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囲碁と占星術

相互フォロワー様とのやり取りで、囲碁の歴史や占星術との関係性について話題になったので調べてみました。個人の感想を織り交ぜて書いていきますが、少しでも囲碁に興味を持って頂ければ幸いです。


碁盤=宇宙

囲碁は碁盤に黒白交互に石を打っていき、陣地の広さを競うゲームです。
この碁盤の広さは19路盤(19×19)を使用します。

囲碁の碁盤(19路盤)。少し黒く見える点が星です。

囲碁の碁盤には9つの「星」と呼ばれる場所があります。NHK囲碁トーナメントで「初手右上隅星」とアナウンスを聞かれた方もいらっしゃるかもしれません。特に中央(十10)の星を天元と呼びプロのタイトル戦の由来にもなっています。この天元を北極星に捉えるなど碁盤=宇宙のイメージは中国古来からあります。

占星術、呪術、兵法

宮内悠介さんの小説『月と太陽の盤』の中で、碁盤は古来中国で宇宙観を表すと同時に呪術の道具だったと書かれています。碁盤に碁石を並べて占星術などを行うと同時に呪術的な要素もあったのでは無いかと推測しています。少し時代が新しくなると兵法の勉強にも用いられたようです。

着袴の儀

碁盤を用いた「着袴の儀」という七五三の儀式があります。5歳になったら足に碁石を挟んで碁盤からジャンプするという内容で平安時代から続く風習です。目的としては「碁盤を宇宙や世界に見立てて良く治めるように」「碁盤に引かれた線のように筋目正しく育つように」など諸説あります。個人的には19×19=361なので、時代が経つにつれて1年間365日の無病息災を願ったとも考えています。

補足ですが碁盤は碁打ちにとって神聖なものなので、物を大切にする意味合いも兼ねて後輩たちにも厳しく言っています(碁盤に肘をつかない、碁盤の上で書き物をしない等)。「着袴の儀」のような儀式以外では、無暗に碁盤を踏むのは避けて欲しいです。

碁打ちは魔術師か

上記のように囲碁は魔術のような側面も持ち合わせています。碁打ち=魔術師と書くと暴論になってしまいますが、実際に囲碁を打っている時は平素とはまったく異なる思考回路を使っていますし、調子が良い時は魔力が迸る感覚があります。実際はアドレナリンがドバドバ状態なんでしょうけど…囲碁を続けて宇宙の深淵に近づくというなら夢があるかもしれませんね。

今日はいつもと違う囲碁のお話しでした。少しでも囲碁に興味を持って頂ければ嬉しいです。

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