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心を癒す飲み物

心がモヤモヤした時、悲しい時、辛い時、泣きたい時。一杯の飲み物が心を癒してくれた経験はありませんか?
飲み物には、食べ物ほど高い栄養価値はないかもしれませんが、ほんの少しの一杯が心を満たし穏やかに、豊かにしてくれる効果があるような気がします。
一杯の心の栄養剤。誰かにそっと差し出せる自分でありたいものです。


食べることと飲むこと

食べることと飲むことは、「飲食」といってよくひとくくりに扱われますが、両者は少し異なる立場にあるように思います。

生理解剖学的に、口腔から咽頭を通って食道、胃、腸へと運ばれる経路は同じですが、その各器官の運動においてもやはり異なります。
食べることは食品にもよりますが、咀嚼などのダイナミックでエネルギーのいる行為を要しますが、飲むことは比較的小さなエネルギーで営むことが可能です。

食べることは飲むことに比べ、栄養学的に勝っているともいえます。
食べることはそれだけで人の体に必要な栄養が補えますが、飲むことはそれだけでは十分な栄養とはなりません。

一見、飲むより食べる方が重要な行為のように思いますが、「飲食」と書くように、食べるより飲む方が先にきているのはなぜなのだろうかと、ふと思うことがありました。
やはり、人の体には水分が必要ということなのでしょうか。

飲み物の存在

私は飲み物が好きです。アルコールこそ飲めないけど、日本茶にコーヒー、紅茶、ハーブティ、ココア、ジュース。何でも飲みます。
食事の時は好みの日本茶を、必ず急須で入れて飲みます。お茶で食事の味が違うと思えるくらい、おいしいお茶を入れて食事をすることに少しこだわりがあります。
おいしいお茶が食事の味をよりいっそう引き立てる。脇役かもしれないけれど、なくてはならない存在。飲み物って、そんな感じなのかなと思います。

一杯のアップルティ

忘れられない飲み物があります。
高校卒業後、私は短大に行くことが決まっていました。家を離れての下宿生活。私と母はアパート探しの為、不動産屋を回りました。でも、足の悪い私に適した良い物件にはなかなか出会えませんでした。

やがて雨が降り出し寒くなってきたところで、最後の望みを託して入った不動産屋で出会えたのです。学校に程近く、そこは二階でしたが建物の中に階段があり、普通の家のような構造で玄関で靴を脱いで階段を上がっていくというものでした。

当時はまだ歩けたし、手すりがあれば階段も上がれました。外の階段なら大変だったと思いますが、中の階段だったので上がりやすいし、ここに決めました。

 母と二人でホッとしました。実際暮らしやすいアパートで、二年間無事に短大生活が送れました。
この時、不動産屋で出してくれたアップルティ。雨で冷えて疲れた体に染み渡り、心を癒してくれました。
これまで、あまりアップルティを飲んだことがなかったけれど、この日から大好きになりました。

心の栄養剤

思えば、一杯の飲み物が気持ちを救ってくれたことはこれまで何度もありました。
心がモヤモヤしたり、悲しかったり辛かったり。おいしい飲み物が気持ちを整えてくれました。
食べることはもちろん大事ですが、飲むことも同時に大事な行為です。
飲み物は心の栄養剤とでも言うべきでしょうか。
飲むことは、食べることにはない力があると思います。一杯の心の栄養剤、誰かにそっと差し出せる自分でありたいものです。


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