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チリは気候変動対策を憲法に盛り込むのか?(CFACTの記事)

写真出展:joronoによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/jorono-1966666/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=2690976

 2023年11月10日にCFACTは、チリの憲法改正の動きに関する記事を発表した。内容は、チリの左翼政権による極左的憲法の内容や国民投票の状況を概観し、危険な気候変動対策が進められる危険性に警鐘を鳴らすものである。
 日本の憲法改正議論のレベルは著しく低く、目を覆わんばかりであるが、世界の左翼政権についても同様の惨状であり、国民の奮起が求められるところである。今後の気候変動対策の傾向を見通す参考として、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(Is Chile set to adopt a “Climate” Constitution?)
https://www.cfact.org/2023/11/10/is-chile-set-to-adopt-a-climate-constitution/

1.本記事の内容について
 ・2019年10月18日の反政府運動以降、チリは急速に左傾化していった。2022年3月に左派のボリッチ政権が誕生して以降、更なる左傾化が進んだが、この左傾化は国民から支持を受けたものではない。
 ・2022年9月の憲法改正に対する国民投票において、あまりにも左傾化した革命的内容であるとして62%が否決した。しかしこの直後に違法な政治工作が行われ、別の改正案の提案がなされ、2023年12月17日に国民投票が再度実施されることとなった。
 ・今回提案されている改正案は、24名の「専門家」委員会と50名の憲法顧問により作成されたものであるが、ニカラグアやベネズエラのような共産党政権の法案とほぼ同様の内容となっている。驚くことに「環境保護、持続可能な発展」という章が新設されており、気候変動対策を義務化しようとしているのである。
 ・条項を具体的に見てみると、「国家は環境問題に関する正義を推進する」といった定義のない曖昧なものがあり、最終的には裁判で決されることとなるが、当の裁判所はリベラル裁判官がひしめいているのである。その他にも「環境保護、持続可能性と両立可能なエネルギー政策を推進する」といったものもあり、化石燃料が禁止されることになるだろう。現在水素発電事業が停止され、太陽熱発電へ移行しようとしており、更なる苦境に陥るだろう。
 ・最も恐ろしい条項は「気候変動の影響が出る前に、国家は適時適切な方法で気候変動の軽減や適応措置に取り組む」というものであり、政府が自己判断で完了を動員し、環境に関する増税や規制、独裁的な手法を採用することが可能となるのである。
 ・4年前、33名中の憲法顧問のうち4名が反対していれば異常な憲法改正案が国民投票にかけられることはなかったのだが、残念ながら気骨のある保守派はいない。唯一の希望は12月17日の国民投票であり、世論調査でも51%が反対と出ており、否決される可能性が高いだろう。もし憲法が改正されるような事態となれば、かつてクリントン大統領がラテンアメリカの至宝と評したチリの繁栄は永遠に失われることとなるだろう。

2.本記事読後の感想
 中南米はなぜか左翼政権がよく成立する傾向にあり、これはアメリカの民主党が左翼思想を流行させたという側面もあるのだろう。ただ左翼政権の成果はあまり芳しいものではなく、政権は不安定であり、ここ数年でまた保守への回帰が見られる可能性があるだろう。重要なことは政権運営そのものであり、思想の聞こえがいい悪いではないのであるが、この点が見えなくなっている人が多いのだろう。
 憲法は国を適切に運営・発展させるためのものであり、聞こえの良さを競うべきではないのだが、民主主義が成熟してくると思想が多分に入り込んでしまう傾向にあるようだ。こういった傾向に対する危険性を認識して国民を導くのが政府の本来の役割であるが、政府が不適切な行動を扇動してしまっているのが現状である。
 日本においてもこの状況は同じであり、憲法審査会などで検討されている改正案も惨たらしく、環境やLGBTなどの条項が盛り込まれるだけの面妖なものであり、何ら期待はできない。このような状況では憲法改正など夢のまた夢であり、自主憲法制定は革命でも起こらない限り不可能であろう。民主主義の方向が修正されない限り、国家の形を維持するのは不可能である。

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