聴いていたい心のこもった演奏でした。

2番を弾いた中では、マルティン・ガルシア・ガルシアさんが終始ニッコニコしてたのが印象的でした。
こういう明るいショパンも良いですね。

全体を通して、個人的に大感動だったのが小林さんの2次予選の幻想ポロネーズ。
故郷に帰れず、サンドとも破局し、病気が悪化する最晩年のショパン。。。(30代なんですよね)
いろいろな痛み、悲しみの中、最後に差し込む一筋の光のような、魂を感じる超名演でした。

幻想ポロネーズには、王道でポーランドの誇りを持ったルービンシュタイン、
パーフェクトなポリーニ、キレッキレのホロヴィッツのライブなど名演がたくさんあるけど、
誰とも違う、心から素晴らしい演奏と思いました。
このタイミングで拍手できない聴衆がもどかしそうです。

小林さんはセミファイナルの24の前奏曲も感動でした。
最後の3音、凄まじいです。

こんなコンクールがリアルタイムで全世界から見れる時代。
入賞者は決まったけど、まだまだ色々見てみたいなあと思っています。

小林さんの二次予選

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